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花散らしの雨5
後ろからのアングルで翔と命の接合部分がしっかりと映っている。
しかし、翔の孔も物欲しそうにパクパクと口を開けているのを俺は見逃さなかった。
「みっちりキモチイイ」
「あっ、しょうちゃ…はやいぃぃ」
「ここもおいしそう…」
「きゃ!ちくびっ!かんじゃだめぇ!!あっ!あぁ!!」
命の乳首を捕らえた翔はそこへ歯をたてる。
かぷかぷと甘噛みされながら腰を遠慮なく動かされ、命は呆気なく絶頂を向かえた。
孔の縁がきゅうきゅうと動いていて膣が男を搾り取ろうと動いているのがよく分かる。
「しまるぅ」
「あっ、しょうちゃん?!」
逝ったばかりの命の膣が気持ちいいのか、翔の腰は止まる気配がなかった。
ぶぽっ、じゅぽっ
激しく出し入れする音が部屋に響いている。
そろそろ俺も本当の“狼”がどこまでおいたをしてるのか確かめる必要がある。
「つめたっ!えっ…なに?」
俺はカメラ片手に翔の背後に近付いて尻にローションを垂らした。
人肌にも温めていないローションを孔に塗り込むと冷たかったのか孔がキュッと締まる。
しかし俺はローションの滑りを借りて人差し指を潜り込ませると、中をぐるぐると探る。
「えっ…やっ…」
「しょうちゃっ…キモチイイの??」
まだ余り感じないのか少し抵抗するが、挿入の快感には抗えないのかヘコヘコ腰が動いているのに伴って俺の人差し指を出し入れしている形となる。
命が翔に足を絡めると少し動きが鈍くなったので俺は指を増やして再び中を探った。
「やっ!そこ…へんっ!!」
「えへへ♪しょうちゃんのおっきくなったぁ」
中に小さなしこりを見つけ、そこを撫でてやると孔が指を締め付けはじめる。
命はうっとりとした恍惚の表情を浮かべていた。
「ふぁっ…しょうちゃ!そんなに腰ふらないでっ!!」
見付けた前立腺を撫でてみると感じていると言うよりは、まだ違和感の方が強いのか俺の指から逃げようともがく。
その抵抗は命に伝わり、腰を大きくグラインドされて命はまた悶絶している。
「まだ開発途中ってところかな…でも孔は拡がるようにはしてあるのか…気長な“狼”もいるもんだ」
俺はひとりごちると翔の孔から指を抜き去る。
そうすると翔はほっと息を付いたので俺はすかさず孔にローターを押したんだ。
「ふあぁぁぁぁ」
「あっあぁぁぁ!熱いのたくさんでてるぅ」
ローターのコードとリモコン部分を医療用のテープで太股へ固定して、目盛をMAXにしてやる。
翔はその刺激に命に名一杯腰を押し付け逝ってしまった。
命の孔からは受け止めきれなかった精液がぶぴゅっと下品な音を立てて隙間から溢れて背中を伝いシーツを汚している。
「相変わらず量が多いんだね」
いい画が撮れて俺は満足して定位置に戻る。
暫く二人の様子を見ていたのだが、翔の薬がなかなか切れそうにないので俺はパソコンを立ち上げてメールのチェックをすることにした。
パンッパンと言う肌のぶつかり合う音をBGM変わりに俺はキーボードを叩く。
今のところ注文のメールが来ていなかったので月一で発信しているメルマガの下書をはじめた。
メルマガは新商品の紹介や、ピックアップ商品などの紹介を中心にしている。
有料会員に向けてのメルマガは命がしている商品のレビュー動画や、玲ちゃんと命が商品を使っている動画の更新情報を定期的に配信している。
有料会員は料金は月額一万円とけして安くは無いのに会員数は4桁ある人気コンテンツだ。
「ストックも増えてきたな…今月はもう少し更新するか」
俺はフォルダ内のファイルを整理しながら呟いた。
動画の更新は最低でも月に1回。
サービスを開始したのは命が居なくなってから売上がガクンと落ちたからだ。
昔、命をモデルに撮っていた動画や兄さんの所で仕事をさせられた時に撮り貯めた動画を商品として上げたのが切っ掛けとなった。
このサービスのお陰で収入は安定しするようになり、アダルトグッツの売上が悪くても兄さん達の世話にならなくて良くなり家を出たのだ。
「チッ…」
俺は思わず舌打ちをした。
弟の動画を見つけ、一気に機嫌が急降下する。
他の動画は顔や目元に加工を施すのだが弟の動画は全て無修正で配信している。
しかもそれが意外な事に人気なのも更に腹が立つ。
「うっ…また出るっ!!」
「んんんっ!!」
翔の声に俺は腕時計を見る。
撮影をはじめてから3時間ほど経っているが翔は萎える気配がない。
ぶぴゅっ、ずちゃっ
命の孔からは翔が動く度に翔が出した精液が隙間から逆流している音がする。
まだまだ終わりそうにない二人を置いて俺はあるところへ連絡をするために部屋を出た。
「かなり効き目が強いのは翔が薬に耐性がないからか?」
俺はひとりごちながらスマホの画面をスライドさせ目的の連絡先を探す。
連絡先を見付けて通話ボタンを押し耳に当てるとコール音が鳴って数コール目で目的の人物に繋がった。
『はい』
「久しぶりだな。突然で悪いんだけど、この前貰った薬なんだが…」
電話の相手は、翔に飲ませた薬の開発責任者であるクラブだった。
「さっき使ってみたんだが、あれ少し強くないか?」
『効果には個人差は多少あるが…今飲ませてからどれくらいだ?それよりお前のお姫様は薬が効かないんじゃなかったか?』
クラブは少し考える様に返答したが、翔にはいささか効果が出過ぎた気がする。
命は薬物に耐性があるので媚薬の類いは効果が薄いのをクラブも知っていての言葉だった。
「ふふっ。ちょっと面白い子が居てね…使ったらちょっと強すぎるような気がしてな?もうすぐ3時間になるかな?」
『うーん』
思わず小さな笑みをこぼしてしまったが経過時間を伝えるとクラブの唸る声が聞こえる。
『薬の原液は店では取扱いランクはそこまで高くないんだが、一般人には強すぎるか…』
「効果はどれくらいだ?」
『想定では興奮材程度で1時間半位のはずなんだけどな?』
「お前の所のラボの奴ら耐性あるんじゃないのか?」
『どうだろうな…色々作ってるからな何とも言えん。まぁそのうち効果も切れるだろう。また結果教えてくれよ!ちょっとこれから会議なんだ…じゃあな!』
「おい!そんな無責任な!!」
チッ
通話を一方的に切られてしまって俺は思わず舌打ちする。
「まぁいい…次はっと」
俺は気持ちを切り替えてアドレス帳から別の連絡先を呼び出す。
プルルルル♪プルルルル♪
呼び出しの電子音を聞きながらキッチンカウンターの上にある珈琲マシンを起動させる。
『はーい』
珈琲がカップにいっぱいになる頃、可愛らしい声が聞こえ出す。
「やぁ。こんにちは」
『あ、パパさん!』
「夕飯の準備してたのかな?」
『そうなの!今日はお赤飯炊こうと思って小豆を昨日の夜からお水で戻してたのよ』
俺の挨拶に嬉しそうに返事をしてくれるのは玲ちゃんだ。
俺の所にアルバイトしにくると聞いてから嬉々として下ごしらえをしていたのだろ。
「悪いんだけど、翔はこっちに今日泊めるから赤飯は明日にしてくれない?」
『お泊まり?!きゃー』
がっかりするかと思いきや、俺が今日泊めると言うと玲ちゃんからは嬉しげな悲鳴が上がった。
しかも跳び跳ねているのか時おり声が遠くなる。
『レイ色々しんぱいしてたのヨ!だから、あいつより先にパパさんにvirginもらってもらったら、レイしんぱいしなくていいヨ!!』
「いや…その話なんだけどね…」
『え?!もしかしてまだなの?これから??』
興奮気味の玲ちゃんには悪いと思いつつ言葉を濁した。
そんな俺の語気を敏感に感じ取った玲ちゃんは急に不安げな声になる。
「先に報告だけするね?玲ちゃんの心配は間違いじゃなかったよ…」
『え!!もう、たべられちゃってたの?』
「それはまだみたいなんだけど…ただ本当の“狼”は相当ずる賢いみたいなんだ。これから色々調べるよ」
電話越しの玲ちゃんは歯がゆそうに唸り声をあげている。
「でも、玲ちゃんに朗報だよ!“赤ずきん”は今“お花畑”で“花”と遊んでるよ」
『ほんと!!ならやっぱりあしたはお赤飯たかなくっちゃ』
「あ、そう言えばお弁当ありがとう。とってもおいしかったし、うちの“お花”も拗ねてたんだけどお弁当のおかげですぐに機嫌直ったよ」
電話口では俺の言葉に照れた様なうふうふと笑う声が聞こえているのが可愛い。
「じゃあまた何か分かったら連絡するね」
『はーい!またアソビにいくから“お花”ちゃんにヨロシクねー』
電話が切れると、花やかな雰囲気がなくなり部屋がしんっと静まった。
ふぅと一息つくと手に持っていたコーヒーをすする。
ちょうど適温になっていて飲みやすくなっていた。
「んっ、まだでるぅぅ」
「しょうちゃ…ぼく…もうおにゃかいっぱいだよぉぉ」
俺はコーヒー片手に撮影部屋を覗くとまだ翔は命に向かって腰を振っていた。
何度目か分からない絶頂を迎えている翔は命を抱き締めその出したものを生き物の本能か奥に注ぎ込もうと更に腰を押し付けている。
びゅぴっ、ぐぶぅぅ
入口に居ても部屋の中からは粘着質な音が聞こえてくる。
「んっ、んむっ」
「口ちっちゃい…かわいい」
唾液を交わしあっている二人はまだまだ終わりそうにない。
翔が満足するまで終わらないだろうと俺は再び部屋を後にする。
「今日は玲ちゃんには負けるけど、美味しいもの用意してやるか…」
俺は足取り軽く、買い物に行こうと部屋を出た。
買い物から帰って来て、料理が出来上がる頃までには終わっているだろ。
そう思いながら俺はエレベーターに乗り込んだ。
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