293 / 356
歪む月3※
大迫の言葉に雅紀はぎゅっと唇を引き結んだ。過去に元カレから受けた仕打ち。瀧田からの屈辱的行為。込み上げてくる深い恐怖心に身体が竦む。
大迫が、大人しくなった雅紀の腕を掴んで引き起こし、ドレスの胸元のファスナーをおろそうとすると
「鏡の前で」
また瀧田から指示が出た。
壁一面の大きな鏡には、隠しカメラが設置してある。この場で楽しむだけでなく、全部動画に残すつもりなのだ。
いちいち上から目線の口出しに、イラッとするが、それ相応の金を貰ったお仕事だ。スポンサーの要求は我慢してきくしかない。
大迫は首を竦めると、雅紀の身体を後ろから抱きかかえて、鏡に向かって座らせた。雅紀は鏡から目を背け、めくれたスカートの裾を直そうと足をもじもじさせている。
「脚は閉じるなよ。むしろ思いっきり開いとけ」
後ろから耳元に囁くと、雅紀はびくっとして目を開けた。鏡の中で視線が合うと、怯えていたはずの雅紀の目に、強い憎しみの色が混じる。大迫はその目にニヤリと笑いかけた。
……ふん。ただのか弱い仔猫ちゃんって訳じゃないのか。面白いな、こいつ。ますます虐め甲斐があるってやつだ。
大迫は雅紀の脚を両手で下からすくい上げるようにして、大股開きにさせた。
「っや…っ」
雅紀は屈辱に顔を歪め、鏡から目を逸らす。両手首を繋ぐ鎖は長めに固定しておいた。完全に後ろ手にしてしまうと、体勢によっては邪魔になる。
「ぃっいやだ……っ……はなせ…っ」
「無駄だって言ってるだろう。ほら、いい眺めだ。足も縛られたくないなら、このままお利口さんに開いてろよ」
必死で閉じようとするのを、自分の両足を絡めて押さえ込む。
ドレスの胸元のファスナーを引き下げた。顕になった白い首や胸元には、恋人に愛された証が点々と散っている。
「随分と情熱的なカレシだな」
大迫は含み笑いをもらしながら、その跡に指を這わせた。めくれたドレスの隙間から、胸の尖りが顔を出す。指先でちょんとつつくと、雅紀の身体がぴくんと跳ねた。まだ小さなそれを摘まんで引き出し、指の腹でくるくるとなぶる。嫌悪に頬をひきつらせ、目をぎゅっと瞑っている雅紀が、唇を噛み締めた。
「感じやすそうな蕾だ。もう膨らんできた」
両手で2つの尖りを摘み、なぶり続ける。耳元に囁きながら、しつこく弄ると、つんと突き出て色づき始めた。瀧田が差し出してきた卵形のローターを押しあて、スイッチを入れる。
「…っぁっ」
下から掘り起こすように振動させると、雅紀が小さく呻いて身を捩った。
「我慢するな。いい声で鳴けよ」
ローターの振動を強にすると、びくびくっと跳ねる。両方の乳首を同時にローターでなぶり続けると、引き結んだ雅紀の口がゆるみ、堪えきれない熱い吐息がもれた。
「……っぃや……っやめろ…っ」
震えながら身を捩る彼の肌は、上気してうっすらと桜色に染まり始めた。
大迫は形のいい耳にねっとりと舌を這わせ
「嫌じゃないよな?ちゃんと感じてる。おまえのここは悦んでるぞ」
大迫はローターを一番強くすると、赤く色づき膨らみきった突起をくるくると弄り回す。嫌がりながらかすかに喘ぐ、その掠れた意外に低い声がいい。
……瀧田がやけに執着してたのはこれか。初い顔してるくせに、感じ始めた途端にやたら艶っぽくなってきやがった……。
本人が望んでいないのは、彼の表情を見れば明らかだ。だが嫌悪しながらも、どうしようもなく感じてしまう、その反応のギャップが嗜虐心を煽る。
ちらっと瀧田の方に目を向けると、上機嫌な表情で、雅紀の反応を楽しげに見つめている。
大迫は、もがく雅紀の脚をがっちり押さえつけたまま、鏡の方を見た。
人形のように整った顔立ちの青年が、ゴスロリ風の黒いドレスを着せられ、胸元とスカートの中を露わにされている。
めくれたスカートの裾からのぞく女物の黒い革の下着は、前の部分が拘束具になっている。身に付けさせた時には柔らかかった彼のペニスは、乳首への悪戯に反応して、伸縮性のない革の中で窮屈そうに膨らみ始めていた。
瀧田からの要望で、そこを虐める為の小道具も用意している。
反応するまいと必死にあがいている雅紀には気の毒だが、そろそろ本格的な調教プレイのお時間だ。
「雅紀。鏡を見てみろ。おまえの股間が苦しそうだぞ。気持ちいいのか?」
首筋に熱い息を吐きかけながら囁くと、雅紀は震えながら首を横に振った。
「嘘つけ。淫乱が。乳首弄られただけで勃ってるよな?」
意地悪く含み笑いで囁いて、大迫は左の乳首にローターを押し当てたまま、右手を雅紀の股間に伸ばした。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!