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予め大きめの服を用意しておいて良かったと思う。
下はどうせ脱がされるだろうし、下着だけ履いてその上から太腿まで届く服を着た。
髪をドライヤーで丁寧に乾かし、湿っていないのを確認してから浴室を出た。
寝室へ向かうドアまでは少し歩くだけなのですぐに入ることができる。
橙里は深呼吸を何度かしてから寝室のドアを開けた。
「……ぁ」
室内灯は付けられていなかったが、橙色に光るデスクライトが付けられていた。
そのおかげでなんとか稜の存在を把握出来たが、ベッドに腰掛ける稜がなんとも色っぽかった。
黒いスウェットのズボンに、黒いワイシャツを素肌に羽織っている。ボタンは一切とめられていなくて、高校のときのままの鍛え上げられた肉体が晒されていた。
橙里が入ってきたことに気付くと、ゆっくりと顔を上げる。だが、その顔はいつも通りで橙里は思わず面食らってしまった。
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