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第9話
「芥川君、寂しがっているかな」
口には出さないけど、本当は寂しがり屋の甘えん坊さんだからね。
甘えるのが不得意で、手を繋ぎたい時は服を引っ張ってくるし、キスを強請る時も上目遣いをしながら顔を近付けてくるばかりだ。
目を閉じれば甘い記憶から嫌になる苦い記憶まで全ての思い出が頭に浮かぶ。
「大丈夫。もう行くから」
また失敗してしまうかもしれないけれど
それでも、何度でもここで入水をするよ
君が死んでしまったこの川で。
「ドプンッ」と音を立てながら、川に身を投げた。
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