665 / 665
番外編『愛すべき贈り物』214※
……ああ。もう、こいつ、可愛いっ。
智也の息が耳元にかかる。切なげに自分の名を呼びながら、くちゅくちゅと手を動かす。自分の先っぽから、とろとろと先走りが溢れ出ているのが分かる。次々と背中を走り抜ける、ぞくっとするような甘い痺れ。
急激に膨張していく悦びに、もう声を抑えられそうにない。
「ぁあっ……っんんぅっんぁあっ」
「祥。気持ち、いい?いい?」
「あっんーーーっだめ、だっ、もぅっィくっ……」
「……っいいよ、イって?……っ俺の、手にぶちまけてっ」
ああっ汚しちまうっ。
そう思った一瞬後に、目の前が白く弾けた。弓なりに仰け反って、智也の逞しい身体に全身を預けたまま、一気に高みへとのぼりつめる。
「ぁ……ぁ……ぁぁ……っ」
断続的に続く熱の放出を、智也の大きな手が受け止める。
「祥……綺麗だ……君のその顔……堪らない」
うっとりと呟く掠れたその声にすら、官能を揺さぶられ、気が遠くなりそうだ。
……ああ……すごい……気持ち……いい……。
「暁さん……今日は、ここに、泊まるの?」
暁に抱っこされたまま、駐車場まで連れて行かれた。誰かに見られないかと恥ずかしくて、慌てて車に乗り込むと、暁が向かった先はマンションではなくて……。
「そ。たまにはいいだろ? こういう洒落たホテルもさ」
10分もかからずに着いた先は、撮影で使った式場の系列ホテルだった。式を終えた新郎新婦が、ハネムーンに出掛ける前に泊まることもあるらしい。
タキシードとドレス姿の2人に、流石にちょっと驚いた顔をしたフロントスタッフも、暁が何やら事情を説明すると、心得た様子でルームキーを渡してくれた。その間、雅紀はいたたまれない気分で、フロントから離れた場所から様子を伺っていたのだが。
ちょっとドヤ顔の暁に、雅紀は眉を顰めて
「むー……。贅沢です」
「は? なんでだよ~。普段は慎ましく暮らしてんじゃん。こんな時ぐらいちょっとは贅沢に……」
「だって……車であと30分もすればマンションなのに……」
暁はぷーっと頬を膨らませて
「ちぇ~。せっかくいいムードなんだぜ。こういうとこで過ごすのもさ、なんかロマンティックでいいだろ~?」
雅紀は部屋の中を見回して、何故かじわじわと赤くなり
「だって……ここ、いかにも新婚さんって感じで……恥ずかしいし……」
……たしかに。
式場から直行のホテルの、しかもスペシャルスイートだから、ふわふわふりふりした内装に、白やピンクの調度品が、これでもかって感じでラブラブムード全開だ。
暁はふふんっと笑って
「その、いかにもって感じがさ、雰囲気盛り上げていいんだよ。ほら、んなとこいないでさ、こっち、来いって」
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!




