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番外編『愛すべき贈り物』80※
切羽詰まった雅紀の泣き声。
ちょっといじめすぎたかと、雅紀の身体を自分の方に向けさせた瞬間、暁の鼓動はどきん…っと跳ねた。
とろとろに蕩けきった雅紀の表情。羞じらいながらも強烈な色香を纏って、ぞくぞくするほど綺麗だ。
せつなげに寄せた形のいい眉。
涙をたたえて煌めく瞳。
桜色に染まった頬。
そして、誘うようにうっすらと開いた紅い唇。
「……っ暁さ……ね……お願い……っ」
全身全霊で『貴方が欲しい』と訴えかけてくる愛しい人。
……うっわぁ……やっばい……。なにこの可愛いさ。こいつマジ、天使だろ……。
雅紀が綺麗なのなんか、初めて会った時から知ってる。特にこういう行為中の、くらくらするような綺麗さは、エッチする度に思い知らされてきてる。
初めから可愛くて可愛くて仕方ない恋人だが、毎日毎日どんどん好きになる。愛しすぎて泣けてきそうだ。
……俺……こいつのそば、離れられんのかな……。毎日毎日こんなに好きになってくのにさ、こいつ置いて消えるなんて……ほんとに出来んのかよ……。
沸き起こる愛しさの奥で、胸がズキンと痛んだ。
「……?……ぁきら……さん……?」
一瞬、痛みに顔を顰めたのを、目ざとく見ていたんだろう。雅紀が不安そうに呟いた。
暁ははっとして、すぐに満面の笑みを浮かべ
「や。何でもねーよ。( おまえが綺麗過ぎて大好き過ぎてさ、せつなくなっただけだ )」
暁は雅紀の上に覆いかぶさると、体重をかけないように肘で自分を支えながら、雅紀の顔に唇を寄せて
「焦らして、ごめんな。おまえん中、入らして?」
こくんと頷く雅紀に、しっとりとキスを落とした。
互いの舌を絡め合う。
思いの丈を込めて、互いの愛情を与え合う。
重ねる唇。
絡め合う舌。
そして混じり合う吐息。
繋がった所から、溶け合い混じり合い、ひとつになっていくような至福のひととき。
もっと深く繋がりたい。
もっともっと、溶け合って混じり合いたい。
俺と雅紀に残された時間が、後わずかしかないのならば、せめて共に居られるうちに、自分の愛情の全てを注ぎ込みたい。
……雅紀……愛してるぜ。
暁は名残惜しげに唇を離すと、雅紀の身体を抱き締めながら、隣にごろんと横になる。
「潰しちゃうのやだからさ、おまえが上な」
暁の囁きに、雅紀はじわじわ…っと頬を染めた。その体位だと、感じて乱れる自分の姿も表情も、暁に下から見られてしまう。恥ずかしいのに余計に感じてしまうから、気持ちいいけどすごーく困る。
「おいで」
ハスキーボイスで優しく促されて、雅紀はもじもじしながら、身を起こして暁の上に跨った。
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