32 / 527

[3]-1

家に入っても喋ることはなく、夕食を食べたあとは稜が風呂に入り、今は橙里が入っている。 今、稜は準備をしていることだろう。 男同士でどうやってやるのかわかっているのだろうか。 でも、やり方を知っていないとあんな風に言うことはできないと思う。橙里のことを散々脳内で抱いてる、なんて。 稜のモノはどれくらいの大きさなのだろうか。 入らないくらいに大きかったら、と考えるとかなり恐ろしくなってくる。 橙里の身長は百七十後半で、稜は百八十前半のため大きい差があるわけではないが、流石に稜のモノが橙里よりかなりサイズがあったら動揺する。 「ていうか、絶対僕がだよなあ……」 橙里の呟きも虚しく、その声はバスルームに響く。その響き方はなんとも哀愁が漂っており、事の深刻さを表していた。 ──いや、稜が相手なら大丈夫! 橙里は勢いよく立ち上がり、バスルームの扉を開けた。

ともだちにシェアしよう!