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第4話
家に向かい、ゆっくりと歩きながら時間を確認すると6時半を指しており、空を見上げると太陽もゆっくりと登りつつあり暖かい風が吹いていた。
家で軽く新聞を読んで、ニュースを見て、7時40分になったら家を出て…と、1日のスケジュールを確認する。
ふと顔を上げるとこちらを見つめる大きな動物がいた。
「…犬?狼?犬にしては大き過ぎる」
足を止め、お互いに見つめ合う。
大きな動物はカルマに背を向けて歩き出す。
少し歩いて振り向き、足を止めた。
カルマが歩き出すと動物も足を進め、時々振り返りながら歩いていた。
「付いて来いって事か」
まだまだ時間に余裕はある。
大きな動物に続き、カルマも足を進めた。
その大きな動物は立入禁止区域の森の前で足を止める。
おかしな事に、入口のフェンスが開いていた。
動物はカルマの姿を確認し、フェンスの中に入ってしまう。
入ってはいけない場所。分かっている。
でも、あの大きな動物が気になって仕方がなかった。
カルマも小走りでフェンスを潜り、動物を追いかけた。
ギィィ…ガチャン、
ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン
大きな音を立て、フェンスが閉まりロックが掛かる。
センサーが異常を感知し、管理をしている職員が慌てて確認に向かった。
しかし、異常などなくフェンスに付いている大量の鍵は正常に機能していた。
施設に戻り、監視カメラを確認する。
一人の少年がカメラに映り込んだ。
少年はフェンスの前で立ち止まり、数秒後小走りでフェンスに向かった。
「お、おい!ぶつかるぞ坊主!」
職員は監視カメラに向かって思わず叫んでしまう。このフェンスは電気が通っており触ると大火傷を負い、下手すれば死んでしまうこともあるのだ。
しかし少年はフェンスにぶつかる前に忽然と姿を消してしまった。
「何だったんだ今の…」
職員は呆然と監視カメラの映像を眺めていた。
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