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「……あいつが笑おうが怒ろうが関係ねえよ」
「言うねえ。これでも君より年上なのになー。でもさ、ももちゃんが泣いたらどうするの? 見放すことなんてできるのかな?」
「……」
瀬島はこれを言ったあと、内心ほくそ笑んだ。どうやらこの男は橙里の泣き顔には弱いらしい。その証拠に少しばかり狼狽している。
案外普通だと思う一方、橙里が第一なのだと思う。
まあ他人の事情なんて自分には関係ないしどうでもいいのだが、橙里が関わっていると思うとなんだか興味が出る。
橙里が強請るところを想像すると興奮する、と冗談混じりに言ったがあながちそこまで冗談でもない。
ましてや、その期待に満ちたような目で強請られたら、と思うと。
──男としては最高でしょ。
「ももちゃんかわいかった? やっぱりかわいいよね。本人気付いてないみたいだけど色気ムンムンだし?」
「……おまえ……」
「まだ挿れてはないんでしょ? だったらももちゃんの処女を頂いちゃおっかなー。同じ職場な分、狙いやすいしね」
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