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第22話 予想外
「次だ次!!」
尚へのムカつきを抑えると、まだ一軒目だと自分に言い聞かせ次を目指す。
そこも満室で、少し行った先も満室。
金は勿体無いが、ここは仕方ないとコストを上げていい温泉旅館へ向かったものの…。
「…どこも満室」
「…だね。ネットで検索してみたけど、これでも空き見つからないじゃん~どうするんだよ、バカ将人ォ!」
「バカバカ言うな!バカ!!…ッチ、仕方ねぇな」
ここはもうアレしかないじゃねぇか。
俺は取り敢えず旅館の土産物コーナーで簡単な食料を購入して、とある場所を求めて車を走らせた。
「どこ行くのさ?」
尚が訝しく顔を顰めるのに対して、ニッと笑って見せる。
「これから高速乗って、途中のサービスエリアで泊まる!!」
「…温泉」
「尚、文句言うな!温泉なんて、またいつでも来れるだろ?」
「あ~あ~サイアクぅ…」
尚は唇を尖らせて明後日の方向を向いてしまった。
「さてと、サービスエリアに向けて出発しますか♪」
ナイスアイディア~このままサービスエリアで車中泊して、朝早目に出れば昼すぎには市内に着くだろう。
そしたらビジネスホテルとか空いてるかもだし、ゆっくり出来る。
そう高を括っていたのだが…。
「…マジかよ」
ガソリン足りねぇじゃん。
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