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愛しさのかけら4※

……くそっ。布団片しちまったの、失敗だったな。 本当は、朝目が覚めたらすぐに、隣に眠る雅紀と、いちゃこらするつもりだった。 うっかり寝坊したせいで、目覚めのお楽しみが、腕の中からすり抜けてしまった。 夕べは中途半端に服を脱いだ状態で、というより、暁は局所的に脱いだだけで、それはそれで興奮したけれど、出来れば2人とも素裸になって、肌を重ねてみたい。 ……たぶん、いやきっと、すっげー気持ちいいだろな……。 一糸纏わず、互いに素肌を晒すのは、肉体的にひどく無防備だ。だからこそ、精神的にすごく満たされるような気がするのだ。 ……脱がして、畳の上に寝かせるのは可哀想だよな… しゃあない。とりあえずこの体勢で、まず俺が脱ぐか。 暁は雅紀のものを優しく扱きながら、シャツのボタンを片手ではずしていく。 袖を抜こうとしたら、思わぬ抵抗にあった。雅紀が声を殺そうとして、暁のシャツを必死にくわえているのだ。 ……うわ。このシチュエーションも、めちゃめちゃそそられるんだけどな。あぁっでも、裸でぎゅうって抱き合いて~し。悪いな雅紀。ちょっと外すぞ。 乳首を摘まんで、指先で素早く何度もこすると、突然の違う刺激に、雅紀はあっと声をあげてシャツを口から放した。すかさず袖を抜き取り、脱いだシャツを畳に落とす。 戸惑ったように顔をあげた雅紀と目が合った。目元を薄く染め、快感にとろんとした瞳は、涙で潤んでいた。 あどけないのに艶っぽくて、すがるように誘ってる。その危ういアンバランスさが、壮絶に色っぽい。 ……うっやべ……っ。その顔は反則だろっっ ズクンっと腰にキた。一気に熱がたまり、自分のものが痛いくらい脈うつのを感じる。 暁は息を荒げ、雅紀の唇を食むように奪うと、ぎゅっと抱き締めた。肌と肌が直接触れる。互いの熱が重なり合う感覚は、想像以上の歓びだった。 「あぁ……すげぇ……いい。雅紀、おまえの肌、気持ちいいぜ…」 思わず上擦った声でそう囁くと、雅紀もコクコクと頷いた。胸の上までまくりあげていた雅紀のTシャツを、ぐいっと持ち上げて脱がし、また抱き締める。雅紀もおずおずと腕をまわしてきて、隙間なくぴったりと重なり合った。 「……ぁ……気持ち……いぃ……」 雅紀が掠れた声で呟いた。暁は雅紀の耳に唇を寄せて、 「なぁ……下も全部脱いでさ。全身ぴたっとくっつこうぜ」 そう囁くと、雅紀は少しためらい、やがてコクン……と頷いた。あんまり素直に承知したから、暁の方がちょっとびっくりして、雅紀の顔をまじまじ見てしまった。雅紀はほわんとした目で、暁を見つめ返している。 ……うわぁ……。これってあれか?デレ降臨なのか? せっかくその気になった雅紀の、気が変わらないうちにと、暁は逸る気持ちを抑えつつ、いったん雅紀から離れて立ち上がると、 「ちょっと待ってな。布団敷くから」 ぼんやりと頷く雅紀にキスを落とし、暁は敷布団だけ引っ張り出してきて、洗いかえのシーツを上に敷いた。 「それ、脱いじゃってさ。こっちおいで」 暁は、なるべく雅紀の方を見ないようにそう言って、素早く自身も下を脱ぐ。気付かれないように、そっと横目で伺っていると、雅紀は、足にひっかかっているハーフパンツと下着を脱いで、おずおずと布団の上にあがってきた。 近づいてきた雅紀の手をつかんで、先に自分が横になると、 「俺の上、跨がって」 そう言ってくいくいっと引っ張る。ちょっと恥ずかしくなってきたのか、雅紀は視線を泳がせて、でも素直に暁の上に跨がってきた。 「なあ……キスして」 暁のお願いに、雅紀は目を見開く。少し照れたように視線を反らすと、微かに頷き、目を閉じて顔を近づけてきた。 触れるだけのキス。ちゅっと落ちてきて、すぐに離れる。 暁が、せがむように唇をつき出すと、またちゅっとキスが落とされる。 何回か、そんな優しく啄むような、もどかしいキスをしていくうちに、だんだん興奮してきたのか、雅紀は甘い吐息をもらし始めた。 そろそろ頃合いとみて、暁の方から舌を絡め、口づけを深くする。雅紀の身体から力か抜けていくのを感じて、両腕を彼の背中にまわし、ぎゅっと抱き締めてみた。 四つん這いで、跨がるだけだった雅紀の身体が、ぴったりと吸い付くように重なる。 ……あぁいいな、これ。やっぱすげぇいい…っ さっきとは密着度が全然違う。触れあう皮膚の全てから、沸き起こる熱と歓び。暁は堪らなくなって、甘い息を吐き出した。 雅紀も同じように感じているんだろう。甘ったるい吐息をもらしながら、更にしがみついてきた。 ぴったりとくっついた下腹に、互いの昂りの存在を感じる。口づけが深まるにつれ、雅紀の身体が自然と揺れて、擦れあう場所から、甘い疼きが次々と沸き起こる。 「……ぁ……なぁ…まさき……そこで腰……ゆらしてみ」 暁は、興奮に掠れた声でそう言うと、促すように、くいくいと腰を揺らしてみた。

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