157 / 377
優しい月灯りの夜だから3※
気を取り直してもう一度、暁がペニスに唇を寄せると、雅紀は緊張して顔をこわばらせた。
今度はびっくりさせないように、そっと先端に優しくくちづけてから、舌でぺろぺろ舐めて、ゆっくりゆっくりと先っぽを咥えた。
熱い粘膜に覆われた瞬間、雅紀のものがぴくんっと震えた。歯をたてないように慎重に咥えこんでいくと、少し萎えていたものがみるみる硬くなる。
暁のものに比べると少し小ぶりだが、雅紀のものも決して小さいわけじゃない。細身だが結構長さがある。
暁は危うくえづきそうになり、少し浅く咥えなおした。
雅紀の中に入ることに躊躇いがなかった時点で分かってはいたが、男のこれを口に咥えることも、雅紀のものなら抵抗はない。気持ちよくしてやりたい。その思いの方が強い。
……俺って結構、順応性あるのな……。ってか、どんだけこいつのこと好きだよ。
びっくりして泣いてしまった雅紀の気持ちが、今頃になって少し分かってきた。
……そりゃそうか。女にされることはあっても、男のものをしてやるってのは、そういや俺、初体験だ。でもさ、今更だよなぁ……。嫌じゃねえもん。もちろん雅紀限定だけどさ。
亀頭部分をすっぽり咥えて舌を動かしながら、目だけで雅紀の様子を窺うと、雅紀は感じているんだろう。顔のこわばりも消え、目元を染め唇をうっすら開いて、熱い吐息を漏らしている。
その顔は暁を受け入れている時とは違う、間違いなく欲情した雄の表情で、どきりとするような男っぽい色気があった。
感じてる時の男の顔なんて、自分のはもちろんエロビデオでも、そうじっくりと見ることはない。しかもこのアングルからそれを見るというのは、かなり新鮮で、暁はちょっとドキドキしながら、雅紀のペニスの根元に指を絡め、同時に扱き始めた。
「……あっ……はぅっ…ぅん……ぁ…は……っぁ」
指と唇のそれぞれの動きに、雅紀の内腿がぴくぴく震えた。せつなげに喘ぎ、シーツを掴みしめて腰をくねらせる。
自分の口淫で雅紀の雄に快感を与えるというのは、いつもと違う興奮がある。暁は根元を掴んだまま、頭を動かして、唇で雅紀のものをゆっくりと扱いた。喉ぎりぎりまで咥え、擦りあげながら括れまで戻るとまたそれを繰り返す。
雅紀の熱い息遣いを聞きながら、何度かそれを繰り返して、ふと顔をあげると、自分を見下ろしている雅紀と目が合った。欲情に濡れて揺らめく瞳に、目だけで笑いかけると、雅紀はせつなげに眉を寄せ、感じ入った顔になり
「も……ぁっ…ぁは……なし……て…っ……いちゃ…ぅ…から……っ」
暁は目を細め小さく頷くと、扱く動きを指の方に変え、口は放さず括れ部分の敏感な場所を唇と舌で責め始める。雅紀の内腿がびくびく痙攣した。
「あっ……だめっ、いっちゃ……っう…はな……しっ」
焦ったように声をあげ、暁の髪を掴んで引き剥がそうとする雅紀に、目でいいよと合図して、更に激しく追い上げた。
「あっあ……いく…っや……ぁ…あっっあーーーー」
咥えた部分がぶあっと膨らみ、一気にはじけた。びゅくっと熱いものが口の中に吐き出される。
「ぁ……ぁ……あ…」
雅紀はびくんびくんと痙攣しながら、堪えきれずに何回かに分けて精を放出した。
全て出しきるとくったりして、何故か泣きべそのような顔になり
「ごめ……っなさ…あきらさん、口…中……出して」
じたばたと手を伸ばして、暁の口元を触ろうとしている。暁はその手をぎゅっと握り、雅紀のものをそっと口から放すと、吐き出されたものをごくんと飲み下した。雅紀は息を飲み、がばっと身を起こし
「……っ…!のんじゃった……の?!」
完全に泣く寸前の顔をしている雅紀に、暁はにかっと笑って
「なんで泣きそうだよ?おまえ」
「だって……あきらさん……のんだ…」
「うん。飲んじまった。はは。やっぱ……あんま美味くはねえな」
雅紀は顔を歪め、暁の頬を手で撫でて
「ばかぁ……暁さん、なんで……のむのぉっ……出してよぉ…」
またぽろぽろと涙を零し始める。暁は眉をへの字にして、雅紀の髪を撫でながら
「泣くなってー。おまえほんっと泣き虫。いいんだよ。俺がそうしたかったんだからさ。気にすんな」
胸に顔をうずめて、ぐすぐす鼻をすすっている雅紀をぎゅうっと抱き締めた。宥めるように背中を優しくさすり
「それよりさ、気持ちよかったか?俺のフェラ。慣れてねえからさ、あんま上手くなかったろ」
雅紀は首をぶんぶん横に振って
「そんなことないっ。気持ち……よかった……すごく……俺…嬉し……俺…」
「そっか。おまえがよかったんならさ、俺も嬉しいんだよ。そのうちテク磨いてさ、もっともっと気持ちよくしてやるからな」
「ぅう……っもう…ばかぁ…」
暁は雅紀の顔をあげさせて
「おまえの感じてる顔、すげえいいな。なんか、グッとくる。ぞくっとするような色気あってさ、俺、ドキドキしちまった。……な、おまえん中、入りたい。……いいか?」
目を潤ませて頷く雅紀に、甘いキスを落とす。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!