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第22章 たゆたう水面。浮かぶ月。1※
細く開いたドアの隙間から、雅紀が自分を呼ぶ声がして、暁の心臓はどきっと跳ねた。
……なんだよ……。ガラにもなく緊張してんのか?俺……
暁は苦笑して、眺めていたサイトを閉じると、スマホをテーブルに置いた。立ち上がって下着を脱ぎ、浴室に向かう。
緊張した面持ちで、既にバスタブに座っている雅紀に、暁は片目を軽くつぶってみせ、まずは自分の身体をシャワーで洗った。
「あんまりしっかり浸かるなよ。逆上せちまうからな」
なるべく気楽そうな声で話しかけ、全身をくまなく洗うと、石鹸の泡を流してから、バスタブの中に入る。
雅紀は場所をあける為に立ち上がり、俯いて顔を隠したまま、暁に背を向けた。
雅紀の色の白い滑らかな肌には、一緒に風呂に入った時につけた赤い吸い跡が、いくつも散っていて、妙に艶かしい。
そして、きゅっとほっぺの窪んだ、丸みの綺麗な小さなお尻。
見ているだけで、かなりそそられる。
さっきうっかりのぞいてしまったゲイ専用サイトで、外国人の男同士が絡み合う、生々しい画像を見てしまって、危うく萎えかけた愚息が、再び息を吹き返してきた。
……やっぱ俺、雅紀限定だ。他の男は絶対ないな。
そう心の中で確認して、暁はそっと腕をのばし、壁の方に身を寄せている雅紀の身体を、後ろから抱き締めた。
「あ……っ」
雅紀は暁の方が驚くほど、びくっと震え、小さく声をあげた。
「ごめん、びっくりしたか?」
言いながら、前に回した手で、雅紀の胸をまさぐり、指で小さな尖りを探る。
うなじに唇を寄せると、彼特有の甘い香りがした。
探り当てた突起を指先で弄びながら、首筋をぺろんと舌で舐めて吸い付く。
「っぅん……ん……んぅ……ん」
雅紀は、声を殺しながら、ぴくぴく震え、身をよじった。左手を下におろし、雅紀のものにそっと触れると、
「んあっ…」
声をあげていやいやをするように首をふった。構わず、包むように握りこむと、ガクンと雅紀の足の力が抜ける。暁はそれをガッシリと支えて
「立ってらんないか?俺、座るから、お前も上に座んな」
耳元に囁いて、雅紀を抱っする形で、慎重にバスタブに腰をおろす。
ほっとしたように吐息を漏らす、その吐息さえも甘やかで艶やかで、暁は軽く目眩を覚えながら、再び指での愛撫を開始した。
雅紀の撒き散らす、切なく掠れた可愛い鳴き声を聞きながら、暁はひとしきり乳首を可愛がると、そろそろとその手を、雅紀の尻の方におろした。
小さな丸みを優しく撫で、尾てい骨あたりから、指を溝に沿って滑らせていく。
暁のもう一方の手に、勃ちあがったものを握られ、ゆるゆると刺激されて、そちらに反応するので精一杯になっていた雅紀は、割れ目のかなり際どい部分に、暁の指が進入してきていることに気づいて、息をのんだ。
「やっ……ぁだめ……っ」
慌てて身を浮かそうとする雅紀を、そのまま膝だちさせて
「いいこだ。そのまんま腰浮かしてな」
左腕を腰にまわして逃げられないようにして、指先で更に奥の窪みを探った。
「あっねぇっだめっやぁっ……あ…んんっ」
小さくすぼまっている穴のまわりを指でつつく。
……こんなとこに俺のもん、ほんとに入んのかよ…。
暁はゴクリと唾を飲み込んだ。
「な、雅紀、ここほぐすんだよな?」
暁の問いかけに、雅紀はん…ん…と呻きながら、縦横微妙に首をふる。
暁は首を傾げ、再び指でその周辺を押したりもんだりしながら、ふと思いついて、ボディソープを手に取り、
「ちょっと尻あげてろよ」
水面ぎりぎりにあげさせて、ボディソープを指にまとわせると、その滑りを借りながら、小さな穴に指先をつぷ…っと押し込んでみる。
「んんっ」
雅紀がくぐもった声をあげ、身体を強張らせた。暁は入り口周辺をくにくにしながら
「前のヘリんとこに手ついてさ、身体の力、抜いてな。」
雅紀は戸惑いながらも言われた体勢になる。
暁はもう一度ソープを指先に多めに取ると、今度はさっきより少し強めに指先を突き入れた。
…お。入った…。
傷つけないように慎重に、もう少し押し込んで、浅い所で指を動かしてみると、雅紀はさっきとは違う声をもらし始めた。
「んんぅん…うんん」
喉の奥から絞り出るようなうめき声に、暁はまた首を傾げながら
「痛かったら痛いって言えよ」
更に左右に揺するようにしながら、指を出し入れする。到底受け入れてくれそうにないような、小さなすぼまりが、少しずつ柔らかくなっていく気がして、暁はほっとしながら、更に奥を探り始めた。
「あ…ん…くぅ…んぅ…んくぅ」
雅紀はへりについた手に顔を伏せ、小さく呻き続けている。苦しそうではないけれど、気持ちよくもなさそうだ。
暁は広げるようにしながら更に奥へと指を押し込むと、指先が何かしこりのようなものに触れた。
「んあうっっ」
突然、雷にでも打たれたように、雅紀がびくんっと震え、大きな声をあげる。
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