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狼は腹の中16

俺は何本目か分からないビールの空き缶をローテーブルに積み上げる。 そろそろビールにも飽きてきたなと思いつつサラミを齧りながら空き缶のタワーを作っていた。 ふと画面を見ると、圭介から3人目の男が離れ4人目の男に交替しているところだった。 『おー。すげードロドロだなぁ』 『掻き出しておくか?』 仰向けに寝ている圭介の足首を男2人で掴んで頭の方へ倒す。 尻が上向きになると、空気を含んだ下品な音が聞こえ背中側に精液が滴っているのが見える。 男達は孔を観察しつつ、またしても数人が遊び感覚で指を孔に挿入した。 ぐちゅぐちゅという音に混じってゴポゴポと液体が溢れる音もしているが丁度カメラに被ってしまって見えない。 玲ちゃんは圭介が見えないにも関わらず、体勢を変えて必死に様子を見ようとしていた。 さながらグラビアを下から見ようとするのと同じなのだが面白いのでそのままにしておく。 『ハハハ。今更だけど、ヘッドボードのところに電マあるぞ』 『マジだ…最近のラブホってすげぇーな』 男達は枕元に設置されている電気マッサージ機に気が付いた様で、電源を入れて盛り上がっている音が聞こえる。 『せっかくだから、圭介の疲れを癒してやろうぜ』 『そうだな!』 圭介に覆い被さっていた男達がカメラの前から引いて行ったが、圭介の体制は相変わらず身体を半分に折り曲げられ尻を高くあげられた、いわゆるまんぐり返しの体勢だった。 孔には男のペニスがずっぷりと根元まで挿入され、4人目だというのに一向に目を覚まさない。 『こことか凝ってるんじゃね?』 『あー。尖ってるもんな』 『ほら、大和!マッサージしてやれよ』 男達は変に盛り上りはじめ、大和にマッサージ機を手渡す。 先程まで散々弄くりまわして勃起させた乳首を指差して笑っている。 大和がスイッチを入れるとヴヴヴヴっという震動音がしはじめた。 大和は他の男達に急かされ、マッサージ機を圭介の乳首に押し付ける。 『うわっ…やべっ…なか締まる』 『さっきよりスゲー音してんな!』 男達が言うように先程より空気を含んだぐぽっぶぽっという様な音をマイクが拾っている。 『ん…あぁぁぁぁ!!』 『うわっ!』 大和が亀頭に電マを押し付けたところで、圭介が声をあげつつ透明な液体が先端から腹に落ちていく。 挿入している男は驚いた声を出したが、大和は止めようとしない。 むしろ先程刺激していた乳首を押し潰し、亀頭を執拗に刺激している。 『うはっ…搾り取られる!!』 挿入していた男はゆらゆらと腰を動かし、中に吐精したようだった。 男がペニスを抜いても大和は電マを止めることなくペニスを刺激し続けている。 『これって潮吹きってやつじゃね?』 『マジか!』 『もう1台のカメラの前でさせてみようぜ!!』 『一応こっちでも撮ってるぞ?』 『いーじゃん!面白そうで!』 男達は俺達が見ている定点カメラの存在を思い出したのか、圭介の脇の下に手を入れて立たせる。 そして倒れない様に5人目の男が孔に挿入して腰を動かしはじめる。 フレームの外から電マがレンズにアップになってるペニスに伸びてきて、最初は玉からどんどん上へと移動していく。 『お"お"お"お"』 『圭介派手にイってるな』 『やめないんだけどなぁ』 圭介の声が雄叫びみたいになっているが、男達からは笑いが起こる。 画面には潮を吹いている圭介のペニスがどアップで映っていたが、俺は早々に興味を無くしていたのでスマホを取り出す。 家の様子を映し出すと、こちらでも大変な事が起こっていた。 命が翔の上に乗っているが、翔は腕を拘束されている様だ。 「おいおい…」 俺は大きなため息がでる。 朝起きたら命が家出していたので感情に任せて捕まえてお仕置きをしてしまったのを反省していたのだが…今更ながらに翔が原因だったのかもしれないと思った。 最近翔ばかりを構っていたから命が嫉妬してしまったのかもしれない。 首を横に振る翔に股がり腰を激しく動かしつつ、こちらでも乳首を引っ張っている。 再びテレビ画面を見ると男達に玩具にされてる圭介が映っているし、スマホの中では命にディルドー代わりにされている翔が映っているしで花吹家はなんと不憫な事か。 しかし、その花吹家の“お嫁様”は旦那の陵辱現場を楽しそうにスナック菓子を食べながら見ているので問題はないだろうと勝手に納得しておいた。 「はぁ。けいちゃんきもちよさそうだったぁ」 玲ちゃんが満足そうに炭酸飲料を口に含む。 テレビ画面にはうつ伏せで、孔からは空気を含んだブプッと下品な音を立てつつ精液を逆流させている圭介が映っている。 やはり終始起きることはなく、今も孔から精液を垂れ流しているのにすぅすぅと寝息をたてていた。 『またぐちゃぐちゃだな』 『潮吹きまでしたのに、これで嫁さんいるんだもんなぁ』 『全くそんな感じじゃないよな』 情事の後のまったりとした空気の中で、画面の端に映る大和は一人複雑な顔をしていた。 画面の中ではシャワーの順番を話あっており、最後に大和が圭介の処理をするという事で話がついている。 俺はその話を聞きつつのっそりと立ち上がった。 「玲ちゃん。俺、ここの店の人と話してくるからもうちょっと待ってくれる?」 「はぁい。だいじょうぶヨ~」 玲ちゃんはご機嫌にコンビニスイーツを食べ始めたので、俺は部屋を後にする。 staffonlyと文字が書かれた扉を入るとリネン室だったが、その横にもう1つ扉があったのでそちらに進むと階段があった。 その階段を降りて管理室に行ってオーナーにお礼を言いに行く。 今日のお代と心付けを置いて、もう少し部屋を借りる事を話すとオーナーは快く了承してくれた。 来たルートをゆっくり戻って行く途中にスマホを取り出して、命と翔を確認すると足を大きく開かせた翔の孔を何か道具で弄くり回している命が映し出されたので俺はそっとスマホの電源を落とし翔に心の中で謝っておいた。 「あ、若!」 「お疲れさまでーす」 圭介達が居る部屋に行くと圭介と大和が風呂場に消えていくところだった。 他の男達にタクシーのチケットを渡し帰らせる時に深々と頭をさげられたが俺は適当にあしらってハンディカムを受け取る。 そのハンディカムをバッグの中に片付けて、三脚に乗っている定点カメラのSDカードを素早く交換してから風呂場へと急いだ。 「圭介…」 「んっ、んっ…」 そぉっと風呂場を覗くと、壁がガラス張りになっていてよく中が見える。 声もよく聞こえるのだが、三脚を置いてきた事を後悔しはじめる。 大和は圭介と舌を絡め合いつつ、腹に乗せた圭介を揺さぶっていた。 タイルに反響してぐちゅぐちゅと音が聞こえてくる。 「圭介…圭介…けっい!!」 大和は圭介の身体を抱き締め、時折乳首に舌を這わせたり首を伸ばして圭介と舌を絡めたりしている。 本当に圭介は何事も無いように寝ているので、流石の俺でさえその無防備さが心配になってきた。 今回は仲間内での話だが、知らぬ間に仲間以外にも色々されているのではないだろうかと思った。 「出すよ?受け止めて!!」 大和が腰を更に押し付けたところで圭介の身体がビクンビクンと小刻みに震える。 大和が腰を引く頃には孔はぽっかりと開き中が丸見えになっていた。 「圭介…圭介」 「んっ…んぁ…んむっ」 俺は大きな欠伸をかみ殺しつつ何とか一部始終カメラに納めていたが、大和が執拗に圭介と舌を絡めているので止めに入ることにした。 そろそろ俺も家に帰ってベットで寝たい。 俺はカメラを止めて風呂場の中へ入っていく。 「そろそろいいか?」 「え!わ、若…帰ったんじゃ…」 大和に声をかけると、俺が入り口で撮影していたことは全く気が付かなかったのか凄く驚いた顔をする。 俺はすぐに部屋を出たので帰ったと思っていたのだろうが、疲れのせいで少し早く酔いがまわっている俺は一刻も早く家に帰りたかった。 「満足しただろ?圭介の後ろの後始末はさせてやるから、早く出てこいよ?」 俺の言葉に複雑そうな顔をしていたが、大和は頷いたのを見届けて俺はカメラを片付けるべく部屋に戻った。 撮れ高的には申し分ないので、後日改めて編集しようと決める。 流石に2日連続で徹夜は無理だ。 今の間に玲ちゃんを迎えに行こうと移動をする。 部屋自体はそんなに離れていないのですぐに部屋についた。 「玲ちゃ…帰ろうって言おうと思ったけど、流石だね」 「カメラがとまったから、そろそろかなぁっておもったの」 部屋の中では帰りの支度をした玲ちゃんが待っていた。 テレビに繋いでおいたタブレットも、俺が呑んだビールの空き缶も片付いていて流石スーパー主夫はすごいなと関心する。 玲ちゃんを連れて圭介と大和の居る部屋に戻ると圭介にはきちんと洋服が着せられていた。 何度も“いたずら”をしているらしいので短時間で処理できるのだろう。 「帰るか」 「はぁ~い」 俺が声をかけると、玲ちゃんだけが元気よく返事をするのが何処か異様だった。 圭介は相変わらず寝ているし、大和はどこか気まずそうだし、一方で玲ちゃんはとてもご機嫌で少し音程が外れた鼻歌をうたっている。 「圭介は俺の家に連れて行くから、気にするな」 「いや…でも…」 「やまとくんまたね!」 ホテルの外に出ると、ホテルを照すライトと向かいのコンビニの灯りだけで住宅街でもないので真っ暗になっていた。 流石に玲ちゃん一人で圭介を運ぶのは無理だろうと判断して言ったのだが、それに渋る大和に玲ちゃんがバイバイと手を振る。 玲ちゃんは怒ってるとかではなく、単純に娯楽を楽しんだ後の満足感と高揚感でご機嫌なのだろうと感じた。 「う、うん…また…またね」 実質嫁という立場の玲ちゃんにそう言われてしまえば大和は何も言えないだろう。 すごすごと帰って行った。 俺は圭介を俵抱きにしてアプリで呼んだタクシーをまっていた。 ふと、命と翔の事を思い出したがあちらでも大惨事が起きているだろうと思うと、またしても大きなため息がでる。

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