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第31章 希望のかけら1※
抜き差しを繰り返しながら、根元まで押し込まれた頃には、苦しいだけだった雅紀の声に変化が出ていた。薬の効果が表れてきたのだ。
「んうぅ……んあん……あっ……あっあぁーん」
「おお、いい声だね。気持ちいいのかよ、お姫さん。じゃあもっと遊んでやるぜ」
梶はディルドをギリギリまで引き抜くと、浅く押し込み前立腺を探った。雅紀の前は柔らかく勃ちあがっている。瀧田はそれを更に刺激して大きくすると、拘束帯を巻き、薬を注入して栓をした。
「ああんっああっあっあーやっやあっあう」
雅紀は狂ったように身を捩り、泣き叫び始める。暁は歯を食い縛り、目を開けて雅紀の姿を見つめた。
ディルドが中で蠢くたびに、雅紀は艶っぽく甘いよがり声をあげる。目は虚ろに見開かれ、陶酔しきった表情をしていた。
「どうです?早瀬暁くん。私の雅紀は美しいでしょう?こうして感じている時が、このこは一番綺麗なんですよ。君にこんな顔をさせてあげられますか?」
「へっ。薬なんか使わなくても、俺ならもっとそいつを綺麗な顔にしてやれるさ。あんたが見たこともないくらい、エロくて天使みたいな愛らしい顔だぜ」
途端に、瀧田は笑顔を消して
「ふ……負け惜しみですか。私が見たこともない?そんなこと…」
「なんだったら見せてやるぜ。あんた雅紀の超絶エロい綺麗顔が見たいんだろ?だったらそいつを今すぐ止めさせて、まず薬を抜けよ。俺のこと、大好きでたまらない雅紀じゃねえと、本気のイキ顔は見せてくれねえからな」
余裕の笑顔で自信満々の暁に、瀧田は興味をそそられたのか、しばらく思案顔で雅紀の様子を見つめ
「ふん……分かりました。いいでしょう。薬はそう簡単には抜けませんからね。明日、君に雅紀を抱いてもらいましょう。梶、お前はそのまま続けなさい」
「おいっ。今すぐやめさせろって…」
「その手には乗りませんよ。君には、私を侮辱した罰を与えなければ。他の男になぶられて悦ぶ恋人の姿を、そこで指をくわえて見ていなさい」
暁はちっと舌打ちすると、雅紀の方をそっと見た。
許せることじゃない。大切な雅紀を好き勝手されて、腸が煮えくり返るほど悔しいしキツい。
だが、あれは薬でわけが分からなくされて、強制的に感じさせられているだけだ。そして雅紀を犯しているのは生身の男ではない。
今は瀧田の興味を引き、下手に怒らせない方が得策だ。明日になれば、きっと突破口は見つかる。社長や他の人間も動いてくれている。今は我慢して、瀧田の余興に付き合うしかないだろう。
「分かったよ。乱暴にして傷つけたりしないでくれよ」
「当然です。雅紀は私の大事なお人形さんですからね」
暁は胸の中に沸き起こる苦々しさを、ため息とともに吐き出すと、よがり泣く雅紀の姿をじっと見つめた。
平気だと自分に言い聞かせてはいたが、予想以上に雅紀の狂態ぶりは堪えた。
瀧田からの指示で、次々と繰り出されるしつこい責め立てに、雅紀は信じられないほど淫靡な姿をさらし、甘えきって泣き、身悶え、もっとしてほしいとねだりさえした。
ドライで何回もイカされて、とうとう耐えきれずに雅紀が失神すると、ようやく解放され、ベッドに寝かされた。
だが、暁は床に転がされたままで、瀧田が撮りためた動画を見せられた。動画には瀧田だけでなく、桐島も写っていて、雅紀を好き勝手に乱れさせる様子に、ヘドが出る思いだった。
精神的にへとへとになり、暁は最初に通された客間のベッドに横たわっていた。
腹を殴られ蹴られた痛みよりも、あんなことを強要されていた雅紀の気持ちを思うと、心がきりきりと痛む。
桐島は雅紀の身体中についていた暁からのキスマークに激怒して、瀧田に浮気のお仕置きをさせるために、ここに雅紀を置いているのだと、瀧田は言っていた。
……自分の籍に入れたいくらい大事な相手だろうが。あんな変態野郎にお仕置きさせるとか、どんなだよ。桐島の野郎、性根が腐りきってやがる。
暁は、ベッドですやすやと穏やかな寝息をたてる、雅紀の頭をそっと撫でた。
上映会が終わり、暁はもとの客間に連れて行かれそうになった。自分の知らないうちに、雅紀を隠されたら堪らない、雅紀の傍から離れないと、暁はごねた。瀧田は面倒くさそうな顔をして、だったら一緒に連れていって、傍で番犬のように見張っていろと、あっさり雅紀を暁に渡したのだ。
……瀧田ってヤツも頭のネジがゆるんでやがる
瀧田の雅紀に対する執着は、恋愛のそれでも性愛のそれでもないらしい。性的にいたぶってその反応に酷く興奮はするようだが、あくまでも人形遊びの対象としての執着で、雅紀は玩具のひとつのようなものだ。遊びたい時には夢中で遊ぶが、興味のない時はどこにしまっていても平気らしい。
暁と一緒にこの部屋に閉じ込めておけば、手間が省けていい、ぐらいの感覚だろうか。
まあ実際、屋敷のセキュリティ自体は万全で、そう簡単には逃げ出せそうにないが。
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