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番外編『愛すべき贈り物』213※
「おいっ智也、おまえ、このドレス幾らすると思って……んっぁ」
「余計なこと考えなくていいから。君は黙って感じてて」
祥悟の抗議を無視して、智也は前に回した手で、既に勃ちあがりかけた祥悟のペニスを、ゆるゆると扱きあげた。
タキシードとドレスのまま、智也に連れて行かれて車に乗り込んだ。智也が真っ直ぐに向かったのは、自分のマンションだった。借り物のドレス、どうすんだよ?と、祥悟が呆れて文句を言っても、黙って笑うだけで答えない。どうやらいつもの智也の変なこだわりスイッチが入ってしまったようで、祥悟は内心ため息をついて、したいようにさせていた。……のだが。
マンションの部屋に着くなり、智也は祥悟の腕を掴んだまま無言で寝室に向かった。唖然としている祥悟を、ベッド脇の姿見の前で後ろから抱き締めて
「祥……綺麗だ。君はなんて美しいんだろう。愛してる。俺はもう、君なしじゃ息も出来ないくらいだ」
「は? おまえ、何言って……あ、ばか、変なとこ触ん……っぁ」
「抱いていい? 君を。我慢、出来ないんだ」
強い力で抱き締めて、うなじに顔を埋めてくる智也の声が、熱っぽくて欲情に掠れている。
……や。おまえ、どこでそんな激しいスイッチ入ったんだよ?っつーか、ドレス着たまんまかよっ
「ば……っか。汚しちまうって、言ってんだろ」
「その時は買い取るよ。これは俺からの君への贈り物にする」
……はぁ? 贈り物なら、余計に汚すなってーのっ
ドレスに合わせて身につけていた、純白レースの下着をずり降ろされて、智也の手が直にペニスを扱いてくる。手が蠢いているのは、幾重にも重なった布の下で、それは鏡には映らない。
「ん……っんぁ……っ」
興奮しきって荒い息を吐きながら、首筋に寄せてくる智也の顔を、祥悟は姿見でちらっと見て
……ヤバい。すっげーケダモノの顔してんじゃん。
……可愛いけど。
君が欲しいと全身から妖しいフェロモンを放つ智也の熱が、伝染してきて、祥悟は込み上げてくる声を噛み殺した。
「祥……祥……祥……」
智也が熱に魘されたように、自分の名を呼ぶ度に、祥悟も昂っていく。
タキシードとドレスをきっちり着込んだまま……というこの状況も、女にしか見えない清楚なドレス姿の下に、男の欲望を隠し持っているという倒錯的な状態も、どうやら異常に興奮を煽っているらしい。
……智也のフェチ……なんか……ちょっとわかった気がする……。
そんなことを思う時点で、もうかなり毒されているような気がしないでもない。けれど、愛する男の色に染まっていくのも、悪くない……気がする。
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