655 / 665
番外編『愛すべき贈り物』204※
「ま、さき……っいい、か?」
「ぁっんぁ……んぅ……ぁぁん」
雅紀の甘えた猫みたいな声に刺激されて、腰の動きが激しさを増す。押し引きを繰り返す度に、中が小刻みに収縮してうねうねと絡みついてくる。
「あっぁっあ、あっあぁっ」
雅紀の声が段々、切羽詰まったせつなさに変わる。きゅっきゅっと絞り取ろうとするような動きも加わって、目の前が白く霞んできた。
雅紀の愛らしい反応に煽られ続けて、もう既に幾度か暴発を堪えてきていたから、そう長くは持ちそうにない。
「……っまさ、きっ……いく、ぞっ」
「んあっ、んあん、あーーっ」
絶え入るような声と共に、雅紀の奥がびくびくっと震える。
その激しい締め付けに誘われるように、高みにのぼりつめた。秋音はぐっと突き入れた状態で動きを止めた。
熱の放出は断続的に長く続いた。溜め込んだエネルギーが一気に解放されていく。
硬直していた身体が、不意に弛緩してくたっとシーツに沈みこむ。その細い身体に折り重なるようにして秋音も倒れ込んだ。押し潰してしまわないようにしながら、愛おしい身体を抱き締める。
雅紀が先に弾け、つられるように達していた。イった後の甘怠い痺れが全身を満たしていく。
「雅紀……大丈夫、か? 重たく、ないか?」
自分の下でまだぴくぴくと震えている雅紀に問いかける。
「……ぁきと、さん……?」
「ん……?」
雅紀は気怠そうにこちらに目を向け、うっとりと微笑んだ。
「きもち……いぃ……」
官能を滲ませたとろんとした囁きに、思わず頬がゆるむ。
「そうか……俺も……すごく、よかったよ」
その言葉に、雅紀はすごく幸せそうに目を細めた。
「お。すげえな」
部屋に入って来るなり目を丸くした暁に、祥悟はふふんっと鼻で笑ってみせる。
「まあ、最後の晴れ舞台だからね~。念には念を入れてみたけど?」
暁は苦笑しながら歩み寄り、祥悟の全身をしげしげと見つめた。
「撮影は順調みたいだな」
「うん。里沙、綺麗だったろ? あんないい女、そうそうはいないからね 」
「はっ。相変わらずのシスコンかよ。まあ、でもそうだよな。まだまだ現役でいけるんじゃねーの? あいつ。このまんま引退するのは惜しいよなぁ」
祥悟は意味ありげににやりとして
「逃した魚は大きいかもよ? 今からでも遅くないんだけど 」
暁は首を竦めて
「ばーか。俺には目に入れても痛くねえ、可愛い仔猫がいるんだよ」
そう言ってデレデレと頬をゆるめる暁に、祥悟は嫌そうに顔を歪め
「はいはい、お惚気はもうたくさんだし。さて……と。じゃあ、そろそろ行きますか」
「だな。見守っててやるぜ」
祥悟は不敵な笑みを浮かべて、姿見の中の自分をもう1度見てから、ドアに向かった。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!




