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今度は橙里に対してその態度だ。疲れる。
幹もニコニコしてるだけだし、羽村と戸園も見守っている。頼む、助けてくれ。
瀬島と話している途中に稜を見ると、早く帰りたい様子だった。これ以上不機嫌にさせるわけにも行かないので、瀬島との会話を無理やり中断させ、稜の腕を掴んで出て行った。
「お疲れ様でした!」
「お疲れ〜」
瀬島が人の悪い笑みを浮かべながら手を振ってきていた。本当によくわからない男だ。
腕を掴む手を離し、ゆっくりと歩いていく。後ろを歩いていることを確認してから、橙里は口を開いた。
「……あの人とはなにもないから」
「……」
「だから、そんな睨まないでやって」
「……」
「おい無視すんじゃねぇ堅物イケメン」
悪口を言ったつもりだったのに、褒めてしまった。不覚。稜も「は?」と呆れた声を出していた。
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