22 / 41

第22話 予想外

「次だ次!!」 尚へのムカつきを抑えると、まだ一軒目だと自分に言い聞かせ次を目指す。 そこも満室で、少し行った先も満室。 金は勿体無いが、ここは仕方ないとコストを上げていい温泉旅館へ向かったものの…。 「…どこも満室」 「…だね。ネットで検索してみたけど、これでも空き見つからないじゃん~どうするんだよ、バカ将人ォ!」 「バカバカ言うな!バカ!!…ッチ、仕方ねぇな」 ここはもうアレしかないじゃねぇか。 俺は取り敢えず旅館の土産物コーナーで簡単な食料を購入して、とある場所を求めて車を走らせた。 「どこ行くのさ?」 尚が訝しく顔を顰めるのに対して、ニッと笑って見せる。 「これから高速乗って、途中のサービスエリアで泊まる!!」 「…温泉」 「尚、文句言うな!温泉なんて、またいつでも来れるだろ?」 「あ~あ~サイアクぅ…」 尚は唇を尖らせて明後日の方向を向いてしまった。 「さてと、サービスエリアに向けて出発しますか♪」 ナイスアイディア~このままサービスエリアで車中泊して、朝早目に出れば昼すぎには市内に着くだろう。 そしたらビジネスホテルとか空いてるかもだし、ゆっくり出来る。 そう高を括っていたのだが…。 「…マジかよ」 ガソリン足りねぇじゃん。

ともだちにシェアしよう!