110 / 356

夢見月8※

暁の車は市街地を抜け、長閑な田園地帯の暗い1本道に入った。車を走らせてもう30分近くなる。地図で確認した別荘の場所は、ここから更に山の方へ入っていくはずだ。 民家の灯りもまばらになってきた。途中、やたらと眩しく見えるコンビニの看板を見つけ、暁は駐車場に車を停めて、もう一度地図を確認した。あと5分もしないで目的地に着く。 煙草をくわえてマッチで火をつけ、気持ちを落ち着けるように煙を深く吸い込み吐き出した。 社長とは途中、電話で話し、別荘の住所を伝えておいた。もし暁も連絡が取れなくなるようならば、別の手を打ってくれることになっている。 瀧田と桐島の繋がりはまだ分からないが、桐島が今夜、こちらではなく、会社のある神奈川の方で、ある財界人のパーティーに出席しているという情報を掴んでくれた。 別荘に桐島はいない。 まずは、正面から乗り込んでみる。中に入れてもらえなければ、法を犯す手段も覚悟の上だ。もともと失って惜しいような財産も地位も何もない。ようやく出逢えた愛しい存在以外には何も。 暁は深呼吸をすると、吸殻を灰皿に放り込み、駐車場を出て、再び目的地へと車を走らせた。 「疲れた顔をしてますね。もうおねむの時間ですか?」 たっぷりと時間をかけて夕食を終えると、また部屋に戻って、今度は別の椅子に座らされた。 瀧田は雅紀の柔らかい髪を櫛でとかし、ビスチェの革紐を解くと、ホックを外してドレスを脱がせていく。次に着せられたのは、手触りのいい柔らかい生地の、ナイトガウン風の黒いドレスで、ゆるく重ねた前あわせの隙間から、手をさし込み 「可愛い。君のここ、ちょっと触れただけで喜ぶんですね。もうツンと突き出てきてますよ」 胸の尖りをいやらしい手つきでさわさわと撫で、 「今夜はここだけ可愛がったらもう寝ましょうか。明日は、君の為に買った新しい玩具が届く予定です。たっぷり寝ておかないと」 「ぁ……あ…ぁ……ん…」 弄られ通しで赤くなった乳首は、触れられるとぷくんと飛び出て、むずむずとした快感が沸き起こる。雅紀は小さく喘いで、ぴくんぴくんと震えた。 「気持ちいいですか?」 「ん……ぁ……いぃ……です…」 「そう……舐めて欲しい?」 「ぁ……な……めて…はぁ……もっと……いじ……めて…」 「ふふ…これじゃあ物足りないですか?欲張りな身体だ。いいですよ。舐めてあげます」 瀧田は雅紀の前にまわると、乳首を舌でつつき、なめまわしてから口に含んだ。ちゅっと強く吸い上げ、軽く歯をたてる。 「あぁ……っぁ…ん…」 雅紀はせつなげに眉を寄せ、熱い息を吐き出した。身体の奥に快感が走り抜け、もどかしさにもじもじと身を捩る。 「雅紀は乳首をいじめられるのが好きですね。男の子なのにここが感じるの?恥ずかしい身体だ」 「や……ん……いぃ…」 言葉で責められながら指先でくりくりされると、快感は一層増した。じわじわと下腹に甘い熱がたまっていく。もどかしくて、そろそろと手をのばして、自分のものに触れようとすると、その手を掴まれ 「こら。乳首だけだと言ったでしょう。そっちはお預けです」 「や……ぅ…こっち……あ…」 「ふふ……我慢出来ないの?悪いこですね」 尚も触れようとする手を制し、瀧田は雅紀の両手を後ろに回して、手首の腕輪を後ろ手に繋いでしまうと 「だーめ。そこは触れませんよ」 勃ちあがり始めた雅紀のものを、指でかすめるようにそっとなぶる。 「あっあっ……ぅ……やぁ…」 「触って欲しいですか?ちゃんと扱いて欲しいの?」 雅紀が震えながら頷くと、瀧田は意地の悪い顔で笑って 「ならば尚更お預けです。今夜は乳首だけでイケるように、ちゃんと躾してあげましょうね」 

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!