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番外編『愛すべき贈り物』204※

「ま、さき……っいい、か?」 「ぁっんぁ……んぅ……ぁぁん」 雅紀の甘えた猫みたいな声に刺激されて、腰の動きが激しさを増す。押し引きを繰り返す度に、中が小刻みに収縮してうねうねと絡みついてくる。 「あっぁっあ、あっあぁっ」 雅紀の声が段々、切羽詰まったせつなさに変わる。きゅっきゅっと絞り取ろうとするような動きも加わって、目の前が白く霞んできた。 雅紀の愛らしい反応に煽られ続けて、もう既に幾度か暴発を堪えてきていたから、そう長くは持ちそうにない。 「……っまさ、きっ……いく、ぞっ」 「んあっ、んあん、あーーっ」 絶え入るような声と共に、雅紀の奥がびくびくっと震える。 その激しい締め付けに誘われるように、高みにのぼりつめた。秋音はぐっと突き入れた状態で動きを止めた。 熱の放出は断続的に長く続いた。溜め込んだエネルギーが一気に解放されていく。 硬直していた身体が、不意に弛緩してくたっとシーツに沈みこむ。その細い身体に折り重なるようにして秋音も倒れ込んだ。押し潰してしまわないようにしながら、愛おしい身体を抱き締める。 雅紀が先に弾け、つられるように達していた。イった後の甘怠い痺れが全身を満たしていく。 「雅紀……大丈夫、か? 重たく、ないか?」 自分の下でまだぴくぴくと震えている雅紀に問いかける。 「……ぁきと、さん……‍?」 「ん……‍?」 雅紀は気怠そうにこちらに目を向け、うっとりと微笑んだ。 「きもち……いぃ……」 官能を滲ませたとろんとした囁きに、思わず頬がゆるむ。 「そうか……俺も……すごく、よかったよ」 その言葉に、雅紀はすごく幸せそうに目を細めた。 「お。すげえな」 部屋に入って来るなり目を丸くした暁に、祥悟はふふんっと鼻で笑ってみせる。 「まあ、最後の晴れ舞台だからね~。念には念を入れてみたけど?」 暁は苦笑しながら歩み寄り、祥悟の全身をしげしげと見つめた。 「撮影は順調みたいだな」 「うん。里沙、綺麗だったろ? あんないい女、そうそうはいないからね 」 「はっ。相変わらずのシスコンかよ。まあ、でもそうだよな。まだまだ現役でいけるんじゃねーの‍? あいつ。このまんま引退するのは惜しいよなぁ」 祥悟は意味ありげににやりとして 「逃した魚は大きいかもよ? 今からでも遅くないんだけど 」 暁は首を竦めて 「ばーか。俺には目に入れても痛くねえ、可愛い仔猫がいるんだよ」 そう言ってデレデレと頬をゆるめる暁に、祥悟は嫌そうに顔を歪め 「はいはい、お惚気はもうたくさんだし。さて……と。じゃあ、そろそろ行きますか」 「だな。見守っててやるぜ」 祥悟は不敵な笑みを浮かべて、姿見の中の自分をもう1度見てから、ドアに向かった。

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