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狼は腹の中15

俺が目的地に指定したのはホテル近くのコンビニだった。 コンビニに到着するとタクシー代金のお釣りを渡そうとしてきた男に、俺はコンビニでビールとツマミを買うように言って中に行かせた。 残りの男達には圭介を連れて先にホテルに入る様に指示して、俺はコンビニの前でタバコに火をつける。 大きく息を吸い込んだところで、コンビニの前に1台のタクシーが入ってくる。 「アリガト~」 何気なくそちらを見ていると、よく見知った金髪の人物がタクシーから降りてくるのが見える。 俺が指示した通りにカメラの入ったバッグを持っている。 最近ではタクシーでも電子マネーが使えるらしいので、その人物はスムーズに降りてきた。 タクシーを見送ってすぐに可愛らしいバッグからスマホを取り出して周りをキョロキョロと見ている。 「あ、パパさん!」 俺の視線に気が付いたのか、振り返った玲ちゃんと目が合う。 すぐに表情が明るくなって俺に近付いてくる。 俺は設置されている灰皿でタバコを消すと、顔に笑顔を貼り付けた。 「わざわざ来てもらってごめんね?」 「んーん。オモシロイことってなぁに?」 玲ちゃんからカメラの入ったバッグを受け取る時に謝ると、玲ちゃんはイタズラを思い付いた子供の様な顔になった。 こんな表情を見ると、しっかりしていてもまだまだ子供なんだなと思う。 「実はね…」 「あれ?レイちゃん?何でこんなところに居るの?」 俺が玲ちゃんにネタばらしをしようとしたところでコンビニへ行かせていた男が戻ってきた。 こいつはどうやら玲ちゃんの事を知っているらしい。 「あれ?大和くん?」 「女の子がこんな時間にこんなところに居たら危ないよ?」 玲ちゃんも相手を知っているらしいが、大和という奴は玲ちゃんの事を女の子だと思っているらしい。 まぁ可愛らしい服装に容姿も整っているから女の子と思われるのは仕方がない。 こう見えても玲ちゃんはれっきとした男の子なのを仕事を手伝ってもらって下半身もばっちり見ている俺は知っているが、確かにこの格好では間違えるだろう。 フワッとしたスカートの下には膝丈のレギンスにピンク色のスニーカー。 トップスは少し派手目のざっくりとしたTシャツに、ネオンカラーのキャミソールが見えている。 1つづつのアイテムは派手だが、玲ちゃんにとっても似合っていた。 「俺が呼んだんだ」 「え…若が?」 確かに、浮気にも近い現場に今から抱く奴の嫁が来たら驚くだろう。 大和という男は俺を信じられないという顔で見ている。 「れいも、べつにオンナノコじゃないからへいきだよ?れいは、れっきとしたオトコノコだし!」 「は?」 玲ちゃんは相変わらず空気を読まずに言い放った。 余りの驚きに、大和の動きが止まるが俺は玲ちゃんにこの後食事には行けそうに無いことと、そのお詫びとして千円札を数枚渡す。 好きなものを買って、部屋においでと言って部屋番号を教えたところで玲ちゃんがコンビニの中へ消えていく。 フリーズしている大和からコンビニの袋を取り上げて、俺は大和を引きずるようにホテルへ入っていく。 「は?男とか…あの女好きの圭介が…嘘だろ…」 エレベーターに乗ったところで、大和がブツブツと何やら言っているのが聞こえる。 察するに、大和は圭介に好意を寄せていたのかもしれない。 女好きで有名な圭介をこっそり抱いて肉体関係があっても、想いは伝えられなかったのだろう。 「そんな圭介をこらしめてやればいいじゃないか…」 「そうだ…滅茶苦茶にしてやれば…」 ブツブツ言っている大和に小声で悪魔の囁きをした。 俺の事など早速眼中にない様だが声は届いたみたいで、俺の言葉に納得している。 圭介をどうしてやろうかと言うことに頭がいっぱいの大和を余所に、エレベーターは目的の階に到着した。 「あ、若!見てくださいよ!」 「圭介のスマホの待ち受け、嫁なんですよ!」 「こんな可愛い子と再婚したのかよ」 部屋に入ると、男達が圭介のスマホを輪になって覗きこんでいた。 圭介のスマホの待受画面は、少し前にやった合同誕生日会で命が作ったドレスを着てポーズをとった玲ちゃんなのだ。 画像では年齢や身長等は分からないから、さぞ玲ちゃんは北米系の美人な嫁に見えているだろう。 大和は血が滲むのではないかと思うほど手を握りしめていたが、俺は気にせずにカメラのセッティングをはじめる。 「誰かこれで撮ってやれよ」 「ウィース」 三脚にカメラを乗せたところで、バッグからハンディカムを取り出す。 それからベットに近付いて近くに居た奴にカメラを渡してやる。 所詮は酔っぱらいの集団なので欲望には忠実らしく行動は早かった。 あっという間に圭介は服を剥ぎ取られ、下着1枚になる。 「あれ?圭介太ったんじゃないのか?」 「俺達も人の事言えないけど、寄せたら胸ができるのはいかんな」 1人が圭介の肉を胸元で集めて小さな盛り上がりをつくる。 すぐに笑いが起こったかと思うと乳首を引っ張ったり、足を触ったりとどんどん動きがあやしくなってきた。 俺は荷物を持って別室に引き上げていく。 別に圭介がこれからどうされようと、どうでもいい気がしていたからだ。 「パパさん!」 もう1つ用意してもらった部屋に入って行くと、玲ちゃんがソファーに座ってコンビニで買ったのもを食べていた。 パンや揚げ物などかなりジャンキーな物が多い気がする。 「玲ちゃん呼び出してごめんね」 「きにしないで。それより、オモシロイことってなぁに?」 「あぁ…これだよ」 俺は机に荷物を置いてタブレットを取り出す。 ソファーの目の前にあるテレビにタブレットを繋いで電源を入れた。 先程の部屋の様子が画面に映し出され、カメラのアングルはベットで男達に弄ばれている圭介がど真中に来ている。 「わぁ!すごぉい!」 玲ちゃんは嬉しそうに画面に釘付けになったので俺はコンビニ袋の中に入っているビールを手に取った。 1人掛けのソファーに腰を下ろしてプルタブを開けるとカシュッと音がする。 そのまま半分ほど飲んで画面を見ると、男の背中が見えた。 「あーん。これじゃあ、みえないよぉ」 『おっとカメラがあったんだな』 玲ちゃんと、画面越しの男の声が重なったかと思うと画面の中では圭介の下着がついに脱がされこちらに向かって大きく足を広げられているところだった。 俺は興味も無いので缶の残りをぐいっと煽り、その空き缶をローテーブルの上に置く。 『早速ローションで慣らしまーす!』 一人が見えるように手にローションを垂らし、おどけた様に言った瞬間に周りからは笑い声があがる。 そのまま遠慮なしに孔に指が差し込まれたが、ローションのお陰なのかスルリと入った様に見えた。 『やっぱしばらくしてないからか固いな』 『えー?』 男達は孔に顔を近付け、孔の周りに広がっているローションの滑りを借りて人差し指を挿入する。 大和以外の男達が人差し指を突っ込んで外側に引っ張った。 孔は、辛うじて血は出ていないものの歪に拡がって中の肉が見えてしまっている。 『でも、ちゃんと拡がるぞ?』 『圭介何処が感じるんだっけ?』 ローションのボトルを逆さまにして、孔に流し込み中を弄っている光景はさながら実験に近かった。 画面の中からはぐちゅ、ぶちゅっとローションが立てる粘度の高い水音が聞こえてくる。 『ふっ…んっ』 『お?圭介も気持ちよくなってきたみたいだぞ』 『乳首も勃起してきたしな』 テレビのモニターには定点カメラの映像しか転送されてこないので、少し映像が遠いが男達の声を聞くに圭介の身体はきちんと受け身の快楽を覚えているらしい。 俺はぼんやりとそう思いながら乾き物を口に運びながら次の缶を開ける。 圭介は男達に胎内を観察され、乳首を引っ張られ、完全に男達の体のいい玩具だった。 『ほら!大和が最初に挿入してやれよ!お前圭介の事好きだろ?』 『は!なんで…』 『そんなのバレバレだろ』 画面の中で笑いが起こるが、ふと玲ちゃんはこんなのを見せられて複雑では無いだろうかと心配になった。 玲ちゃんを盗み見ると頬を紅潮させてうっとりと画面を見ていたので安心する。 大和は仲間達に急かされ服を脱いで圭介の身体の下に潜り込んだ。 定点カメラには変わらず大きく足を広げられた圭介が映っているが、圭介の身体の下には大和の下半身が見えて何ともシュールだ。 『圭介っ!!』 『ぐっ…』 大和がそのまま下半身を突きだすと、他の奴等が拡げていた孔にすんなりとペニスが入っていく。 はじめはゆるゆると腰を動かして居たが、次第に動きが早くなり肌がぶつかるパンッパンッと言う音がしはじめた。 『けいちゃんの好きなチンポだぞぉ?』 『昔みたいにナメナメしようなぁ』 『ずりー!じゃあ、俺は最初は手で我慢するかな』 そこから他の奴等も煽られたのか下半身を露にして圭介の唇にペニスを押し付けていた。 圭介はヒクヒクと鼻を動かしたかと思うとそのままペニスを口の中に受け入れる。 圭介に舐めて貰えない奴等は手を使ったりして欲を発散しはじめた。 『ははは。乳首尖ってやんの』 『昔はしょっちゅうしてたから、もっとぷっくりしてたのになぁ』 『まぁ、吸えない事もないぞ?』 下から突き上げられつつ、自主的にペニスを口に含み手淫をしつつ乳首を吸われているのに圭介は目を開けない。 多少酔っても、俺の目の前に居る嫁の玲ちゃんとはしっかりセックスするのに今日は相等呑んだのだろう。 息子の翔はすぐに酔うが、圭介はそこまで酒には弱くないはずだ。 しかし目を覚まさないということは相等深酒をしているか、何か盛られたとしか考えられない。 俺的には美味しいシチュエーションなのでそこの所はどうでもいいことだ。 『圭介っ!!圭介っ!!』 『くそっ…俺も久々でもたない!!』 『飲み込め!!』 大和が圭介の腕を引きながらラストスパートをかける。 他の奴等もそれに釣られる様に腰の動きを早めていく。 『んごっ!おぶっ!!』 『圭介吐くなよ~』 圭介が噎せる声が聞こえるが、男によって頭を押さえられていて身動きが取れていない様だった。 孔からは受けとめきれなかった精液が下品な音を立てて溢れてきている。

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