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「うっ………まぁ!なにこれ!うまっ!毎日こんな美味いものくってるんすか!?」
どれも美味しすぎると柊吾の箸が進む
今まで食べてきた寿司と違い身が厚くて新鮮だ、サラダといえばキャベツの千切りばかりだったけど色んな野菜やエビが入ったこのサラダは一口食べるごとに味や食感が違い美味しいだけでなく食べていて楽しくなる
「あはは、見ていて気持ちいい食べっぷりだな、天は小食で好き嫌いが多くてね…ほら天…てーん、サラダも食べなさい、エビフライとサーモンばかりじゃないか」
「やだ、サラダなんてこんなの葉っぱじゃん、僕は虫じゃないから、なぁ、お前…なんだっけ?…醤油小皿に入れろ、あとそっちにあるポテトも」
父親の前だと少しは大人しくなるかと思いきや変わりはなかった
呆れながら柊吾は天誠の言う通り醤油を入れてポテトを取る、ついでにトマトを添えてあげたら気に障ったのか足を蹴られた
「はぁ…すまないね折は…いや、柊吾君…もうわかっただろうけど天は可愛い自慢の息子なんだが物心つく前に母親を亡くしてるので寂しい思いをさせないために甘やかして育ててきたせいで我儘に育ってしまってね…まぁ、私にとってはそんな天も小悪魔のようで魅力的ではあるんだけれどこの性格で色々と誤解を招いたりトラブルになることが多くて…君にも不快な思いをさせると思うけれど天と友達になってあげてほしいんだ、頼むよ」
「……はい!俺でよかったら!これからよろしくな天誠」
様、と小声で付け足せば天誠は大きな目を丸くして驚き、水無瀬は柊吾に何度もお礼を言ってきた
(いや、だって…飯が美味すぎるからな)
たまったストレスも美味しいご飯で消化されていくと柊吾は満腹になった腹を満足そうに撫でた
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