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第10話
「太宰?」
家に戻ると、つい先程まで布団に包まっていた太宰の姿が消えていた。
自分の言うことを素直に聞き入れ、外に出ていったのか。
「まぁいい。飯を作って待っていてやるか」
そこまで言って、自分のしてしまった罪に気付いた。
太宰が外に出た?
何をしに?
太宰は本当にどうしようもない男だ。
そして、太宰は芥川の事を溺愛している。だが、それと同等に好きなものが………………………………………自殺だ。
「……まさか」
スーパーの袋を床に投げ捨て、外に出た。
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