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第2話 勝手知ったる幼なじみ

幼なじみの尚とは家も近所で幼稚園からの関係だ。 タイプは違うけど気心してれるし、楽でいい。 尚は相変わらずのインドアで、学校以外では大抵部屋に籠ってる。 籠りすぎて心配にもなるが、別に引きこもりではない。 普通に生活しているし、近くにある親戚の小さな喫茶店へバイトにも行っている。 俺が出歩いたり遊び歩いたりするから、なかなか会わないってだけで。 「尚!これから1泊の旅行行こうぜ!!」 「え~旅行?いつも急すぎるよ、将人は」 そんな尚の都合なんぞ関係ない。 今までだって、そうしてきたんだし気遣いゼロの俺様。 「お前は俺に従ってればいいんだよ!絶対楽しいから行くぞ!」 「で…何処に行くの?」 仕方なく体を起こした尚は、諦めの溜め息をついた。 俺がこう言い出したら聞かないと知っているからだ。 どこへ行くかなんて考えてなかったけど、尚をその気にさせるには…と思いつく。 「海沿いを寄り道しながら最後はシーワールド・マリンスタに行く」 「えっ!マリンスタ?!」 動物好きな尚は、さっきまでの様子が嘘の様に顔を輝かせて俺を見上げてきた。 インドアのお陰で色の白い顔が紅潮していく。 大興奮の様だ。 昨日CMしてたのを偶然観たのだ。 「行くか?」 「うん、行く!!」 こうして俺は尚を連れて、車での1泊旅行へと出発したのだった。

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