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暗闇の記憶2
「ヒヒヒッ。ほら膀胱パンパンになったかな?」
不気味な笑い方の男がぼくの下半身を撫でる。
ざらついた男の手のひらが下腹部を撫でる刺激にぶるりと身体が震えた。
「今度はちゃんと我慢して楽しませてくれよ」
またヒヒヒッという男のひきつった笑いが部屋に木霊している。
ぼくのぺニスには細いチューブが刺さっていて、チューブの先にはまた針のない注射器が接続されていた。
先程男によって注射器の中身を身体に注ぎ込まれ、意図的に膀胱を液体で満たされている。
「んんんん」
「さぁ引き抜くから我慢しろよ?」
チューブを勢いよく引き抜かれると、ぼくの意思とは関係なく押し込まれた液体がせり上がってくる。
ぱしゃぱしゃぱしゃ
大きな水音を立てて便器の中に押し込まれた液体が落ちていく。
「ヒヒッ。我慢できなかった駄目なペットにはお仕置きだよ」
「ん"っ!」
男はぼくが我慢できないことを分かっていたのか、ポケットから何かを取り出す。
それを乳首の先端の一番敏感な部分に取り付けた。
ぼくはあまりの痛みに息が詰まる。
「痛い?でも、次は我慢しないとどんどん増えていくよ?」
ぼくの胸には洗濯バサミが取り付けられており、息をして胸が上下するたびに洗濯バサミが揺れてじりじりとした痛みが続く。
「次は我慢できる?」
「んー」
ぼくは何とか身体を動かして抵抗をする。
「ん"!」
「普通のバネをゆるめてないやつだから痛いだろ」
ぼくは大した抵抗もできないまま反対側の乳首に洗濯バサミが取り付けられる。
「ヒヒッ。さぁ楽しもう」
男の笑い声にぼくは絶望的な気持ちでいっぱいになって流したくも無いのに涙が溢れてきた。
「んぶっ。んー」
「こいつも全然駄目だな…」
どれだけの時間そうされたのか分からないが何度も液体を押し込まれては排泄させられ、排泄させられる度にお仕置きと称して洗濯バサミで皮膚の薄いところを挟まれる。
ぼくの胸には無数の洗濯バサミが肌を彩っていた。
それはお腹にも及び、痛みもどんどん鈍く遠いものになっている。
「やっぱり続けると、ここもバカになってくるな…」
「ん"ん"ん"」
「ヒヒッ。まだ出るんだ…」
男は不機嫌そうにぼくのぺニスに洗濯バサミを取り付けていく。
その痛みに、少量の液体が飛び出す。
「家の中だけじゃ駄目だね。外に出て社会性を覚えようか…」
「んむー。んむー!!」
男の言葉にぼくは必死に抵抗しようと痛みを我慢して最後の力を振り絞って抵抗を試みた。
しかし、長時間拘束されている手足は上手く動くはずもなく徒労に終わる。
「んっ、んんっ、んっ、んっ」
「正に公衆トイレ。肉便器!」
バチュンッ、バチュンッ
水音と肌がぶつかる音の合間に男の興奮した言葉が聞こえる。
不気味な笑い方の男に連れて来られたのは寂れた公衆トイレだった。
「ここで皆に可愛がってもらってね。ペットちゃん!ヒヒッ」
男はぼくを公衆トイレの個室の1つに押し込み縛り付けた後に何処かに行ってしまった。
「あーあ。俺も余裕があればお前を養ってやれるんだけどなぁ」
ぼくを弄んでいる男が腰を動かしながらそう言うのをぼくは働かない頭で何とか理解しようとするが、下半身の刺激にぼくの頭には靄がかかっている。
「じゃあね。ペットちゃん?」
ぼくを犯していた男はそのまま公衆トイレを後にした。不気味な笑い方の男に言われたのは、この寂れた公衆トイレの便器の内側にある黄ばみまで精液を貯める事だった。
お腹には油性ペンで“お漏らししちゃう駄目な肉便器ペットです!お仕置きに協力してください。※お持ち帰り可”と書かれていた。
色々な男に犯され、時には犯していた男の家に連れていかれその男が飽きるとまた、元居た公衆トイレに設置される。
「ペットちゃんまだ居たんだ…ヒヒッ」
どれだけかぶりに不気味な笑い方の男が公衆トイレに現れた。
ぼくは以前の事もあって男を見るだけで漏らしてしまった。
「やっぱりお仕置きしても直らない能無しか。今は新しいのも見つけたし、お前はもう用済みだよ」
「…っ!!」
男がぐいっと持っていた紐を引っ張ると扉の影から小さな子供がブルブルと震えながら四つん這いで這ってきた。
子供には無数の青アザがあり、ぼくはその光景に自分の今の状況も忘れてぞっとした。
「じゃあ、いい人に拾われたらいいな。ほら行くぞ…ヒヒッ」
男が去っていくのをぼくはただ呆然と見つめていた。
バシャッ
頭から水をかけられぼくの意識は浮上する。
光取りの窓もない寂れた公衆トイレの一番奥の個室は一日中薄暗くて、出入口付近にある電球の光も少ししか届かない。
逃げようにも身体に力も入らず、目を開けていることさえ億劫だった。
「あ、生きてた」
「…?」
目の前に居たのは若い男の人だった。
またぼくを弄びに来た人だと思ってぼくは目を瞑ろうとする。
「へぇ。結構上玉だね」
若い男の人はぼくの顎を捕らえ、上を向かせると顔をまじまじと見る。
「殴られたりとはかしてないな」
「…っ!!」
「痛くても声を出さないのか…ふ~ん」
男の人は、ぼくの身体を隅々まで触って傷が無いかチェックしてるみたいだった。
時折押される箇所が痛くて、顔をしかめる。
男の口ぶりからするとわざと強く握られたりしたらしく、ぼくから手を離して思案顔になった。
「これはこれで面白いか!その前に、お腹のラクガキ消そうか」
ベシャッ
男がぼくを無気力に座らされていた便座から引きずり降ろすと、ぼくは力なく床に倒れこんだ。
男が取り出したデッキブラシをぼくは無感情に眺めていた。
「う~ん。なかなか取れないなぁ?」
「あがっ、いたっ…いっ!!」
毛先の固いデッキブラシでお腹のラクガキ部分を擦られる。
ぼくは男に肩を足で踏まれ固定されてしまっているので、肩の痛みとお腹をかきむしられる様な痛みになすすべもなかった。
抗議の声もデッキブラシが立てるジャカシャカという音と、水を常にかけられている事で掻き消されてしまっていた。
「だいぶ取れたな」
「あっ、はっ、いっ…」
ぼくの口からは意味を成さない声が出るだけだった。
ここで痛みと、水をかけられ続けた寒さで意識を手放した。
ぼくはやっと終わったという安堵と、もうずっと目が覚めなければいいのにという思いで目を閉じた。
+
ここはどこだろう。
周りは暗くて水が落ちるぴちょんぴちょんという音がしている。
「ん"ん"ん"ん"ー!!」
「…っ!??」
じゅぅと何かが焼ける音がして肉が焦げる臭いがする。
その音の後を追う様に、くぐもった叫び声があがった。
ぼくは怖くなって思わず息を詰める。
「綺麗に痕がついたね。お薬塗っておこうね?」
「ん"ん"ん"ん"ん"」
遠くから聞こえる声にぼくは恐怖で自然と身体がブルブルと震える。
自分では目を開けているつもりなのに、周りは真っ暗なままだ。
まだあの公衆トイレに居るのかもしれないと思ったが、あそこは薄暗いが電気があった事を思い出してここが別の場所であることは明白だった。
「君達にも飽きてきちゃったから、新しいお友達を紹介するね」
声が近付いてくるので、ぼくは見えないながら後退りすると何か柔らかいものにぶつかった。
「はーい。ごたいめ~ん」
光が差し込み、周りが急に明るくなったせいで目が眩む。
眩しくて、顔を手で覆うようにするが手をあげた瞬間にジャラジャラと硬い音が響く。
「眩しかったのか皆顔を隠しちゃってるな~?お顔を皆に見せてあげようね~」
ガチャン!
不機嫌そうな声が部屋に響き、金属を激しく叩く音がする。
少し光に目が慣れてきた頃、周りを見回すとぼく位の子供が怯えた様子で隅に固まっていた。
しかもぼく達が入れられているのは金属製の檻でそんな檻が他にも何個も置いてあるのが見えた。
「君達には、これからぼくの作品作りのお手伝いをして欲しいんだ」
男の話している後ろでは呻き声のような声や、肌がぶつかる乾いた音がしている。
なんでぼくはこんな所に居るんだろう。
公衆トイレに捨てられて、目の前の男に酷いことをされたまでは記憶にある。
自分のお腹を見ると、赤みはすっかり引いていたがデッキブラシでついたのであろう細かな傷がついていた。
「う"う"う"」
「あ"う"う"」
隣の檻からは、ぼくより小さい子やぼくと同じくらいの子供達がぼんやりと宙を見つめている。
時折漏れるその子達からの意味を成さない小さな声が聞こえる。
そんな光景に更にぼくは怖くなって身体を縮こまらせる。
ガチャ、キィ
檻の鍵が解錠され、扉が開く金属の高い音が響く。
カツカツという乾いた音が近付いてくる。
「いやぁぁぁぁ!!」
檻に入ってきた男が近くに居た子供の手を掴んで檻の外へ引き摺っていく。
檻が囲む中央には診察台の様な金属でできた寝台が置いてある。
その上に子供を寝かせた。
「暴れないでね?違うところに刺さっちゃうよ?」
「ひっ!!」
男が薄ら笑いを浮かべ、注射器を取り上げた。
そのままその子の首筋に針を埋める。
「即効性だから、すぐ効いてくるよ」
男が針を抜いてしばらくすると、その子の腰が激しく上下に揺れだす。
腰が持ち上がったと思ったら、身体と喉が面白いくらいに反り返る。
「あはっ。前の部分びしょびしょだ」
男のいう通り、注射を打たれた子の着ていた簡素な服のズボンは大きな染みができていた。
「ああぁぁ!!」
子供の絶頂する甘い声と目の前の光景に、ついにぼくは殺されてしまうのかもしれないと恐怖と共に、言い様の無い安心感に包まれていた。
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