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はじめての大冒険2
圭ちゃんを探すべく、本が沢山ある部屋から渡り廊下を使って更に大きな建物の方にやって来た。遠くに聞こえていたざわざわという音が大きくなった気がする。
「あれ?れいちゃーん?」
ぼくがのんびりと外の様子を見ている間に、気が付いた時には玲ちゃんが隣から居なくなりはぐれてしまっていた。
キーンコーンカーンコーン
大きな音が建物に鳴り響き、その音に驚いて居るとガタガタと所々で音がしはじめる。
ぼくは何事が起こったのか分からなくてその場で固まってしまった。
「あれ~?こんなとこに小さい子が居るよ?」
「本当だ!」
「どうしたの?誰かの兄弟?」
ぼくが固まっていると、同じ服を着た玲ちゃんくらいの女の子達がぼくに気が付いて近付いてきた。
女の子達はぼくを取り囲んで次々と質問をしてくるが、ぼくは軽くパニックになって視線をさ迷わせる。
すると、どんどんぼくの周りには人が集まって来て更にぼくはパニックになる。
きっと何かを言っているのだということは分かるのだが、上手く聞き取ることができない。
本当に小さな頃にパパに教えて貰ってから言葉を喋れるようにはなったが、今でも急に周りが何を言っているのか理解できないことがあった。
そんな時はぼんやりしてるか、ニコニコしていればしばらくすると周りの話も“雑音”から“言葉”に変わってくる。
でも今回はそうはいかないようだ。
「こら。お前達なにしてるんだ!もうすぐ授業だぞ!」
「あ、花吹先生!」
「こっちに小さい子がいるー」
「こっちこっち!」
人の波がスーと引いていく。
人をかき分けて来たのは、よく知った人物だった。
「あれ?命ちゃん??」
圭ちゃんが人の群をかき分けてぼくの元にやって来ると、ぼくは圭ちゃんの顔を見た瞬間に安心してしまいポロポロと涙が溢れてくる。
周りはそんなぼくに驚いた様子だったが、そんなことは気にしている暇は無かったので圭ちゃんに手を伸ばした。
「パパぁ!」
「え?命ちゃん!!」
ぼくは圭ちゃんの足にすがり付くと、次から次へと涙が溢れてくる。
そんなぼくを見かねた圭ちゃんに抱き上げられるとぼくはすかさず首にすがり付く。
パパの名前を呼びながら泣いていると、ぼくの涙のせいで圭ちゃんの肩が濡れているが今はそれどころでは無かった。
「命ちゃん何で学校に居るの?玲はどうした?」
「パパぁ…うぅ~」
圭ちゃんが何か話しかけてきているのは分かるが、何を言っているのか全く分からない。
圭ちゃんが周りの子達に何か指示するとその子達はぼくの事を気にしながらも戻っていった。
「ん"ー」
「命ちゃんの話聞くだけだから、手を離して」
とりあえずぼくを引き離そうとする圭ちゃんに、ぼくは力の限り抵抗をする。
上着を掴んで下ろされないように必死だ。
「分かった分かったから…とりあえず玲を探そ?」
圭ちゃんに頭を撫でられると、未だに何を言っているのか分からないけど下に降ろされないのが分かってひと安心した。
顔の近くに圭ちゃんの耳が見えて口寂しくなったぼくはそれを口に含んだ。
「ちょっ!命ちゃん!!」
自分の指を口に含むと、その隙に下に降ろされるかもしれないので手近にあったものを口に含んだだけに過ぎなかった。
ちゅっちゅっと耳たぶを吸って居ると少し落ち着いてくるが、お腹に回った圭ちゃんの手がまたぼくを引き離そうと力がこもる。
「こら!」
「む"ー」
遂に引き離されてしまったことにぼくは不満げな声をあげる。
圭ちゃんは怒ってると言うよりは困った顔をしている。
改めて周りを見渡すと同じ服を着た子供達は居なくなっていて、玲ちゃんと一緒に入ってきた本が沢山ある部屋へと来ていた。
「みことちゃん!けいちゃん!!」
扉を開けて部屋に入って行くと、玲ちゃんが居た。
玲ちゃんはぼくたちの姿を見付けると急いで駆け寄ってくる。
玲ちゃんの姿にまた安心してしまってポロポロ涙が溢れてきた。
「ごめんね!気がついたら、みことちゃんが居なくなってて…さみしかったね」
「ん"ー」
ぼくは圭ちゃんから手を離す。
そのまま下に降ろされたので、玲ちゃんに抱きついてまた少し泣いてしまった。
最近少し感情のコントロールが難しくて直ぐに泣いてしまう。
K先生に電話で相談したら、今まで仕事で感情を抑えたり、仕事が終わってからその抑制がなくなって爆発したりという起伏が無くなってきたからではないかと言う事だった。
正常な事だから心配することはないと言われて安心はしたのだが、泣くのを見られるのは少し恥ずかしい。
「それで、何で命ちゃんと玲が学校にいるんだ?」
「けいちゃん…」
圭ちゃんの少し怒った声がして、ぼくはそちらを恐る恐る振り返った。
圭ちゃんは腕を組んで、二の腕辺りをトントンと指先で叩いている。
ぼくからでも相当怒っているのが見て取れた。
「ごめんなさい。けいちゃんがお弁当忘れて行っちゃったから届けにきたの…」
「でも、みことちゃんに何かあったらどうするんだ!」
「ごめんなさい…」
玲ちゃんは圭ちゃんに起こられてしゅんとしていることに、ぼくは圭ちゃんに対して怒りを覚えた。
「れいちゃんをおとらないで!ぼくが…がっこまできたい言ったの!」
「みことちゃん…」
何を言っているか分からなくても、ぼくの事で怒られてるのは明白だ。
ぼくは圭ちゃんに向かって声を張り上げた。
上手く言葉が出てこなくて変な事を言っている自覚はあるが、どうしても玲ちゃんが怒られているのが許せなかった。
「がっこにち来たととないから…だから…えっと…」
上手く言葉が見付からなくてモゴモゴしていると、圭ちゃんから大きなため息が漏れた。
そのため息にビクッと身体が震えて、上着をぎゅっと握りしめる。
これからどうしようと軽くパニックに陥った気分だ。
「俺も、出がけに玲といちゃつくのに夢中で弁当を忘れたことに気が付かなかったんだ…俺も悪かった」
「んーん。レイも早くきがつかなかっから…ごめんなさい」
雰囲気的に仲直りした空気を察して、ぼくは圭ちゃんにしゃがんでくれるように袖を引っ張る。
意図に気が付かない圭ちゃんは最初は抱き上げようと手を出してくれたのだが、ぼくは首を振って違うという事を伝えた。
圭ちゃんは首をかしげつつしゃがんだのを見計らってぼくは圭ちゃんにディープキスを仕掛けた。
圭ちゃんのうっすら開いていた口に無理矢理舌をねじ込み、舌をからませる。
口を離した所で今度はそれを呆気に取られて見ていた玲ちゃんの元に向かって同じ事をした。
圭ちゃんの舌は、パパより少し厚くて柔らかかったが、唇が少し薄い気がする。
そして玲ちゃんはどことなく、舌も唾液も甘い気がしていつも味わう様に舌を絡ませてしまう。
玲ちゃんの唇はいつも塗っている物のせいで少しぬるついていて、変な味がする。
「んっ…みこちょちゃ…うっ」
唾液を混ぜ合うように舌を絡ませていると、玲ちゃんの身体がどんどん熱くなってきた。
背中に熱い視線を感じてぼくはペロリと唇を舐めつつ振り返ると、ぼくと玲ちゃんを食い入る様に見つめていた圭ちゃんと目が合ってさっきまで泣いていた事など忘れて悪戯心がむくむくと沸き上がるのを感じていた。
ぼくはにぃっと口の端が上がるのを自分でも感じる。
「けいちゃん…ぼくたちとあそぼうよ?」
ぼくは玲ちゃんの手を取り圭ちゃんの前まで歩み寄る。
圭ちゃんはぼくの考えている何かに気がついたのか後退った。
ぼくはそんな圭ちゃんの事などお構い無しにどんどん近付いていく。
不思議な事にこんな時だけ足はスムーズに動いている。
「玲ちゃんもムズムズしてるよ?」
「み!みことちゃん!!」
ぼくは玲ちゃんの着ているシフォンワンピースのスカートの裾を持ち上げて玲ちゃんのパンツギリギリのところまで引き上げて白くて滑らかな太股を見せつける。
玲ちゃんが恥ずかしそうにしているのだが、ぼくは気にせず圭ちゃんの方を見ていた。
「ここは学校だから…」
きっと色々と葛藤しているのが見てとれるが、圭ちゃんの目は玲ちゃんの足に釘付けだ。
ぼくは玲ちゃんから手を離して近くにあった椅子を引く。
玲ちゃんと見つめ合っている圭ちゃんを無理矢理その椅子に座らせた。
ちゅぶっちゅぶっ
空気を含んだ水音が部屋の本達に吸い込まれていく。
ぼくは手つきでスラックスのフロント部分を寛げた圭ちゃんのまだ柔らかいモノを躊躇なく口に含んだ。
そこからはもうぼくのペースで進んでいく。
「命ちゃ…だめだよ…離しなさい…」
「ん~?」
椅子に座った圭ちゃんの声が上擦っている気がする。
床にぺたんと座り込んでいるぼくを引き離そうと肩を押してくるが、その度男の人が大体弱いところに舌を這わせてやる。
ぼくは楽しくて仕方なくて更にペロペロと舐めていく。
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