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たゆたう水面。浮かぶ月。4※
「……そっか……よかった…」
暁の言葉に、雅紀はほっとしたように頬を緩めた。
「よすぎて、ヤバいって。今だって、もってかれそうなの、頑張ってこらえてんだぞ」
そう言って、雅紀の唇にちゅっとキスを落とす。その動きに中を刺激されたのだろう。雅紀は、ん……と小さく呻いて
「……暁さん……もっと気持ちよく……なって……俺の中で……もっと…」
言いながら腰を揺らす。
「っ……だからっ……んな煽るなっつーの。酷くしちまうぞ」
「ひどくして……いいから……俺の身体……で……もっとよく……なって…」
「おまえなぁ…」
暁は苦笑いしながらため息をつくと
「しないよ、酷くなんか。俺はおまえを、気持ちよくしてやりたいの」
暁は雅紀の前髪をくしゃっと撫でて、額にキスすると、
「なぁ雅紀……一緒に……気持ちよくなろうぜ…」
低い声で囁いて、繋がったまま、雅紀の足を肩からおろし、そのままぐいっと引き起こす。
「やああっ……ん」
暁の上に跨がっている状態になり、中を暁のものでぐにゅんと抉られて、雅紀は思わず、猫のような声をあげて仰け反った。
暁は雅紀の身体を引き戻し、抱き締めて
「な……おまえのいいとこ、探してやるからさ……そのまんま足、踏ん張ってろよ」
そう言って、ほっそりした腰を両手で掴み、少し浮かせてから、下からゆっくり、腰を揺らし始めた。
「っあん……やぁあっあっ」
下から暁のものに突き上げられ揺さぶられて、雅紀はよがりながら暁の頭にすがりついた。自然と目の前に差し出された、雅紀の桜色に染まった乳首を、舌でつんつんつついてみる。
「やっだめ……ぁんぅ」
「んー?だめじゃないよな……いいんだろ……これ」
「んっんっやぁ…」
「なあ……っどのへんが……いい?ここ……気持ちいいか?」
言いながら腰を使い、例のしこりのあたりを探ってみる。
……指入れた時はたしか……このへん……だったよな……?
見当をつけて突いてみるが、すっかり感じやすくなっているのか、雅紀はどの動きにもよさげによがるから、いまいちよく分からない。しかも、動くたびに絶妙な締め付けにあって、暁の方が絞り取られそうになる。
……あぁ……こいつん中ぎゅうぎゅうして、気持ちよすぎんだろ…っ
暁は荒い息を吐きながら、眉を寄せ、こみあげてくる衝動に耐えた。
ふと思いついて、下腹に手を忍ばせてみると、さっきイったはずの雅紀のものは、また硬くなっていた。
「あっやぁ……だめっさわっちゃ……あぅ…っ」
濡れて震える竿を柔らかく握りこみ、くちゅくちゅしごいてやると、雅紀はあうあうとよがり声をあげ、腰を上下に揺らし始めた。
ぐちゅぐちゅといやらしい音をたてながら、雅紀の下の口が、暁のものを舐めしゃぶる。
「ちょっ……あっ……く…っ」
その物理的な刺激も堪らないが、夢中で腰をふる雅紀の姿が凶悪にエロくて、暁はとうとうこらえきれずに呻き、びくびくっと震えて呆気なく熱を解き放った。
我慢に我慢を重ねた上での放出は、目も眩むほどの強烈な快感だった。
暁は雅紀の身体を、しがみつくように抱き締めて、勝手にびくつく自分の身体を押さえ込んだ。
「……暁さん……イっちゃった?」
腕の中で雅紀が身動ぎする。暁はふぅ~っと大きなため息をつき、雅紀のほやんとのぼせたような顔を、苦笑いで睨み付け
「イっちゃった?じゃねーよ。おまえがエロすぎて、無理やりイカされたんだろーが」
雅紀はまだ切り替えが出来ないのか、うっとりと首を傾げ
「気持ち……よかったんだ……暁さんも…」
嬉しそうに呟いて、暁の胸にコテン…と顔をうめた。暁は、雅紀の柔らかい髪を撫でて
「おまえさ……気にしすぎ。俺は、女じゃなくて、おまえがいいって言ってんの。少しは信じてもらえたか?」
「ん……」
「こら~ちゃんと返事しろって」
「信じる……。暁さん……大好き」
「俺もだよ。雅紀」
顔をあげた雅紀の、涙に潤んで真っ赤になった瞳をじっと見つめて、その唇にそっと口付けた。
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