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第32章 寄り添うかけら1※

暁のものが、いったん入り口ぎりぎりまで引き抜かれた。雅紀は抜け落ちてしまいそうなそれを追って、お尻を突き出し、きゅっと入り口に力を入れる。 「……うっく…」 暁は締め付けられて息をつめ 「……ぅっこらっそんな、きゅうきゅう……すんなって…」 「ぁっんぅ……ぁきら……さんきてぇ…」 暁は雅紀の腰を押さえて、少し中に押し入ると 「……っ…おまえの、好きなとこ、ここ……だろ…っ」 しこりを狙って亀頭を擦りつける。 「あうっああうっんっう゛っんーーー」 雅紀はいきなりの強烈な快感に、涙をぼろぼろ溢してよがりまくった。暁は容赦なく前立腺を攻めながら、雅紀の前に手をまわして、ふるふるしているぺニスの根元を握り 「……もっと……狂えよっ雅紀っ……お前、悦ばせられんの、俺だけ……だからっ」 「あ゛っあーーあきらっさんっ……やーっいいっんやっだぁめぇ……っいいっいくっああーん……っだめっあ゛ーーっ」 気持ちよすぎて、どうにかなってしまいそうだった。暁のものをくわえた場所が、熱く蕩けてぐずぐずに溶けてしまいそうだ。瀧田の薬に狂わされての快感なんて、この悦楽の比ではない。 浅いところをぐにぐにしていた熱が、隘路を掻き分け奥にずんっと突き入れられる。蕩けて絡みつく雅紀の肉壁の感触に、暁は荒い呼吸を吐き出しながら、イキそうになるのを堪えて、抜き差しを繰り返す。 ふいに雅紀の中がわなないた。きゅんきゅん締め付けながら痙攣している。雅紀は声にならない声でなき、しなやかに反り返った。 「……イった?雅紀……鏡……見てみろよ……おまえ……めちゃくちゃ綺麗だ…」 壁の曇り止めつきの鏡に、2人の姿が映っている。雅紀は涙に潤んだ目で、震えながら鏡を見つめた。 そこには、大好きな暁とひとつになって、泣きながら微笑む、幸せそうな自分の顔があった。 「な……綺麗だろ……おまえの最高の表情だ。……この顔、さしてやれんの、俺だけ、なんだよ」 暁は雅紀の身体を抱き寄せ、繋がったままで慎重にその場に腰をおろす。暁に抱っこされて、両足を広げているしどけない姿に、雅紀は頬に朱を散らして、恥ずかしそうに鏡から目を逸らした。 暁は満足そうに微笑んで、雅紀の耳朶を唇で優しくはみはみし、ゆっくりと下から腰を突きあげ始めた。雅紀は甘えた仔猫のような声で鳴き、くねくねと身を捩る。 「可愛くて……エロくて……すっげー綺麗……。おまえ、俺の最高の恋人だ……愛してるよ……雅紀」 「あぁん……あっあきら……さんっ好きぃ……愛……してる……っあんっあ…」 「……で?人に食事の用意を要求しておいて、すっかり2人の世界に浸りきっていたわけですか」 瀧田の冷ややかな声に、暁は首をすくめ 「悪いな、瀧田さん。あいつがあんまり可愛いんで、うっかり抱き潰しちまった」 「そのようですね。シャワールームでいちゃつくだけではあき足らず、ベッドでも随分とお楽しみだったようだ」 暁はにっこり微笑むと 「あんた、どうせカメラで見てたんだろ?どうだった?俺の雅紀のエロ天使ぶりは」 瀧田は、ふいっと目を逸らし 「確かに。素晴らしく愛らしかったですよ。出来れば私の目の前で、見せて欲しかったですがね」 暁は首を傾げ 「うーん……それは難しいかな。あいつ、エロいけどシャイだからな。人前じゃ緊張しちまって、あんな可愛らしくは乱れないぜ」 瀧田はふ……っとため息をつき 「それで?先程、君の言った取り引きというのは何です」 「雅紀をこのまま返してもらいたい。薬を使って意識を朦朧とさせ、しかも逃げられないように拘束して、脅迫までして。あんたのやっていることは、立派に犯罪だ。今日の正午までに俺から連絡が入らなければ、俺の関係者が動いてくれることになっている。この屋敷で2人の人間の消息が途絶えたとなれば、下手すると警察も動くぜ」 瀧田はふふんと鼻で笑って、 「さあ。それはどうでしょうか?氏素性も定かでない君と、政界財界に知人も多いこの私と。警察はどちらの言うことを信用しますかね?君が私を脅すとは、身の程知らずも甚だしい」 瀧田は楽しそうに笑いながら、食後の紅茶を飲みほすと 「取り引きなど有り得ませんね。約束は守ってもらいますよ。雅紀の目が覚めたら、私の目の前で抱くのです。君にそれが出来ないというのなら、他にいくらでも彼を抱きたがる人間を集めましょう。あのこはかなりの上玉ですからね。大金を払ってでも抱いてみたいという男は、大勢いるはずですよ。なんだったら客を呼び集めて、オークションでも開催しましょうか?」 暁は表情を険しくして、鋭い眼差しで瀧田を睨み付け 「あんた、雅紀を桐島から預かってるんじゃないのか?いくらお仕置きを任せたといっても、そんなことまであいつが許すとは思えないけどな」 瀧田は梶たちにまわりを固められて傍らに立つ暁を、下からすくいあげるように見上げた。 「確かに。貴弘は怒るでしょうね」

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