15 / 41

第15話 清涼感…とは?

朝から車をひたすら走らせ続けて、漸く俺たちは目的地であるマリンスタへと到着した。 車を止めて降り立つと、夏へ向けて準備段階である7月とはいえ太陽の熱は半端ない。 直射だとジリジリくるものがある。 時間的にも1番気温の高い頃だから余計にだ。 俺と尚は日陰を求めて自動的にマリンスタの入り口へ急いだ。 尚の足取りが気持ち軽いと感じるのは、思い違いなどではないだろう。 「大人2枚」 「ありがとうございます。楽しんでくださいね」 「どうも」 こうして受け取ったチケットを手にして待っている尚と合流する。 「尚、ほらよ」 「ありがと。早く入ろ!」 チケットを受け取った尚は、俺の腕を掴むとグイグイ引っ張って館内へと進む。 どれだけ嬉しいんだか。 魚とかに興味は無くとも館内なら冷房効いてそうだし、水槽で泳ぐ魚とか見れば清涼感とかありそうだしな。 なんて思ってた時もありましたよ。 「うわぁ…すごい人だな~。やっぱり連休だから仕方ないか」 「…だな」 尚の言葉に俺は同意した。 7月の2日間という短い休みにも関わらず、考える事は皆同じなのか、マリンスタの館内は大勢の客でごった返していた。 清涼感とかどこ行ったよ? 見る限り親子連れやカップルが多い。 次に女子旅人気を伺わせるグループや二人組が目立つ。 他にも居るだろうが、今この周囲にいる男同士で来ているのは俺たち位か? とにかく人の数が凄すぎて、早くも怠くなる俺だった。

ともだちにシェアしよう!