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5.鬼課長、どういうわけかラブホで……②

 俺が射精後の倦怠感にくたりとベッドに横たわっている内、一方の来栖は余裕気にホテル付属のラブグッズを漁っては、そこからローションとコンドームを取り出して、さっさと自身の性器(なんと射精したのに萎えていない)にゴムを取り付けている。ああ、やっぱり当たり前だけれど、俺はまたこいつに抱かれるんだ。思うとおなかの奥が熱くなる気がした。どうしてだろう、嫌悪感よりかつての快感を思い出してしまう。会社の会議室で、ほとんど着衣のまま来栖に抱かれたあの日。あの日のせいで俺はおなかを下して……あ、今日は来栖、きちんとコンドームをつけている。なにせあの時は急なことだったから、というところか。どこか冷静に考えていると、準備のできた来栖に「さて」と細身の身体を裏返されて、腰を持ち上げられる。萎えた性器がぶらんと垂れ下がって、尻の穴は来栖に丸見えで、なんとも間抜けな光景だがもう、俺には抵抗する力はない。 「今日の課長はいい子ですねー、もっといやいや言っても良いんですよ?」 「……無駄な抵抗はしない主義、だっv」  とろりと尻に垂らされたローションと、来栖のそれが絡んだ指がツプンv と、ナカに一本入ってくる感覚に腰を震わせる。『へー』と来栖は俺の返事には興味なさげに、熱心に俺のナカを探っては、前立腺を見つけてごりごりとそこを弄りながら、続いて二本目の指を入れる。ぐちっ。 「はっ……くぅv」 「ん、浮気はしてないですね課長。ちゃんと、まだキツイです」 「うっ、わき? って、来栖ぅっv そこぐりぐりするなぁっっvv」 「課長はモテるし隙だらけだから、いつ他の男に取られるかって俺、ひやひやものなんですよ? ほらっ三本目」 「ぅあっ、キッ……ツぅv ふぅっ」 「ええ、キツいです……課長、顔、枕に埋めてて苦しくないですか?」 「うっ、さい、ヤるならさっさとやれ!!」 「ハハハ。俺だって少しの我慢くらいしてるんですけどねぇ……それもこれも、あなたを傷付けないためなんですよ?」 「はっ……、ペットに向かって、ずいぶんと優しいことだな、」 「ええ、俺はペットにも優しい男ですから。ゴムもしてあげたし、もう良いですかね、っと」  来栖が俺のケツ穴を覗き込んでいた姿勢から膝たちになって、俺の腰をグイっとひいては奴の性器(やはり何故かビンビンだ)を俺の、入り口にちゅvと宛がっては、『ふぅっ』と息を吐く。 「それではお待ちかね。課長の大好きなちんぽハメでっすv うらっ!!」 「ぎっっvvv」  やはり一気に、前と同じで一気に来栖は俺の最奥まで『ずっぷんv』と腰を、勢いよく突き立てた。濁った俺の声は枕にほとんど吸収されて、それが面白くないらしい来栖に、おれの腰を両手で掴んでいた来栖に、一つ片手を離して顎を上げさせられる。同時にずるっ!とほとんど先端まで抜かれて、 「はぁっっvv!?」  悩まし気、俺は鬼課長らしからぬ声を上げる。口の端から涎が垂れそうになる。来栖が俺の背中に覆いかぶさってきて、俺にまたキスしてくる。ずぷっっv とまた挿入される。 「はぁっ課長……俺の課長、」 「ひっ、ぐっv あっ、あぁっv」  ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅv と、ピストンが始まると、来栖はうわ言のように俺に語り掛けてくる。 「ずっと、ずっとです。ずっと好きでした。いつかこうして、裸で求め合いたいってずっと!」 「はっ、はっ、はっv ぐぁっv 奥、深ぁっっvv!?」 「課長、課長っ、俺だけの課長っっv もう絶対逃がしませんっ!!」  まるでというかそれは来栖の愛の告白なのである。来栖のピストンに夢中で、枕にしがみついて快楽に耐えている俺は気が付かないが、来栖は俺に愛の告白をしている。 「このエロいおっぱいもっ」 「ひんっv 乳首も一緒にっv!!?」  言葉通り、後ろから両乳首を抓られる。きゅんv 「この白い首筋もっっ」 「ふぁっv あっ、あ、おひりめくれるっっv ピストンはやっっ……!?」  首筋に口付けて、痕をつけながらも来栖は激しいピストンをやめない。 「全部っ、全部俺のものだっっ……! もう絶対に、ぜったいに逃がしたりっ、しませんからっっv」  ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ、ごちゅっ! ごちゅっ!! 「あ゛っv あっっv もっ、ひっ、来栖ぅっ、おれっ、ちんぽでまたイっっ……!?」 「ええっ、課長……いや、蓮さんっ、俺のちんぽでメスイキきめてっ、くださいっっ! ほらっっ!!」 「ひぎゅっv あ゛っvv メスイキっっv メスイキすりゅっっv 来栖のちんぽでっっ!!?」  ごりゅっv ごりゅごりゅvv と、ゴムありの性器で最奥を突かれて、でもその熱さにゴリゴリされて、桃色の乳首もピンっと尖らせて、俺はもう限界まで張りつめてプルプルと揺れていた性器から、 「ひゃうっっvv!?」  どぴゅっ、ぴゅるぴゅるっv びゅーーっっvv  と、射精をしてしまった。が、しかしやはり、来栖はまだイっていないのだ。 「もっと絞めて、蓮さん!!」 「ひぐっv もっvv 絞めてるっっv 絞めてるっからぁっっ……vv」 「くっ、」  どぷんっv と、脱力しそうな身体でケツ穴で、必死に来栖をきゅううvと絞めると、やっとのことで来栖は俺のナカ、ゴムの中に射精をしてくれた。すると案外素直に、来栖は性器を俺から抜き取るからホッとする。終わった……。思って腰をボスンとベッドに降ろして、今度こそ脱力して『はー、はっ』と息を吐いているとそのうち来栖に、ぐいっと半身を起こされる。来栖に向かって座らされて、『???』という感じになっていると来栖が自身からゴムをずるんっと抜き取って、乱雑にそれをベッド脇に放っては萎えた性器(精液まみれ)を俺にぐいっと差し出してきた。 「なっ、なんだ、来栖」 「蓮さん、まだまだ夜は長いです。もう一発する前に、俺のを咥えて?」 「っっ!? 誰がっ……というかお前、上司を名前でっ!?」 「ねえ、良いでしょう蓮さん? また蓮さんの大好きなちんぽハメ、してあげますからv」 「だ、誰が大好きだなんて、」 「前も触らないでメスイキできる淫乱のくせに何言ってるんですか? まさかやっぱり、皆に蓮さんの淫乱な姿、知ってほしいんですか」 「このっ……下衆が、」 「下衆で結構。言ったでしょう? 俺はあなたを手に入れるためなら、どんな手段でも使います。ほら、蓮さんしゃぶって」 「……」  そういうわけで俺は初めて本格的に男のものをフェラすることになって、拙いそれに逆に興奮した来栖にまた、押し倒されては今度は正常位、次は対面座位……などと何度も何度も、いろんな抱き方をされたのであった。そういえば俺、酔っていたのによく勃つものだな……と、ことが終わった深夜すぎ、ぐったりベッドに寝転がっては思ったものだ。来栖は俺に腕枕なんかをして、ひと時すやすやと満足げ、気持ちよさげにホテルで仮眠をとっている。俺も一瞬は(来栖の行為の激しさに)気を失いかけたけれど、そこはこっちのほうが大人である。そう思うと来栖もまだ二十四才、勢いはあるけれどまだまだ子供だ。思っていろいろ思い出して、でも来栖が俺を「好き」といったことは思い出せないままで俺は、来栖のあどけない寝顔の横で、腕枕を(痺れてしまうだろうからと)そっと外してから、来栖に背を向けてはひと時だけの仮眠をとることにした。 (何だろう、何故だろう……来栖とのセックスは、まるで恋人同士でするものみたいだ、)  俺はただの、来栖のオナペットなのに。と、そういう疑問を抱きながら、である。

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