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第6話 間違ってなかった…
指の股を軽く舐めては、舌に力を入れて刺激してやる。
「あっ、ちょ、あ…っ」
おお?
指ごときで感じてるのか~さすが童貞。
そんな尚の顔を見たくなって車を止めようとしたら、もう片方の手で顔を横から押された。
「も~っ、やだっ!やめろよ将人!!」
「うぉっ!?危ねぇ!!」
運転しながら手首を持ち指を舐めるという行為は、思ったよりも気を使っている。
ハンドル操作が難しい。
横っ面を手で突っぱねられては、続行するのも不可能で…。
俺は渋々、尚の指を舐めるのを諦めた。
もう少しからかいたかったのに、残念だ。
「将人何考えてんだよ?!最悪だ!!」
そう言ってプリプリ怒りながら除菌シートで自分の手を拭く尚。
除菌シート3枚目だ…俺はそんなに汚いのか?!
それからポテトをくれなくなった尚を乗せて30分。
すると、ナビに山道以外の画像が映し出された。
「おっ、もう少しで着くぞ尚!!」
目的地の海岸沿いにある道の駅は、到着予定時間であと15分だ。
間違ってなかった、あ~良かった!
「おいっ、尚?!」
俺が歓喜に沸いた声を掛けるが返事は無い。
まさかと思って隣をチラリと見ると、尚がポテトを一本持ったまま眠っていた。
食おうとしてそのまま眠りやがったなコイツ…。
俺はひとり盛り上がった寂しさを誤魔化す様に、車内に流れる曲の音量を上げた。
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