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「ももちゃん、お迎えよぉ〜!」
気づけば終了時間になっており、幹の野太い声が聞こえた。その声を聞き流しながらバッグを手に向かっていく。
毎度のこと稜が囲まれていて、橙里のことをじっとりと睨んでくる。イケメンに囲まれるイケメンとは、中々片腹痛い。
無愛想なくせに人気なのはいいことだ。そんな稜に瀬島が話しかけた。
「めっちゃイケメンだよね。ソムリエ姿も似合うけど、私服もかっこいい」
「……はあ」
稜が「なんだこいつ」と言うように睨んでいる。普通それに動揺して大体の人間は離れていくのに、瀬島は動揺するばかりか寧ろグイグイいっている。
──瀬島さん、マジで勘弁してくれ。
今日身体を差し出すというのに、これでは乱暴にされかねない。
「……瀬島さん、ストップ」
「あらももちゃん。嫉妬?」
「あ?」
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