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愛しさのかけら5※

暁の動きが呼び水になったのか、雅紀のキスに受け身のたどたどしさが消えて、急に積極的になった。 ん……んふ……と鼻から声をもらしながら、暁の舌を絡め取り、強く吸い上げ、掻き回してくる。 ……ダメだろ、これ……気持ち良すぎっ。こいつ、キス上手過ぎだって。 暁も負けじと舌を絡め、吸い付き、吸い上げる。 雅紀は布団に両手を突っ張らせ、少しだけ暁から身体を浮かすと、腰を揺らし始めた。 「ぁぅ……あぁ……は……ぁう……あぅ……」 暁のものがいいところに当たるのか、雅紀は喘ぎながら腰をくねらせる。 薄目を開けて見てみると、雅紀は目に涙をにじませ、欲情しきった顔をしていて、それがまた、暁の興奮を煽った。        2人の熱の証が、こすれあい融け合い、腹の間でくちゅくちゅと、いやらしい水音を奏でる。 はぁはぁと喘ぎながら、だんだん身体が反り返っていく雅紀の、胸の尖りに手を伸ばし、指先でつまんでみる。 「あぁっ……ん」 ひと声可愛く鳴いて、首を左右にふった。さらにもう一方の乳首もつまんて、指先でくにくに悪戯しながら 「……いい?なぁ……まさき……きもち、いいか?」 完全に余裕をなくした声で、暁がそう囁くと 「……ぁぅ……ぁん……いぃ……いい……きもちぃい……んぅ」 雅紀も震える声で囁き、ぽろぽろと涙をこぼした。 今度は、雅紀の小さな尻を、両手でつかんで引き寄せ、更に密着させて腰をゆらす。互いのものがあたって気持ちはいいが、そろそろ直接的な刺激が欲しい。そう思って、暁は身体を起こそうとした。 ふいに、雅紀が上半身を起こし、立て膝になった。どうするのかと見ていると、夕べ暁がしたように、2人のものを両手でひとまとめに握り込み、擦り合わせ始めた。 「うっ……くっ……」 雅紀が妖しく乱れ、自分でしてる姿を、目の前で見せつけられている。しかも自分のものも、一緒に扱かれているのだ。これは、視覚的にも体感的にも、刺激が強烈過ぎる。 ……デレだけじゃねぇっ。エロ天使まで降臨かよっ……あぁダメだヤバい頭煮える やがて雅紀の身体が、痙攣したように震え始めた。もう絶頂が近いんだろう。 暁はもう限界とばかりに身を起こし、雅紀の両手の上から、自分の両手を重ねて、一緒に擦りあわせながら、ラストスパートをかけた。 「あっいぃっ……あっあっあぁん……ぃくっ……いくっっ」 「いいよ……いって。俺も限界っ」 切羽つまった鳴き声を撒き散らし、雅紀の身体がびくびくびくっと痙攣した。 ほぼ同時に暁も、低く呻いてのぼりつめた。 仰け反る雅紀を抱き寄せ、その唇をむさぼる。雅紀は余韻にびくびく震えながら、暁の口づけに応えた。  2人とも汗だくだった。相手の鼓動の音が、重ねた胸を通して伝わってくる。 暁はこみあげる愛しさをかみしめながら、雅紀をそっと布団に押し倒し、覆い被さって口づけを続けた。 雅紀は、快楽の余韻を引きずって、まだぽやんとした顔で、放心していた。 隣で肘枕して、汗で貼りついた雅紀の乱れた髪を、指で優しく整えてやる。 「おまえ、エロ過ぎ。大丈夫か?まだどっかいってる?」 雅紀は、とろんとした目で暁を睨み付け、 「あきら……さんが……悪い…」 「なんでだよ。おまえが色気だだ漏れで、可愛くおねだりしたんだろ~」 「おねだりなんか……してないっ……から。暁さんが……気持ちいいこと、ばっかするから…」 暁はふっと笑って、雅紀の尖らせた唇を、指でぷにぷにして 「んじゃあさ、2人ともエロくて悪い。これでおあいこな。……ってか、おまえ、そんな気持ちよかったんだ?」 意地悪そうな暁の笑みに、雅紀はプイッと目を逸らし 「……気持ちよかったです……。あのまま……天国に行けちゃいそうなくらい」 「いったじゃん。2人して天国」 雅紀は逸らしていた目を戻し、暁をまじまじと見つめた。 「お。なに?反論ある?」 「暁さん……」 「なに、どした?」 「暁さん、ストレートって……嘘でしょ」 「は?」 「男も抱ける人、でしょ。えと……バイ?」 ずばり切り出されて、つぶらな瞳でまっすぐ見つめられて、暁は言葉を詰まらせ目を泳がせる。 「やっぱ……そうなんだ」 独り納得しそうな雅紀に、暁は慌てて視線を戻し 「やっ……わかんねえ。自分ではそう思ってなかったしさ、記憶に残る限りでは、男とどうこうって、今までマジでないよ。たださ…」 「ただ?」 暁は鼻の頭をぽりぽりすると 「おまえとキスしたり、おまえのもの触ったり、そういうの、まったく抵抗ないのは事実」 さっきの行為が過ったのか、雅紀の顔がほわっと染まった。 「他の男、試してないからわかんねーけどさ。俺、自覚なしのバイ?……バイセクシャル…ってヤツ?……なのかもな」 「………」 黙りこみ、じっと自分を見ている雅紀に、暁は眉をさげ 「もしかして……ひいたか?嫌か?そういうの」

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