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番外編『愛すべき贈り物』68※
……悔しい……悔しいっ。どーして俺、いつもいつも。
空手だって護身術だって習ったのに。暁の力になりたくて。少しでも手助けになりたくて。万が一の時は、暁を守りたい。暁が自分を救ってくれたように、自分も暁を救える男になりたくて。なのに……何故?俺はいつもいつも。
「や……めろっ……そいつに、手を、出すなっ」
不意に、祥悟の掠れた声が聞こえた。はっとしてそちらに顔を向けると、男に後ろから抱きかかえられたままの祥悟が、気怠そうにこっちを見ていた。
「そいつは、関係ねーだろ。克実。仕返ししたきゃ、俺を、抱けよ」
「はっ。少しは正気に戻ったか?この淫乱が」
「関係ないやつ、巻き込むなよ。おまえが、虐めたいのは、俺、なんだろ?」
苦しそうに肩で息をしながら、喘ぎ過ぎて掠れた声で必死に言い募る祥悟に、克実はふんっと鼻を鳴らし
「黙ってろ、祥悟。おまえの指図は受けないぞ。それより、せっかく正気に返ったんだ。今から面白い遊びをしてやるよ」
雅紀は上半身を裸に剥かれて、祥悟の所まで連れていかれた。じたばたと抵抗して逃げようとしても、屈強な男たちは苦もなく雅紀を押さえ込む。
「祥悟。突っ込まれるばっかりじゃ物足りないよな?」
克実はぐったりしている祥悟の顔を覗き込むと
「お次はこいつに突っ込ませてやるよ」
「や……めろ……っつってんだろ。そいつ、関係ねえ、からっ」
「関係なくないよな。里沙の結婚相手なんだろう? こいつが男に犯られてひーひー言ってる姿、動画で見せてさ、里沙の目を覚ましてやらないといけないだろ?」
「……っ克実、おまえやっぱ、最っ低の下衆野郎だ。里沙が、おまえなんか、相手にするわけ、ねーわ」
「おうおう。いつまでも負け惜しみ言ってろよ。おい、そいつを素っ裸にしろ」
克実は楽しそうに笑いながら、男たちに指示を出す。祥悟が身を起こそうとすると、抱えている男が腰を掴んで突き上げた。
「……んあっ……ああぁ……っ」
まだ硬さを保った男の肉棒が、祥悟の中をガツガツと抉る。正気に戻っても、媚薬の効果は抜けていない。祥悟は悲鳴をあげてシーツに顔を埋めた。
死に物狂いで暴れる雅紀を、1人が馬乗りになってベッドに押さえ込み、もう1人がスラックスに手をかけた。
「暴れるなよ。おまえも気持ち良くしてやるぜ。ほら、大人しく尻を出せよ」
克実は祥悟に使ったのと同じ座薬型の薬を、雅紀の目の前にちらつかせた。
「う゛ーーーっう…っ」
雅紀は恐怖に顔を引き攣らせ、猿轡の下からくぐもった呻き声をあげ、激しく首を振った。
抵抗も虚しく、スラックスが引き下ろされる。
「サンドイッチだ、祥悟。おまえは今から、尻掘られながらこいつを犯すんだよ。気持ちいいらしいぜ。1度味わったら病みつきになるそうだ」
「やめっ……ああぁっあっ……」
祥悟は尻を高くあげた状態で、後ろから突き上げられ、シーツを掴み締めた。1度欲望を吐き出し萎えたはずのペニスが、また硬くなり始めている。
男の手が最後の砦のニットトランクスを掴む。
……ああっもう駄目だっ。暁さんっごめんなさいっ
雅紀は目をぎゅっと瞑った。媚薬を使われる怖さは身に染みて知っている。あれを後ろに押し込まれたら、自分はまた正体もなく狂い乱れて、情けない醜態を晒してしまうだろう。
……やだっやだやだやだ……っ
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