35 / 119

花との戯れ

命の孔に指を滑り込ませた玲ちゃんが指を軽く動かす度にぷちゅっぷちゅっと小さな水音がしている。 無意識なのか少し命の着ているベビードールを持ち上げさせ、ショーツを横にずらして玲ちゃんが命の孔の縁に指をかけた。 カメラに向かって孔をぐにっと広げて見せると、ピンク色の孔がヒクヒクと蠢きぽっかりと口を開けているのにローターの紐が尻のふくらみに添って垂れている。 珍しく玲ちゃんに主導権を握られ、太股を震わせる命を俺は興味深くモニター越しに見ていた。 「れいちゃんも勃ってる…」 「みことちゃんを見てたられいもむずむずしちゃった」 「じゃあ、今度はぼくが舐めてあげるね?」 「え?」 命は素早く屈み、玲ちゃんのショーツをずらす。 玲ちゃんのうっすら反応しはじめたモノを躊躇なくぱくんと口に含む。 「あっ!みことちゃん…くびれてるところなめちゃだっ…」 「れいちゃん…ここ好きでしょ?」 命はわざと見える様に玲ちゃんの裏筋から傘の部分を念入りに小さな舌で舐めていく。 溢れてくる先走りの汁をジュルジュルと音をたてて吸う。 「命?」 「は、はい!」 玲ちゃんのペニスに夢中な命の名前を呼ぶと、ぴたりと動きを止める。 俺がバックから双頭バイブを取り出すと命にそれを渡す。 玲ちゃんはそれをぼんやりと見ているが、薄いお腹が快感でぴくぴくと揺れていた。 「れいちゃん一緒に気持ちよくなってくれるんでしょ?」 「うん」 命がバイブの片方を玲ちゃんの目の前に差し出すと、それを躊躇なくぱくんとくわえた。 命は反対側を口に入れて二人で亀頭部分に唾液をまぶしていく。 「そろそろいいかな?」 「うん…れいもはやくほしい」 二人が一生懸命唾液を絡めていくバイブはてかてかと濡れている。 十分に濡れた頃、命がバイブの向きを変えた。 「みことちゃん…なにするの?」 何をするのか分からない玲ちゃんは首を傾げている。 命はにっと笑うと玲ちゃんの舐めた方のバイブを下着をずらして自分に埋めていく。 「あっ、あぁ…」 「うふふ。みことちゃん…」 玲ちゃんはそれを恍惚とした顔で見つめ、ゆっくりと命に近づく。 二人の顔がどんどん近付きそれが重なった。 ちゅく、ぷちゅっと唇の隙間からの水音に紛れて下半身からも水音がする。 命は玲ちゃんの下着をずらし、自分の舐めた方の頭を玲ちゃんの中に埋めていく 「んんんんっ」 「れいちゃ…ぼくおなかせつないよぉ」 下半身が密着し、互いの足が絡まっている。 命が身体をずらすと玲ちゃんの口からは甘い声が漏れ、命からは切なげな声があがった。 「みことちゃんのぶるぶるがレイにもきちゃう」 まだ命の中にあるローターの振動が玲ちゃんに伝わっているらしく、命の手をぎゅと握って刺激に耐えている。 玲ちゃんは玩具は得意ではないらしく、少しの刺激でも命より大きく身体を震わせていた。 「二人とも四つん這いになって、抜き差ししてるの見せて?」 俺が声をかけると二人はこくんと大きく頷き、体制を変える。 命が少し腰を引いて四つん這いになった。 「きゃん!みことちゃんきゅうに動いちゃメェッ!!」 「れいちゃんもはやくぅ!じゅぽじゅぽしようよぉ?」 「きゃっ!そのまま腰動かしちゃだめ!」 命がゆらゆら腰を動かすと、命の孔の中の赤い部分が出たり戻ったりしている。 仰向けの玲ちゃんの上で腰を振る命に玲ちゃんは枕を握りしめているが、主導権は既に命に移り翻弄されている。 「あっやだ!きちゃう!レイいっちゃうよぉ!!」 「ぼくもっ…いっ!!」 バチュンバチュンと腰の動きが早くなるに連れ、肌のぶつかる音が大きくなる。 二人は大きく身体を反らせて絶頂を迎えた。 ハァハァという荒い息が部屋に木霊しているが、撮影は始まったばかりだ。 敏感な二人はすぐに逝ってしまい、余韻に浸っている。 ここまで散々焦らして来た命は分かるが、相手の玲ちゃんが絶頂を迎えるのが今日は少し早い気がする。 俺は鞄を床に置いて、折り畳み式の三脚を取り出して組み立てていく。 カメラに三脚を取り付けると、カメラを定点に変えて二人に近付いた。 「あれ?玲ちゃん今日は出さないで逝っちゃった?」 「きのう…たくさんけいちゃんにシテもらったから」 俺が玲ちゃんの濡れていない下着を見て問いかけると、玲ちゃんはフワッと花がほころぶ様に幸せそうに笑った。 「そう…それはよかったね」 「うん!」 “謹慎”明けの玲ちゃんはいつも以上にキラキラしているように見えて、俺も思わず苦笑いになってしまった。 心の中でそっと圭介に手を合わせる。 どうしても若いパートナーと居ると体力面で劣る部分がある。 俺はそれを補うように道具を使うが、圭介は俺の様に非情になれない部分がある。 これから成長していく玲ちゃんに搾り取られていくのは目に見えているので、こっそり良く効くという栄養ドリンクを渡そうと心に決めた。 「あれ?玲ちゃん血が出ちゃってるね…命?玲ちゃんが怪我してるよ?」 「けが…だめ…んんんっ」 「みことちゃん?」 シーツに小さな血の染みを見付けて命に告げると、命はガバリと起き上がり這うように前に進む。 ズルルと命の中に埋まっていたものが抜け落ちる。 命は体制を立て直して玲ちゃんに向き直った。 「みことちゃん…どうし…きゃっ!!」 「ケガ…だめ…キレイなれいちゃん…汚れちゃう…」 命は玲ちゃんの下半身に顔を埋めると双頭バイブをゆっくりと引き抜いた。 俺はカメラをベットに近付けて玲ちゃんのドレッサーの椅子を引き寄せた。 それに腰かけてゆっくりと足を組んで二人の観察を再開した。 「血がでてる…ぼくがなおしてあげる」 「え?だいじょうぶ!いたくないか…らっ!!」 少し血が滲んでいる孔に命は躊躇なく舌を這わせ血を舐めとっていく。 「あっ、あんっ!みこ…と…ちゃ」 部屋にぷちゅっ、ちゅくっという音と玲ちゃんの可愛らしい声が響いている。 玲ちゃんは命の髪をつかんで小さな抵抗をしているが“謹慎”の期間と昨夜の圭介との情事が効いているのか抵抗する力が弱々しい。 「だめ…ケガ…だめなの」 「あっ!みことちゃん!!No!れいっ!!」 舌が玲ちゃんの中を蹂躙すると、太股が命の頭を締め付け身体が弓なりに反る。 端から見ても絶頂を迎えた玲ちゃんに命は構わず舌の抜き差しをしていく。 「れいちゃん血とまったよ?」 「はっ、はひっ」 しばらくして命が下半身から満足そうに顔をあげた。 口の回りは玲ちゃんの分泌液と唾液でべとべとになっている。 満足そうな命とは、うって変わって玲ちゃんは快感からか全身震えていた。 「れいちゃんなかないで…」 「みことちゃ…きょうへん…んんっ」 玲ちゃんの目にうっすら浮かんでいる涙を命が必死に舐めとっている。 確かに玲ちゃんから血が出てると聞いたときの命は異様だった。 一心不乱に血を舐め、傷を舐めて癒す動物の様に必死になっていた。 命の中には玲ちゃんは綺麗な物、幸せの象徴という概念があるようで少しでも何かあると命は自分がどんなにボロボロでも玲ちゃんの元へ行くだろう。 「れいちゃんはキレイだからぼくみたいにならないで…」 「みことちゃん…」 命がまたコアラの様に玲ちゃんに抱きついた。 玲ちゃんは震える手でなんとか命の頭をぽんぽん撫でている。 「れいだいじょうぶだよ。れいはみことちゃんもしんぱいだよ。パパさんもいっしょだからね」 玲ちゃんは俺の方を向いて頷いた。 今日は仕事にならなさそうだと思って俺はカメラを止めた。 まぁ、取れ高は良い方だからよしとしよう。 命は玲ちゃんに背中を撫でられすぅと電池が切れた人形の様に動か無くなった。 「みことちゃんねちゃった」 「玲ちゃんありがとう。着替えていいよ」 俺はカメラをケースに戻して三脚を折り畳んでいる後ろでシュルシュルと衣擦れの微かな音がしている。 「パパさんみことちゃんは?」 「ん?あぁ…命はそのままでいいよ」 着替え終わった玲ちゃんは命の顔を覗きこんでいる。 俺が断ると玲ちゃんは命にそっと毛布を着せてやっていた。 + 俺と玲ちゃんには二人だけの秘密がある。 「パパさん…おひざ…のってもいい?」 玲ちゃんが遠慮がちに俺の前に立つ。 俺が何も言わずに手を広げると、おずおずと俺の膝に座った。 少し緊張しているのか身体が強ばっている。 「大丈夫…玲ちゃんはいい子だよ」 「うん」 向かい合って座っている玲ちゃんの頭を撫でてやると、玲ちゃんの瞳にはうっすらと涙が浮かぶ。 「ホントウ?レイいいこ?」 「とっても良い子だよ」 俺は撫でる手を背中にずらして背中を擦ってやる。 きっかけは玲ちゃんに下着のモデルを頼んだ時だった。 今のように命が寝てしまい俺と玲ちゃんの二人だけの時に、玲ちゃんが珍しく改まった様子で俺に近付いてきた。 「パパさん…あのね…おねがいがあるの」 「ん?俺にできること?」 「パパさんにしかできないこと」 「俺にしか…」 俺は一瞬“エッチして”と言われるのかと思って身構えた。 まだ年端もいかない命を道具のように扱っていた時期があった俺だが、それは俺もまだ未熟であったし自分勝手だったのだと今なら思える。 「だっこしてほしいの」 「え?」 余りにも拍子抜けするような玲ちゃんの要求に俺は肩透かしを食らった気分になった。 俺はその要求を快諾して玲ちゃんを抱き上げてやると、珍しくぽつぽつと昔話を話してくれた。 玲ちゃんの話によると、俺は玲ちゃんの父親に少し似ているらしい。 玲ちゃんの父親はアメリカ人で、重度のアルコール中毒者だったらしいと聞いた。

ともだちにシェアしよう!