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第23話 途方に暮れて…

「バッカじゃん?!本当に将人って昔っからそうだよな?後先考えずにさ~あと『俺がやるからには間違いない』とかみたいなその思考回路~一生治らないね、きっと!!」 一気に捲し立ててくる尚に、ムカッとして大きな声で反論した。 「あーっ、もう!うるせぇよ尚!ガソリンスタンドさっきの道で見掛けたから入れればいいだけだろーが!!」 尚はたまーに可愛くねぇんだよ、こういうところが。 ゆるゆるしてて一緒に居て心地よい気楽な幼なじみ。 だけど1度何かのきっかけで(たが)が外れるとこうだから、始末に負えない。 ツーンとする尚を助手席に乗せて来た道を戻っていく。 整備されているとはいえ、もう山道はすっかり暗くなっていた。 おまけに擦れ違う車もいない。 寂しい道をひたすら進む。 「…なぁ、誰も通らないな」 尚がポツリと言った。 「…だな」 ひたすらクネクネ道を行く途中、横道の向こうに明かりを見つける。 どうやら山の中の旅館らしく駐車場は車でいっぱいで、ここから見えた食事処の窓辺には浴衣姿の観光客がうっすら見えた。 「いいなぁ…」 そんな尚の声を無視して俺は記憶を元にカーナビを頼って漸くガソリンスタンドへ辿り着いた。 けれど入り口にはチェーンがされており、立て看板。 『本日は終了しました』とある。 おまけに『営業時間9:00~16:00』と田舎時間の設定だった。 朝も遅いが16:00終わりは早すぎないか?! 田舎だから車少ないからか?! マジで終わった…。

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