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特別番外編『にゃんにゃんにゃんの日』14

「うそ……あの、チョコレート‍?」 雅紀は呆然と呟いて、秋音の腕をぎゅっと握り締めた。 「ああ。祥悟くん、妙な効能や食べ方まで言ってたんだろう? おまえから聞いてすぐ、気づくべきだったな」 雅紀の眉がみるみるへの字になっていく。秋音は雅紀の乱れてしまった髪を優しく撫でつけて 「そんなしょげた顔をするな。後で祥悟くんには、俺からキツく言ってやるからな。まあ、祥悟くんのことだから、ちょっとした悪戯のつもりだったんだろうが、一服盛るってのはタチが悪過ぎる」 雅紀はしおしおと項垂れて 「そう……なんだ……。そっか……。祥悟さん、やっぱり俺のこと嫌いなのかな……」 秋音は膝の上の雅紀をあやす様に揺らして 「そんなことはないさ。本気でおまえを嫌ってるなら、わざわざ店までやってきて、こんな手の込んだ事はしないだろう。これは、どちらかと言うと、大きなお世話ってやつだな」 バレンタインに雅紀の誕生日。祥悟特有の少しひねくれたサプライズプレゼントのつもりなのだろう。まあ、俺の可愛い雅紀に、こんなにしょげた顔をさせたお返しは、たっぷりしてやるけどな。 「大きな……お世話‍?」 「そうだ。おかげで俺は、おまえが乱れて自分からおねだりしてくれる、可愛い姿をたっぷり見れたしな」 秋音の言葉に、雅紀の頬がじわじわと赤くなっていった。今さらながら、自分のやってしまったことを思い出しているんだろう。 雅紀の普段とは違う乱れっぷりは、本当に可愛かった。興奮し過ぎて、思わず我を忘れたくらいだ。ただ、寸止めされたり放置されたりと、だいぶ振り回されてしまった気もするが……。 「うわ。……俺……すごいこと、言っちゃいました……よね?」 「ん‍? そうだな。すごくエロくて可愛かったな。俺はずーっと心臓がドキドキしっぱなしだった」 耳まで真っ赤になって、腕から逃れようともがき始めた雅紀を、秋音はしっかりと抱き締め直して 「なあ、雅紀。もう1回……するか?」 「え……」 「今度はちゃんと、おまえの顔見て……したいな」 雅紀は大きな目をぱちぱちさせて、男の色気を滲ませた秋音の切れ長の目を見つめた。 「もっともっとおまえを愛してやりたい。……ダメか?」 囁く声にも、情欲が滲んでいる。雅紀はぽーっと秋音に見とれながら 「ぅん……もっと……したい……」 秋音はふふっと笑って頷くと、雅紀の肩を両手で掴み、そっと唇に口づけた。 正気に戻った雅紀を、秋音は丹念に愛撫してから再び抱いた。すっかり薬が抜けた雅紀は、自分の乱れっぷりを思い出してしまったせいか、いつも以上の可愛い恥じらいを見せてくれた。 祥悟の悪戯は、本当に余計なお世話だったが、自分がこの天使にどれだけ惚れているのか、どれほど可愛くて愛おしいと思っているのか、改めて思い知らされた気がした。 こうして、俺たちの愛しい天使の誕生日は、甘い甘い幸せに包まれて過ぎていった。

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