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ひそやかな足音8※
頷く雅紀から自分のものをそっと抜き取ると、秋音は雅紀の身体を反転させた。ぽーっとしている雅紀をそのままぎゅっと抱きしめて、耳元に囁く。
「上に乗ってみるか?」
対面だと雅紀の上に、ガタイのいい自分がのしかかる形になる。両脚を抱えあげ2つ折りにする体位は、華奢な雅紀を押し潰してしまいそうなのが、前から気になっていた。
「え……。……上に……乗る……?」
とろんとした目で首を傾げた雅紀に、秋音は頷いてシーツに横になると
「来い。俺に跨がってみろ」
両手を広げる秋音の言葉に、雅紀は合点したのか、恥ずかしそうに目を泳がせながら、おずおずと腰の上に跨ってきた。猛りたった秋音のものをそっと握って、自分の窄まりに押し当てる。
「ゆっくり、腰をおろしてみろ。痛かったら無理はするなよ」
雅紀は入り口を自分の指で広げながら、少しずつ腰をおろしていった。
「……っんく……んうっ…ぁ…」
さっきと違って既に路が出来ている雅紀の中は、きゅうきゅう締め付けながらも、上手に秋音のペニスをくわえ込んでいく。
「……いいぞ……。おまえの……好きなように、動いてみろ」
ようやく半分ほど飲み込んだところで、荒い息遣いの秋音にそう言われて、雅紀はぴたりと動きを止めて固まった 。
これはいわゆる騎乗位というヤツなのだ。自分の顔も姿も、見上げている秋音から丸見えなわけで……。好きに動けと言われても……。
「……?どうした。……痛いのか?」
動かない雅紀に、秋音は心配そうに眉を寄せた。雅紀は火照る頬を手で覆って首をふり
「ぅうん……痛く……ない……けど…」
「けど……?」
おずおずと腕を前に出し、秋音の視線を遮るように掌を開いた。
「……目……瞑ってて……くださぃ…」
「こら。それじゃあ、おまえの顔が見られないだろう」
雅紀は真っ赤な顔で、もじもじしながら秋音から目を逸らし
「だって……見られて、たら……俺……動けない…から」
耳まで赤くして羞じらう雅紀に、秋音はちょっと意地悪く笑って
「だったら、これでどうだ?」
言うなり下からぐいっと腰を突き上げた。
「……っんあう…っ」
秋音のもので前立腺をまともに擦りあげられ、雅紀は思わず大声をあげて仰け反った。自分の出した声に驚いたのか、目を白黒させ、慌てて口を両手で押さえる。そのまま2度3度と腰を揺らすと、雅紀はその度にたまらない声をあげて身をよじった。
「ああんっ。あ……あっ……まってぇ…あうっ」
「いい、な、おまえの顔。すごく、いやらしくて、刺激的だ」
感じている雅紀の顔を、下から見上げるのは新鮮だった。仰け反り過ぎて後ろにひっくり返りそうになるのを、腕を掴んで引き戻す。
ふいに雅紀の脚から力が抜け、がくんと腰を落とした。自重で奥まで一気に貫かれ、雅紀はあうっと悲鳴をあげて全身を震わせる。
「……っ大丈夫か…っ?」
秋音がちょっと焦って身を起こそうとすると、雅紀は必死で首をふり
「……あっん……っまってぇっうご……かないで…っっ」
今度は秋音がぴたりと固まる。じっとしたまま様子を窺うと、雅紀は切なげに喘ぎながら、小刻みに腰を揺らし始めた。
その仕草が、表情が、壮絶に色っぽい。
寄せられた眉。
潤んで焦点の合わない目。
うっすらと開いた唇から漏れ出る掠れた甘い喘ぎ。
感じきっているのだろう。桜色に染まった全身から、匂い立つような色気が溢れ出ている。
……まるでスイッチが入ったみたいだな……。
初々しく羞じらっていたさっきとは、別人のようだ。秋音は自分のものがどくどくと脈打つのを感じた。雅紀の細い腰を掴み、彼の動きに合わせてじわじわと突き上げ始める。
「……ぁあ……ぁ…ぅ……ぁん……あぅっ」
雅紀はきゅっと目を瞑り、腰をくねらせながら喘ぎ続けた。自分の上で快感に狂い乱れる雅紀は、ぞくぞくするほどエロティックだ。うねる中が熱く絡みつき、雅紀の動きと共にきゅうきゅうと収縮を繰り返す。視覚と聴覚と触覚からくる濃厚な刺激に、油断するとすぐ爆発しそうだった。
秋音は込み上げる強烈な快感をぐっと押し殺し、下からの突き上げを強くした。
「あっあっあーーっ……んあっああん……っ…あーーーーっっ」
髪を振り乱して喘ぎ悶える雅紀が、びくびくっと震えて反り返った。堪えきれずに解き放った白濁が、秋音の胸や首に飛び散る。
「ぁあぁ……ぁ…」
雅紀は震えながら自分のものを手で押さえ、断続的に続く射精から秋音をこれ以上汚すまいともがいている。秋音は上半身を起こし、雅紀の頭を抱き寄せた。
「いいから、出せよ。我慢、しなくていい」
弾む息を落ち着けながら、雅紀の汗だくの髪を優しくかきあげてやると、雅紀はぽろぽろ泣きながら
「ごめっなさっ……イッちゃた……っ俺、さきにっ」
「ばかだな。泣くな。気持ち、良かったんだろう?」
「……ぅん……よか…った…」
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