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第4話 俺はオレ様
「仕方ないな~」
そう言いながら今度は素直にペットボトルの蓋を外すと、俺に手渡して来た。
「お前は呑気に飲み食いだけして疲れたら寝てるんだから、そのくらいは協力しろよ」
「偉そうに~」
お茶をガブガブ飲んで喉を潤すと、気持ちも復活する。
ついつい尚には強い口調になるのは仕方ない。
子どもの頃からの関係がそうさせているのだから。
自分で言うのもなんだが、いわゆるオレ様だ。
俺様気質なのは元からの性質もあるだろうが、この顔面偏差値でチヤホヤされてきたのと頭のデキが良くて人生楽勝なのがいけない。
何より、この幼なじみの存在が助長させているのだと思う。
反発してくる割りに逆らい切れないのは、昔は圧倒的に俺がコイツの意見を捩じ伏せていたせいだろう。
俺って今思い返しても結構ヤンチャというか、こいつには最悪な幼なじみだったかもな…。
反省はしてないけどな。
そんな事を思っていたら、不満そうに口を尖らせた尚が文句を溢す。
「お茶くらいちょっと止まって飲めばいいのに」
誰の為に車を走らせてると思ってんだコイツ~お前が行きたい水族館の為にだろうが!
「時間見ろよ、のんびりしてたら辿り着けないだろうが!!」
「だから高速 、」
「うるせぇ!尚、ポテト!!」
俺が叫ぶと助手席でフライドポテトを食べていた尚が、やれやれといった風にポテトを口元へと出してくる。
パクッと食いついては、モッモッモッと勢いよく食べていく。
終わって口を開けて催促すると、今度は自動的にポテトがやって来た。
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