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ひそやかな足音7※

そっと下に手を伸ばしてみると、雅紀のものは既に反応して、トランクスの前を押し上げていた。 薄い布地の上から熱い昂りに触れると、雅紀はひゅっと息を飲み、掠れた声をあげた。 「すごいな。もうこんなだ」 手で包み込むようにして、ゆるゆると刺激すると、雅紀は身をくねらせた。 「……っん……ぁっだ……め…っいっちゃ……ぅから…」 「まだだ。まだイくなよ」 秋音はそっとトランクスをおろすと、ローションを手にたっぷり出して、雅紀の尻を探った。膝立ちの両脚を開かせて、後ろの窄まりに指を伸ばす。 雅紀は片手で秋音に縋り付き、もう一方の手で自分の昂りをぎゅっと握った。 秋音の大きな指が蕾の周辺を揉み込みながら、小さな入口に触れる。 「んっく……んぅ」 雅紀は秋音のシャツに顔を押し付けながら、出来る限り身体の力を抜いた。ローションの助けを借りて、秋音の指がつぷっと中に侵入していく。 「ぁ……っぅん……ふぅっ…く…」 傷を付けないように慎重に、周りをほぐしながら突き入れて、ローションを足した。雅紀浅い息を繰り返し、秋音の指を上手に受け入れていく。 「辛いか?」 気遣う秋音の言葉に首をふるふるして 「だ……ぃじょ……ぶ……もっと奥……きて」 そう言って顔を上げ、健気に微笑む雅紀の頭を優しく撫でて、隘路を少しずつほぐしていった。 指2本で押し広げながら、浅い場所のしこりを探り出し、ゆるゆると刺激すると、雅紀はもどかしげに腰をくねらせた。漏れ出る声に艶が乗る。 「いいか?ここは」 「……っんっう……っん……んぁ…っぃい…っ」 こくこく頷く雅紀の表情を確かめつつ、更に指を増やしてしこりを強めに擦る。 「んあっっ……ぁっは……んぅっ」 雅紀の身体がぴくぴく震えた。生理的な涙を滲ませ、いくまいとして必死に自分のものの根元を握り締めている。 「前より敏感になってるな、おまえ。辛いなら、1度いっとくか?」 雅紀は潤みきった目で、切なげに秋音を見て首を横にふり 「……ね……もぅ……きてぇ……ぁきとさ……の…っいれて…っ」 「わかった」 秋音は一旦指を引き抜くと、シーツに手をつかせ、下着を脱ぎ捨てた。可愛くて淫らな雅紀の反応に煽られて、秋音のものも充分に猛っている。ローションと一緒に持ってきたゴムを素早く装着すると、上からたっぷりローションをまとわせる。 雅紀は両手をシーツについて、猫の伸びポーズになっている。小さな尻を突き出して恥じらいながら誘うその姿は、凶悪的に色っぽくて綺麗だ。 秋音はごくりと唾を飲み込むと、逸る気持ちを落ち着けるように、深く息を吐き出してから、細腰を手で掴んで、小さな窄まりに自分の先端をぐっと押し当てた。 くちゅ…っとローションの水音がして、収縮するそこに自分のものが突き刺さる。慣らしながらゆっくりと突きいれていった。 「んっく……っん……んあ…っ」 雅紀はシーツに顔を埋め、精一杯脚を開きお尻を突き出した。何度受け入れても秋音のものはカリが大きくて、この瞬間は快感よりも苦痛が勝る。小刻みに揺れながら分け入ってくる灼熱の塊を、力を抜いて飲み込んでいった。 狭い部分をカリが完全に通り抜けた。 雅紀はほうっと息を吐き出し、緊張に強ばっていた身体を弛緩させる。 難関を突破した後の、この満たされた感覚が好きだ。自分の中に秋音がいっぱいになる。大好きな人とひとつに溶け合う。幸せ過ぎて泣きたくなる。 「大丈夫、か……?」 秋音も緊張をゆるめて動きを止め、俯く雅紀の顔をのぞきこんだ。雅紀は顔をあげ、振り返って秋音を見上げる。 「……ぅん。だいじょぶ……。俺の、中……あきとさんで、いっぱい…」 「……ああ…。ひとつに、なったな」 目に涙を浮かべながら、うっとりと微笑む雅紀が愛おしい。苦しさからか、少し萎えてしまった雅紀のものを優しく握り込むと、雅紀はぴくんっと震えて可愛く鳴いた。 「ゆっくり……動くぞ…」 こくこく頷く雅紀の奥に、じわじわと進んでいく。熱く絡みつく肉壁の感触が気持ちいい。 「んんぅ……ぁっ…あぁん」 雅紀は再びシーツに顔を埋めた。一番感じるしこりのところを、秋音の硬いものが擦りあげていく。秋音の手の中で雅紀のものはまた大きさを増し、鈴口からとろりと涙を零した。 「気持ち、いいか?これは」 反応を窺いながら、感じる部分を繰り返し刺激する。雅紀は気持ち良さげに喘ぎながら、シーツをぎゅっと掴みしめた。 「……んあぁ…っ。やぁ……もっと……ぉくぅ…っきて…っ」 気持ちよすぎて辛いのだろう。いやいやしながら切羽詰った声をあげる雅紀に、秋音は動くのを止めて 「雅紀、いったん、抜くぞ。おまえの顔、見ながら抱きたい」

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