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にしても、どうしてトイレに行くのだろうか。
そんな心の声が聞こえたのか、稜が微笑する。
「おまえじゃ無理だろ」
「へっ?」
なにが無理なのか。首を傾げると、稜が背を向けたまま下半身を指しながら言う。
「これ」
「……なっ……!」
もしかして、稜は抜きに行くのだろうか。いや、寧ろトイレに行くならそれしかないだろう。
稜のモノは、やはり大きいのだろうか。
寝室から姿を消し、先ほど自分の身体を弄ってきた男のことを考える。
だが、考えれば考えるほど自身の軽率さを痛感して。
──これが俗に言う賢者タイムか。
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