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第27章 月下の狂宴1※

激しく首をふる雅紀の頭を、桐島は優しく撫でて 「雅紀。お前は世間知らずでお人好しだからな。世の中にはな、お前の心では理解来ないような、品性下劣な人間がいるのだよ。私に全て任せておきなさい。守ってあげると言っただろう」 雅紀は次に言う言葉を飲み込んだ。 ダメだ。桐島には何を言っても通じない。 瀧田を使って自分を騙して、ここに拘束しているのは桐島だ。人の意思を無視してこんなことをする人間こそ、品性下劣と言うのではないのか。 昔、自分を監禁した祐介もそうだった。何を言っても理屈は通じず、逆らえば逆らうほど、その行為はエスカレートしていった。 青ざめて言葉を失い、諦めたように動かなくなった雅紀を、瀧田は不思議そうに見つめ、首を傾げた。 「ねえ、貴弘。このこがちゃんと我々の言うことをきくのなら、早瀬という男には、これ以上手を出さなくてもいいのでは?」 「なんだと?」 「だって、このこ、凄く優しそうだから、自分のせいで誰かが酷い目に遭ったりしたら、きっと深く傷つきますよ。ね、雅紀。そうでしょう?」 思わぬ瀧田からの助け船に、雅紀は一瞬戸惑い、すぐに思い直して必死で頷いた。 「貴弘さん、お……俺ちゃんといいこにしてる……から……逆らったりしない。何でもするからっ。だからあの人にはもうこれ以上……何もしないで。お願い…」 桐島は、瀧田をうろんげに見つめた後、手を伸ばして雅紀の目隠しを外して、涙に潤んだ瞳を見下ろし 「勝手をして、あの男に私の大切な身体を玩具にされた罰だ。当分の間はこの屋敷にいて、瀧田の言うことをきいてもらうぞ?」 雅紀は唇を噛みしめ、震えながらコクコクと頷いた。桐島はため息をつき 「いいだろう。お前がそこまで言うのなら、あの男にはもう手出しはしない。ただし、またお前に近づくようなら話は別だ。どんな手段を使っても、徹底的に排除してやる」 震えながら頷く雅紀の目から、涙が伝い落ちるのを、瀧田はうっすらと笑みを浮かべて、じっと見つめていた。 暁は駅の改札前で、イライラしながら、またスマホをチェックした。相変わらずメッセージは未読。電話も来ない。 「遅くなるなら連絡一本ぐらいよこせって~。……ったく、融通のきかないヤツ 次の電車を逃したら、最終の新幹線には間に合わない。暁はスマホをポケットにしまうと、諦めて改札を抜けた。 ……ま、いいや。明日の予定済ましたら、社長が何と言おうと一旦戻ってくりゃいい。いや、自腹きっても絶対戻ってきてやるっ。 ホームに滑り込んできた電車に、暁は後ろ髪をひかれる思いで乗り込んだ。 「う……あ……う…っく……くぅ…」 鈴口に針のない注射器が射し込まれ、中の液体が注入されていく。射精とは真逆の悪寒のするような感覚に、雅紀は歯をくいしばって耐えた。 「気持ち悪い?でもすぐによくなりますからね。辛いのは最初だけです」 瀧田は猫なで声でそう囁くと、全て注入し終えた注射器を抜き取り、素早く鈴口に栓をした。シリコン製のそれは、根元を縛っている革製の拘束具に留めて、勝手に抜けないようになっている。 生ぬるい液体は中で発熱していき、むず痒さを伴った狂おしい感覚に、雅紀は呻きながら身をよじる。 「さ。これでいいでしょう。貴弘、抱きたいならどうぞ」 瀧田のすることを、情欲の滲む目で見つめていた桐島は、テーブルの上のグラスを持ち上げ 「いや。あの男につけられたその汚ならしい痣が消えるまでは、抱いてやるつもりはない。総。お前の好きにしろ」 瀧田は片眉をつりあげ 「ふ~ん?そう。ねえ、雅紀。貴弘はだいぶご立腹みたいですよ。可哀想に。もう入れて欲しくて、ここがこんなにひくひくしているのにね。仕方ないな。代わりに私がたっぷり……可愛がってあげますよ」 瀧田は言いながら、台の上から一番細いディルドを取り上げ、ローションを滴るほどまとわせる。閉じられない雅紀の足を更に開かせ、奥でひくつく入り口にディルドを押しあて 「薬、効いてきたでしょう?いい声で鳴いてくださいね」 含み笑いをもらしながら、入り口でこね回した後、力を込めてゆっくり押し込んでゆく。 「あ……っく……あぁ……あっ……はぁ……ぃやっやああー…っ」 無機質な異物が、狭い中を無理矢理こじ開けていく。雅紀は鎖をジャラジャラ鳴らしながらもがき、声をあげた。 「ああ。良いですねぇ。想像以上に素敵な声だ。君は思ったより声が低いから、その掠れた声がなかなかセクシーです」 瀧田はひどく興奮した様子で、抜き差しを始めた。狭い隘路をかき分けながら、ぐちゅぐちゅと恥ずかしい音を奏でて、ディルドが身体の奥深くまで犯し、引き抜かれては、また中を抉る。 瀧田が使った薬の効果なのか、吐き気がするような気持ち悪さなのに、身体はそれを勝手に快感と受け止める。感じたくないのに、自分の心を裏切って悦ぶ、自分の身体が信じられない。

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