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2.鬼課長、部下に初めてを奪われる③
しつこく前立腺を突かれてもう、本日三度目の射精をしてしまいそうになった瞬間であった。空いている、腰を掴んでいた手で来栖は俺の、性器の根本をぎゅっと握って射精を止めてきた。指もズポンっと抜かれては入り口をパクパクさせて『ひっ……ぁ、』とがくがく震えて来栖を振り返り、懇願するような目を向ける。なにが鬼課長だ。これじゃあ俺は、ただの来栖の雌である。
「くっ……来栖っ、も、いまイけそうでっ、」
「はいv そうですね、でも……つぎは俺のちんぽでイってもらうつもりですか、らっ!!」
「っっ!!?」
ずるっとまた来栖の性器が俺の尻に擦り付けられて、ぴとv と、ケツ穴に先端をあてがったかと思うと、そのまま勢いよく……。
ズパンッ!!
「ひぎっっv!?」
一気に玉がぶつかるまで、最奥まで来栖は俺の体内を、やつのちんぽで突いてきた。同時に俺の根本を握っていた手も離されたから、だらしなく俺はよだれを垂らして、そのままびゅるっv!! と射精してしまう。そんな、こんな、俺は初めてで……来栖が言う。
「あっれ課長……初めてでしょ? 初ちんぽで初イキっすかv」
「あっ……あぅっ、あ、」
「あれぇ、もう日本語も喋れない? ま、可愛いから許しますけど……おらっ、もっと突きますよ!!」
「ひぐっ……うっv!?」
ずるっと先端まで抜かれて、(抜けるっ)と思った次の瞬間またズパン! と奥まで突かれる。激しい、乱暴なやり口に俺は、苦しいのになぜかまた性器をそそり立たせてしまう。いったん萎えたはずの性器が反り立ったのを来栖が見逃すはずもなく、『ハハッ』と笑っては『課長も若いっすねーv』と俺をからかう。俺の腰を両手で掴んで、そのまま良いように俺の腰を、やつの腰を揺らしてピストンする。
「初めてっ、でっ!! ここまで感じるとかっ、有り得ますっっv???」
「ひっ、あっv ぁっv あぐっv!?」
「ほらっ、ここも擦ってあげますよっ」
「ひぐぅっ!!? そこごりゅごりゅりゃめっっv くるすぅっっ、ごりゅごりゅらめっっvv」
「ふはっ、前立腺がそんなにお気に入りですかv でも奥の方もっ、ほらっ!!」
「あぅうっっv おくぅっっvv 深っ……!?」
前立腺を擦られて、奥のほうをゴリゴリされて、俺はもう完全に来栖の雌に成り下がってしまった。机の下の性器が突かれるたび、ぷるんぷるんと揺れてはカウパーを床に飛ばして汚している。突かれているうち下品にも、俺は蟹股になって来栖を受け入れている。だんだんと、来栖の息も荒くなってくる。俺も舌を突き出して、犬みたいに『はっ、はっ、はっ』と荒い息をしている。もう、限界だった。
「あっ、あっ、あっv イくっv イくイくっっv 俺ぇっっ、部下にちんぽされてっっv イっvv」
「ふぅっ! 課長マジ、エロすぎっっv ナカに出しますよっ!!」
「ぅあっv うそっっv うそっっvv ナカはっっ、ナカはだめっ、らめだ、うぁっっ!?」
「くっ、ぅ……!」
どぷんっv どくどくっ、ぴゅーっv ぴゅるぴゅるっvv
今度はほとんど同時、俺たち部下と上司は会議室で射精をする。俺は床に、来栖は俺の体内に。注がれる初めての感覚に腰を震わせて、俺はずれた眼鏡もそのままにハートマークを浮かべっぱなしで。ホモの、ゲイのセックスってこんなに気持ちがいいのか。なんて遠い頭でうっすら考えながら、イく瞬間反った上体を、再びぼすっと机に戻す。
「はぁっ、はっ、」
こちらも息の荒い来栖がやつのご立派(やっと萎えた)をずるんっと俺から抜き取って、すると俺のケツ穴からゴポッv と奴の精液が零れ出す。それを見て、机に臥せっている俺からは見えないが奴はその男前で舌なめずりして、それから撫ぜ撫ぜと優しくおれの、ずいぶん乱暴した尻を撫ぜてきた。
「お疲れ様です、俺の雌課長v」
そう俺を、言葉で揶揄しながら。
***
掃除をしている。部下と上司の俺たちは、会議室の床掃除をしている。冷静になると自分の痴態が恥ずかしくて、俺は来栖の顔の一つもまともに見られずに、しかしケツに来栖の精液を注ぎ込まれたままでスーツを着なおして、来栖と一緒に床を雑巾で拭いている。
「ねー課長。本当に初めてだったんですか?」
「……当たり前だろう。俺にそういう趣味はない」
「とか言っちゃって。課長の感じっぷり、半端なかったっすよ」
「うるさい! そんなもの、その、そんな、お前のせいだろうが!!」
「俺、そんな上手かったですか?」
「チッ」
「ふふっ、お行儀のいい課長の舌打ち。レアっすねー」
そう来栖がふざけているうちに床を拭き終えて、立とうとしたらふらっと身体をふら付かせてしまう。なにせ、男に初めて身体を暴かれたのだ。しかもあんなに乱暴に。無理もないが、その体を来栖に支えられて癪に触って、来栖を振り払っては俺は机に手を突いて『はー』と息を吐く。やっとのことで来栖の、散々見慣れた部下の顔をちらっと見上げる。
「来栖、これで満足か」
「はい?」
「これでもう、朝のあのことは……」
「あー、痴漢のことっすね。もう言いませんよ」
「そうか、」
「でも」
ほっと息をついたのも束の間であった。来栖がうなだれた俺の顔をずいっとのぞき込んできて、俺の、奴の精液が注がれっぱなしの尻を片手で揉んできて、また例のにやぁっと嫌な感じの笑み、である。おまけに次のセリフ。
「ねえ課長。課長が部下に『ちんぽされて』、蟹股でイきまくるような淫乱だって、皆に知られたくないですよね?」
「はっ……」
「知られなくなかったら課長。課長はこれから俺の、オナペットになってくださいよ」
「なっ、」
顔面蒼白になって、俺はふるふるとその場で震える。『オナペット』? 部下の、男のオナペットに、俺が???
「ねえこれからは、俺の好きな時に好きなように、オナホみたいに従順に抱かれてくださいね、課長?」
「ふっざけっっ……」
「あれっ?」
すでにカギを開けてあった会議室に、くだんの永崎くんが入ってきては俺たち二人のコンビに驚く。しかも俺が、来栖の胸ぐらをつかみ上げていたから永崎くんは、
「課長、どうしたんですか!? 喧嘩はいけません!!」
そう誤解して、俺と来栖の間にその女性的な体を滑り込ませて止めに入ってきた。それに来栖は『あはっ』と笑って人懐っこく、
「いやだなぁ、永崎先輩。ちょっと課長と、ふざけ合ってただけっすよ」
そういうから永崎くんも『か、課長と来栖くんが!?』と驚いて、でも俺が社員と打ち解けていることが嬉しかったらしく感涙するような手ぶりをしては『ふふ』と笑った。
「なんだ、いつの間に二人とも、そんな風に仲良くなったんですか?」
「永崎くん……俺たちは仲良くなんか、」
「何言ってるんですかぁ課長、俺たちの仲でしょう?」
「……っ!!」
肩を組まれてこめかみに血管を浮かばせるも、小さな声で『セックスまでしたv』と囁かれるとドカァっと俺は顔を赤らめた。その囁きを幸運にも永崎くんは聞き逃して『え、何?』と聞き返したが、もちろん来栖だって俺たちの関係を簡単に暴露するつもりはないのだろう。『いえ、なにも』と惚けては『ね、課長?』と俺にいたずらっぽい笑みを向けたのであった。
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