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つきがみていた3※
「ちょっと待ってろ。俺、シャワー浴びてくっから」
暁は上ずった声でそう言うと、雅紀の身体を放してベッドからおりた。洗面室で服を脱ぎ捨て、シャワールームでお湯を調整する。
シャワーを浴び、ボディソープのボトルに手を伸ばすと、ドアが開いて雅紀が入ってきた。
「ん?どうした?」
暁が怪訝な顔で振り返ると、雅紀ははにかんで腰のタオルを外し、暁に歩み寄り
「俺が、洗ってあげる」
「え……」
戸惑う暁からボトルを取り上げ、ソープをスポンジに出すと、暁の身体をごしごしと洗い始めた。
……うわぁ…まじか。ど、どーした?雅紀くん。めっちゃサービスいいんですけど。え?デレてんのか?デレスイッチ……いつ入った?
暁はちょっとどぎまぎしながら、目を伏せている雅紀の顔をそっとうかがう。長い睫毛の目元がうっすら染まっていた。
ふいに顔をあげた雅紀と目が合って、暁はどきっとした。綺麗な顔立ちなのは知っていたはずなのに、なんだか表情が本当に柔らかくなって、以前よりもっと綺麗になった気がする。
「暁さん、首、んーーってして」
「あ。ああ…」
促されて首をあげると、スポンジでその辺りをごしごしされた。細くても男の力だ。くすぐったくはなくて、ちょうどいい力加減が気持ちいい。
首から胸、脇、腕、腹のまわりと、丁寧にスポンジで磨かれていく。腹の下辺りで雅紀の手が急に止まった。
「暁さん…」
「う?なに」
「エッチなこと、考えてたでしょ」
雅紀の視線を辿ると、愚息が中途半端に鎌首をもたげていた。暁は妙に恥ずかしくなって
「な。なんだよー。いいだろ。好きな人と裸で風呂場にいんだぜ。勃っちまっても別におかしくないじゃん」
実は、この綺麗な顔が小さな口で、自分のものをぱくっとしているところを想像していた…とは言えない。
雅紀はくすっと笑うと、スポンジを床に置いて、手で直接泡を塗り広げながら、暁のペニスをそっと握った。不意をつかれて暁の身体がびくっとなる。愚息ももちろん嬉しそうに反応した。
「すごい……一気に勃った…」
雅紀は呟くと、暁の前にひざまずき、じっと見つめながら手を動かす。
……っちょっなに、このシチュエーションっっ。やっべーって。刺激強すぎだろっ
ずくんと一気に熱が集まり、暁は呻きそうになるのを必死でこらえた。雅紀が顔をあげ首をちょっと傾けて
「もう、舐めていい?」
……うっわ。その顔でそのセリフはなしだろっ。おいこら、何の拷問だよっ。イッちまうって!
「ああ、いいぜ」
暁は掠れた声で精一杯冷静なふりで答えると、シャワーを雅紀に差し出した。雅紀はいったん立ち上がって暁の身体中の泡を流すと、シャワーを暁に返し、再びひざまずく。
既に天を向いている暁のものを、両手で優しく包むと、口を精一杯開けて、先っぽをぱくっと咥えた。
「っく…っ」
熱い粘膜に自分のものが包まれる。ゾクッとするような快感に腰が震えた。雅紀が舌でぺろぺろと舐めながら、ずるずる咥えこんでいく。暁は思わず雅紀の肩をぎゅっと掴んだ。
括れのところまでくると、雅紀は咥えたまま上目遣いに暁を見上げる。雅紀の口元を見つめていた暁は、雅紀と目が合ってどきっと心臓が跳ねた。
妄想より数倍エロい光景が目の前にある。
上目遣いの雅紀の目は潤んでいて、確かな欲情の色をたたえている。
気持ちいい?とでも言うように、雅紀がちょっと首を傾げた。その仕草も超絶エロ可愛い。
暁は込み上げる快感に、内股が痙攣しそうになるのをぐっと堪えて、雅紀の濡れた髪を優しく撫でた。
「ああ……すっげーいいぜ…」
掠れきった声でそう言うと、雅紀は嬉しそうな顔をして、目を伏せて頭を上下に動かし始めた。ちろちろと蠢く舌と唇が、暁のものを翻弄する。
どう頑張っても、雅紀の小さな口では暁のペニスを根元まで咥えるのは難しい。雅紀はふ…う…と鼻から声をもらしながら、喉を開いて精一杯ぎりぎりまで咥えこみ、暁のものを愛撫してくれていた。時折、苦しそうな顔になり目に涙を滲ませる。
暁は雅紀の顔を手で包んで
「無理して、奥まで、咥えんな。先っぽだけで、充分、気持ちいいぜ」
雅紀は目を潤ませながら微笑んで、いったん口から暁のものを出すと、両手で竿を包み込むように握って、カリの部分に愛おしそうにキスをした。
男の性器ははっきり言ってグロテスクで滑稽な形だと、暁は思っている。でも、目の前で自分のそれを、幸せそうに慈しんでくれる雅紀を見ていると、なんだかとても神聖で美しい光景に見えてくる。暁はじわじわとした快感とは別の、感動とも呼べる気持ちが込み上げてきて、なんだか泣きたくなって、雅紀の髪をくしゃくしゃっと撫でた。
括れのところを雅紀の舌がちろちろ舐める。ちゅっちゅっと口づけながら、竿の方までいくと、舌を差し出しペロペロし始める。
再び先っぽに戻って、口を開いてぱくっとしようとした雅紀を制して、腕を掴んで立ち上がらせる。
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