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「はい、終わり。いいね、かわいいじゃん」
「わあ、全然違う!」
首に巻いたタオルを取ってから、椅子の向きを変える。我ながら上手くできたと思う。
ふと出入り口の方を見ると稜と瀬島が並んでいて、なにやら話しているようだった。時折顔を近付けたり、稜が不機嫌顔を作ったり。
不思議に思いつつ、会計を済ませる為にレジへ向かう。
レジ打ちをしているときにも無言なくせに互いを牽制し合っているように見える。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
出入り口まで送り、頭を下げる。姿が見えなくなったのを確認してから上げると、二人は橙里の方を見ていた。
「……なに」
「ううん? イケメンくんが待ってるよー」
「……ああ」
単なる気の所為かもしれないが、瀬島の言い方に棘があったように感じた。もしかしたら稜が不機嫌なのは瀬島がなにか無駄なことを言ったからなのかもしれない。
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