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第6話 (R)

頭の中で、『どうして』という言葉がぐるぐるとまわっている。 正直、天野先輩から与えられる刺激は刺激はあまりに気持ちよくて、やめて欲しいとは思えない。 だけど、それ以上に、好かれていると知りながらも、男のおれにこんなふうに触れてくる理由がわからない。 好きな人から与え続けられる快感と、天野先輩の意図がわからない不安で、頭がぐちゃぐちゃになって、みっともなく泣きそうになる。 「あっ…!」 突然、感触が変わって、後孔をいじるものが、天野先輩の指だとわかった。 普通なら出すはずの口をぐりぐりと指で押されて、力を抜いた一瞬のうちに、指が中へと入ってきた。 「んぁっ、ぅ、ん…っ!」 「ハッ、きっつ。こっち、初めてなの?」 「あたり、まえ、ですっ、ぅあっ…ん、うごかさ、ない…で……っ」 「動かさなきゃ広がんないでしょ」 そう言った天野先輩は、ゆっくりと指を抜き挿ししたり、中でくるくるとまわしたりする。 その度になんともいえない感覚が身体中に駆け巡る。 「だいぶいいね。2本目いくよ」 少しずつ少しずつ、挿れる本数を増やされ、中でばらばらの動きをする。 そして、その指がある一点に触れた瞬間、 「ひゃぅ?!あっ、んんっ、やめ…っ」 びりびりと電流を流されたような痺れた感覚が全身に広がり、勝手に身体がびくびくと震えた。 「へぇ、ここイイの?あ、もしかして、ここかなのか、例のアレ」 ひとりで納得した天野先輩は、執拗にそこを責め立ててくる。 その度におれの口からは嬌声があがり、身体がびくびくとして。 気持ち良すぎて、なにがなんだかわからなくなる。 「やぁっ、ら、め…っ、あっ、んんっ、ふぁ、んっ、かい、ちょお…っ、も、むり、ぃ…あ、あんっ」 ふっと笑った声がしたと思うと、急に激しく責められて、目の前がチカチカとした。 続いて目の前が暗くなって、 ────ぷつりと意識が途切れた。

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