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番外編『愛すべき贈り物』84※

揶揄われて雅紀は目元をじわっと赤く染め、ぷくっと頬をふくらませた。仕返しとばかりに腰をくねらせ始めた。 両手を繋いだまま、雅紀の身体が暁を咥えこんで上下に揺れる。たどたどしく動く雅紀からじわりじわりと与えられるもどかしい刺激に、暁は男らしい眉をぎゅっと寄せた。 ……ああ……っすっげ。なにこの感触っ。こいつの身体、前よりぜってぇヤラしくなってんじゃん‍ 1度イって、切羽詰まった感がなくなったのだろう。雅紀は立膝で暁のものをがっちり咥え込んだまま、ゆっくりと腰を上下に動かしている。熱くうねる内壁にぐりぐりと擦られて、暁のペニスは暴発寸前だ。 「……っくっ……はぁ……っんな、締め付け……っんな……っま、さき……っ」 「……ん。んぅ……っあき……らさ……っも、イって……」 目一杯大きくなった暁のものが、動く度に雅紀の感じる所も抉っている。込み上げる快感に、がくがくと力が抜けそうになるのを必死に堪えて、雅紀は大きく腰をグラインドさせた。 「……っっく」 目が眩むような快感が、一気に押し寄せてくる。暁は雅紀の腰をぎゅうっと掴み締めて、抑え込んでいた熱情を解放した。 「……っく……っ」 「んあ……っ」 どくんどくんと雅紀の奥で脈打つ自分のペニス。雅紀の中は、暁の迸る熱を最後の1滴まで絞り取ろうとするように、ぎゅっぎゅっと収縮している。 ……ああっすげぇ……っっ……。 びゅく、びゅくと、数回に分けて注ぎ込まれる暁の熱が、身体の奥を熱く濡らし、心を満たしていく。雅紀は込み上げてくる愛しさに、暁の顔に覆い被さった。 「……あ……きら……さん……っ」 男の自分の身体で、暁が気持ち良くなってくれるのが、ちゃんと絶頂に達してくれるのが、嬉しい。こうして愛を確かめる度に、この人に出逢えた幸運に感謝したくなる。 ぽろぽろと零れ落ちる涙が、暁の顔を優しく濡らす。 暁は呻きながら、手を伸ばして雅紀の両頬を包み 「……泣く、なって」 頬に伝い落ちる涙を、指先で優しく拭ってやる。 「……んはぁ……ぁ……きらさ……好き……大好き……っ」 「俺も、だよ……っく……ぅ……おま、んな、ぎゅうぎゅう、すんなって……やべぇ……っ」 雅紀の中が収縮し続けていて、狂おしい射精感が、いつまでも終わらない気がする。暁は息を詰まらせ、ぎゅっと眉を寄せた。 ……なんだこれ、マジですげぇっ気持ち、良すぎんだろっ ようやく全て出し切ると、暁は詰めていた息をはぁっと吐き出した。びくびく震えていた雅紀の身体も、急に弛緩して、くったりとなる。 「……っは……ぁ……雅紀……おまえ、良過ぎ……俺、今マジで、昇天しかけただろ……っ」 暁は覆いかぶさる雅紀の顔に頬擦りをして、柔らかい髪をかき回した。雅紀はふぅふぅと言葉にならない声で甘え声を漏らす。 そのまましばらく、2人は身体を重ねたまま、じっとしていた。どくんどくんという互いの鼓動が混じり合い、至福の一体感に浸りきっていた。

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