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番外編『愛すべき贈り物』34

またもいじける暁に、雅紀ははぁっと大きなため息をついて 「んもぉ……。じゃ、俺、もう何にも言わないから。暁さん、ずーっとそこにいれば? 俺、明日も早いし、先に寝ますからね」 雅紀はぷりぷりしながら立ち上がり、暁に背を向けた。 「あっ、おいっ」 暁が焦ってようやく身体ごと振り返ると、雅紀は立ち止まり、くるっと暁の方を向いた。 暁は息を飲んで、ぼーっと雅紀の姿に見とれた。 風呂上りのつやつやの顔を、まだ乾ききっていない柔らかい髪の毛がふわふわと包んでいる。以前より短くなって、毛先が軽やかになった髪型は、元々天使のように愛らしい雅紀の顔だちを、更に惹き立てている。 身につけているのは、寝間着代わりのいつものTシャツ短パンではなく、暁が好んで着せたがるだぼだぼの彼シャツ。 まるでミニのワンピースのようなシャツの裾から、すらっとした綺麗な脚が伸びている。 ……うっわ。なんつーか……もはや神がかってんだろ、こいつの可愛さ。眩しくて、目が潰れそうなんですけど。 風呂場で調子に乗り過ぎた挙句に、興奮し過ぎて、雅紀を置いてけぼりにして、先に達してしまった。まさに三擦り半というやつで、あまりの失態に眩暈がしそうだった。 今までも、雅紀のエロ可愛っぷりに煽られて、思ったより長く持たなかったことは何度もあったが、愛撫し始めてすぐにイってしまったのは、流石に初体験だったのだ。 雅紀が焦ってフォローしてくれようとしたが、あまりのショックに息子が萎れてしまって全く言う事を聞かず、暁は悄然として先に風呂から出た。 雄としてのプライドが地の底まで落ちて、凹んでソファーに懐いていたせいで、雅紀がどんな格好をしているのか、全く見ていなかった。 そこに突如、目の前に現れた、超理想の恋人の姿。 暁はごくりと唾を飲み込んで、慌ててソファーに真っ直ぐに座り直した。 暁に食い入るように見つめられて、雅紀は恥ずかしそうに目を泳がせた。 「これ。こないだ買ってくれた……新しいシャツ……です」 暁はにか~っと笑うと、嬉しそうに両手を広げた。雅紀はちょっとはにかみながら暁に歩み寄り、ぽすんっとその腕の中に飛び込んでいく。 「それ、着てくれたんだ? すっげー似合うぜ」 「んー……」 雅紀は暁の胸に頬をすりすりしてから、顔をあげて上目遣いで暁を見て 「ご機嫌……治りました?」 「う……。お、おう。治った治った」 「そっか。よかったぁ……」 まだ気遣わしげだった雅紀の表情が、一気に明るくなる。 ……や。治るに決まってんだろ~。んな可愛い顔でデレられたらさ。

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