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そしてその週の土曜日…柊吾は少ない荷物を持って迎えにきてくれたベントレーにのって水無瀬邸へ向かっている 水無瀬が迎えにきてくれる予定だったが急な仕事で来れなくなったらしく秘書の男が迎えにきてくれた 柊吾の父親は柊吾が家を出ることを止めなかった むしろ今よりお金を家に入れると行ったら『行ってこい』と笑って言った 父親は水無瀬の名前を聞いても『知るか』と言っていたけれどこの辺りで有名なスーパーを経営してる人だと言ったら『あそこか』と頷いていたし、変な所に行くわけじゃないから引き止めずに見送ってくれたんだと思いたい (ってか俺もかなり世話になってる店だし…ポイントカードもってるし、この辺の主婦や一人暮らしにはかなり強い味方なんだよな…また後で会ったら肉も野菜も安くて美味いですってお礼言わないとな…) なんて呑気に考えてる柊吾だけど全く緊張してないわけではない 話を聞いた時は興奮していたけど…冷静になってから考えると他人の家で暮らすのだから色々と気を使う事も多いはずだ 家には水無瀬とその子供が暮らしていて、朝からきて夕方に帰る家政婦が一人いるらしい 水無瀬は仕事で忙しく家を開ける事も多いのでその子供とさえうまくいけば水無瀬邸での暮らしは楽なものになると柊吾はここ数日考えていた (同い年だし話は会うよな…?あの人の子供なら良い子だろうし、奥さんは他界してるってことは父親の手一つで育てられてる者同士分かり会う事もありそうだし…それに俺、一人っ子だから兄弟欲しかったしな!) 簡単にくじけるわけにはいかない…やっぱり高校生活は楽しかったし今後のためにも卒業できるならしておきたい 家を出て車で三十分…車は水無瀬邸の前でとまった

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