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優しい月灯りの夜だから4※
ローションとジェルで、焦れったいほど時間をかけて丁寧に解されて、とろとろになった雅紀の中に、暁がゆっくりと挿いっていく。
雅紀は両足を自分で抱えて大きく広げた体勢で、暁の愛情の印を飲みこんでいった。
「つらく、ないか……?」
男らしくきゅっと眉を寄せたずねてくる暁の声が、欲情に掠れている。雅紀はコクコク頷いて、もっと来て……というように腰をくねらせた。
狭くて柔らかい肉壁にねっとりと包まれ、いざなうようにきゅうきゅうされて、暁は息を詰めて一旦動きを止める。
「ばっか……。んなこと、したら、すぐ、いっちまうだろ…っ」
「んっく……んぁ…あ……きら…さぁ……もっとぉ……きてぇ…」
「……おまえ、ん中……っよすぎ、だっ……。くらくら……する、っつの…っ」
荒い息を吐き出しながら、暁は再び侵入を開始した。頼りなげに宙で揺れる雅紀の両足をすくいあげ、腰をぐっと引き寄せる。
「ああっん…っ」
ぐりゅんっと中を擦りあげながら、暁の亀頭がすっぽりと入り込んだ。一番えらの張った部分が通り過ぎ、目一杯拡がっていた入口がきゅっとすぼまって、暁の雄のくびれを締め付ける。
「ぁあ……すっげ、いい……。おまえん中…」
低く呻くような暁の言葉に、雅紀の心は歓喜に震えた。この身体を悦いと言ってくれる、暁が愛おしい。
セックスが身体の快感だけでなく、心の快感でもあるのだと、自分に教えてくれたのは暁だ。
こんなにも幸福に満たされる交歓があるのだと、暁は抱き合う度に、自分に伝えてくれる。
あの日。あの夜。あのコンビニの前で。もし出逢うことなくすれ違っていたら。
この蕩けるような至福を。俺は知らずに生きていくことになったんだろうか。
「な。動くぞ?……いいか?」
雅紀は、蕾が綻ぶ瞬間の花のような笑顔を浮かべ、潤んだ瞳でまっすぐに暁を見つめて頷いた。
月灯りが柔らかく照らす静かな室内に、2人の熱い息遣いだけが満ちていく。
座る暁の上に対面で跨り、身体をぴったりと密着させる。雅紀は息を弾ませながら、下からの突き上げに合わせて腰をくねらせた。
「……雅紀、これ……気持ち、いい?」
「んっぁ……は…っん…っんく………ぃい……きもちい…っんあ……っあう……きもちいぃ…っ」
「おれ、も、いい、ぜ……すっげ、いい…っ」
暁は両手で雅紀の細腰を掴み少し浮かすと、ぐっぐっと下から突き上げた。しがみつく雅紀の指に力がこもる。爪が暁の肩に食い込んだ。
暁の昂りがちょうどいい角度で前立腺に当たっている。暁が動くたびに、痺れるような快感が沸き起こり、じっとしていられない。
「ああっあっあんっ……そこっ……やぁっ…やっ……ああん…だぁめっぇ」
雅紀の声に艶が増す。声だけじゃない。うっとりと見開いた瞳にも、紅潮した頬にも、開きっぱなしの唇にも、そしてせつなげにくねらす腰にも、全身から、匂いたつような妖しい艶やかさが増していく。怖いくらい綺麗で、淫らな生き物になっていく。
雅紀の変化に誘われるように、下腹にどんどん熱が集まって、暁のペニスは痛いくらい張りつめていた。頭が沸騰しそうだ。暁は息を荒げ、ラストスパートをかけた。
2人で一緒に高みを目指す。
「雅紀…っ……いくぞ……一緒、に…っ」
「きてぇ…っぁ、きら……っさぁ……あっあっ…あーー…」
絶え入るような声と共に、中がびくびく収縮する。雅紀は弓なりに反り返り、声にならない声をあげ、2人の腹の間に白濁を吐き出した。暁も一瞬遅れて低く呻きながら絶頂に達し、蕩けるような悦びの熱を雅紀の奥に解き放った。
シーツに沈みこんだ雅紀の上に、暁も息を弾ませながら覆い被さる。
重なる鼓動の早さが、互いの悦びの強さを相手に伝えている。
絶頂の余韻にびくびくしながら、雅紀はうっとりと涙を流していた。暁は込み上げる至福を噛み締めて、想いの丈を込めた熱い口づけを雅紀に贈った。
唇に触れる柔らかな感触に、暁が目を開ける。
目の前にはちょっと腫れぼったい目をして、のぞきこんでくる愛しい天使の顔。
暁はふ…っと笑って、手を伸ばすと、雅紀の小さな顔を両手で包み込んだ。雅紀はくすぐったそうに、きゅっと目を細め
「おはようのキス」
そう言って恥ずかしそうに微笑んだ。
……くぅ~っ。なんなの、何その恥じらいっ。夕べはあんなにエロエロだったくせしてっ。
「おはよ、雅紀。どした?早起きじゃん」
もっとキスしたくて、両手を伸ばし指をくいくいして、唇をにゅうっと突き出す。
雅紀は何故か急に眉尻を下げ
「早起き……じゃ、ないし」
「……ん?」
「暁さんが悪い。俺、夕べ、ダメって言ったから…」
雅紀の情けない表情に、暁は怪訝な顔になり、やがてはっとして飛び起きた。
「ちょっと待て。今、何時!?」
雅紀は枕元のスマホを、暁の目の前に差し出した。
……11:22。
「……はあ!?11時!?何でだ?俺、目覚ましセットしたよな?」
「気づかなかったみたい……です」
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