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特別番外編『にゃんにゃんにゃんの日』後日談3
……は?何言ってんの?こいつ
秋音の反応があまりにも予想外過ぎた。
祥悟は二の句が告げず、唖然としてしばらく秋音を見つめていた。やがて、祥悟は夢から覚めたように、隣の雅紀の様子をうかがう。
さっきまでおろおろしていた雅紀は、ぽーっと頬を染めて、傍らの恋人に見惚れている。秋音も満足そうに雅紀に微笑みかけ、髪を優しく撫でてやっている。
……は?……なにこれ。こいつ堂々と何言っちゃってんの?
っていうか、2人揃って超天然かっつーの。
祥悟としては、暁の弱点でもある雅紀をネタに、さんざん揶揄ってやるつもりだった。ムキになって食ってかかってくる暁で遊んで、鬱憤晴らしをしてやろうと目論んでいたのだ。
こんなに素朴にストレートに、2人のラブラブっぷりをお披露目されても、面白くもなんともない。
……っていうか、俺、なんでこんなとこに来ちゃってるわけ?
「はっ。アホらし」
すっかり毒気を抜かれてしまった祥悟は、ため息混じりに呟くと、すくっと立ち上がった。
「要するにさ、自分たちはラブラブだぜーっての見せつける為に、忙しい俺をわざわざここに呼び出したんだ?」
氷のように冷ややかな祥悟の声音に、雅紀はびくっとして、
「ちっ違うしっ」
「いや。そういうつもりはなかったんだが……。まあ、結果的にはそうなるのかな」
真っ赤になって焦る雅紀とは反対に、しれーっとした秋音の態度に、祥悟はますます眦を吊り上げた。つかつかつかっと秋音に歩み寄り、下からすくい上げるように睨めつけて
「あのさ。君、本当に暁くん?なーんか前と雰囲気違いすぎてさ、俺、かなりドン引きなんだけど?」
息がかかるくらい秋音に顔を近づけ、横にいる雅紀を、指先でしっしっと追い払う。怯んで思わず後ずさる雅紀の手を、秋音はぎゅっと握って引き寄せ
「そうか。ドン引きしてくれて良かったよ。俺の心も身体も全て、愛する雅紀のものだ。暁を気に入ってくれているのは光栄だが、君の気持ちに応えることは出来ないからな」
そう言って済まなそうに微笑む秋音に、冗談を言っているような気配はない。
……うわ。マジでドン引き。こいつ……本物のあほだろ。
祥悟はちらっと雅紀を見た。雅紀は若干顔を引き攣らせ、祥悟と目が合うとぎこちなく微笑んだ。秋音の言葉にドン引きしているのは、どうやら自分だけではないらしい。
……付き合ってらんねーし。
祥悟は1歩下がると、そのままくるっと2人に背を向けた。
「あっそ。んじゃあ俺、お邪魔みたいだから帰るわ。末永くお幸せに~」
ひらひらと手を振って、祥悟はリビングを出た。後ろで雅紀が何か言っているような気がしたが、無視してそのままマンションを後にする。
駅に向かう途中で、スマホを取り出し電話をかけた。
コール3回で相手が出る。
『もしもし?祥。今どこだい?』
「もうすぐ○○駅。電車でそっち向かうからさ。駅まで来てくんねぇ?」
電話の相手はくすっと笑うと
『珍しいね、来る前に連絡くれるなんて。いいよ。迎えに行くからロータリーにいて』
祥悟は電話を切ると、妙に脱力した気分で、はぁっとため息をついた。
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